NERV本部 発令所

 第十三使徒戦の最終報告書を前に、冬月は唸っていた。
 勝った事は勝った。しかし、余りにも被害が大きすぎた。
 エヴァで戦闘可能なのは初号機ただ一機のみ。零号機は右腕欠損、弐号機は頭部大破で、いずれも修理には2週間以上との報告が来ている。そして、参号機は言うまでもなく破棄。
 さらに、施設では松代実験場が完全に壊滅。責任者だったゲンドウは過労で入院している。戦場となった野辺山の街も大きな被害を受けた。
 そして、何よりも辛いのは子供たちだった。レイは初号機ともども無事だったが、カヲルは頭部打撲で全治二週間と診断され、帰還直後から入院している。シンジは入院こそ免れたが、右腕の神経に障害が起き、リハビリ中だ。彼の方は全治三週間と診断されている。シンクロ率の高さが災いし、エヴァ本体と同等とは行かないまでもそれに近い打撃をフィードバックとして被ったのだ。
 そして、ヒカリは…


第三新東京市中央病院 NERV専用病棟

 脅える友人達。自分は狂暴な衝動に駆られ、彼らに襲い掛かって行く。腕を振るうたびに、吹き飛ばされていく友たち。その中の一人の首に手をかけ、狂ったような笑い声を上げながら締め上げる。レイだった。抵抗できず、ぐったりとなっていく彼女。瞳から光が失われ、やがて、その細い首が…
「いやあああぁぁぁっ!?」
 ヒカリは自分の絶叫で目を覚ました。
「ゆ、夢…」
 そうと気づいた瞬間、彼女は安堵の余り深々と溜息をついた。だが、すぐに恐怖が蘇ってくる。使徒に乗っ取られ、レイたちと戦った時の恐怖を。かけがえの無い友人達を、手に掛けてしまいそうになった事を。
「やだ…」
 ヒカリの目から涙があふれた。眠れば、また悪夢を見る。そのどうしようもない恐怖が彼女をさいなんでいた。
 その時、ドアがノックされた。ヒカリは首を傾げた。父が見舞いに来るのは知っていたが、まだ時間は先だ。レイとシンジは一度見舞いに来たが、ヒカリの容体にショックを受けてしまい、かえってヒカリが2人を慰めなくてはならないほどだった。 「…?どうぞ」
 誰が来たのか、と思いながらも返事をすると、入ってきたのはトウジだった。
「す、鈴原…どうしたの?」
 ヒカリが驚いて尋ねると、トウジは持ってきたフルーツバスケットをベッドの脇に置いた。
「見舞いや。何があったかは綾波に聞いたで。大変やったんやなぁ」
 答えると、トウジは備え付けの椅子を引いて腰掛けた。
「何か食うか?リンゴ…は剥くのがめんどいなぁ。ま、グレープフルーツでええか」
 そう言って、大きな手でグレープフルーツを剥き、一房ごとに分けて差し出す。
「ありがと…」
 ヒカリはまだ震える手でグレープフルーツを取ろうとしたが、それに気づいたトウジがその手をそっと押さえて、グレープフルーツを摘んだ。
「すまん、いいんちょ。まだ身体が上手く動かせんのやったな。ワイが食わせたるから、じっとしときや」
 ヒカリは命は助かった。しかし、使徒に寄生されたために、神経に重い障害が残ってしまった。医師はリハビリを続ければ完治するとは言ったが、それには長い時間がかかるらしい。
「ええっ!?そ、そんな…恥ずかしいよ…」
 ヒカリは頬を真っ赤にそめて言ったが、トウジは構わずグレープフルーツを彼女の口へ持っていった。
「ええから。この間の弁当の礼や」
 そう言われて、ヒカリは目を閉じてグレープフルーツを口にした。ゆっくりと噛み締める。
「ありがと…鈴原」
「ええって…礼を言いに来たんはワイの方やからな」
 会話は途切れ、しばらく2人は無言でいたが、やがてトウジが口を開いた。
「なぁ、いいんちょ…」
「なに?」
「なんで…なんで、ワイの事構ってくれたんや?」
 トウジはまっすぐヒカリを見つめた。顔が紅潮している。思い切った質問だった。ヒカリは一瞬驚いたが、やがて口を開いた。
「鈴原…前に妹さん迎えに、家に来た事があったよね」
 トウジは頷いた。彼の妹と、ヒカリの妹、ノゾミは同じ学校の同じクラスに通う友人同士だった。当然家に遊びに来る事も多く…ある日、夜遅くになってしまった時に、トウジが妹を迎えに洞木邸へ来た事があったのだ。
「あの時、鈴原が妹さんを見る目が、とても優しかったから…ああ、本当は鈴原ってこういう顔ができるんだ、って思った時に…貴方の事が怖いと思わなくなってた」
 ヒカリは言葉を続けた。
「だから…みんなは鈴原の事避けてたけど…それじゃいけないって思ったから」
「そうか…」
 トウジにとっては意外な話だった。ヒカリが何かと世話を焼いてくれるのは嬉しくもあったが、委員長としての責任が主な理由だと思っていたからだ。だが、トウジが礼を言う前に、ヒカリは更にトウジを驚かせるような事を言った。
「私…あの時から、鈴原の事好きになってたのかもしれない」
 トウジがその言葉の意味を理解するまで、たっぷり十秒ほどかかった。
「いいんちょ…いま、なんて言うたんや…?」
 トウジは信じられない想いでヒカリに尋ねたが、彼女は恥ずかしげにシーツをかぶり、何も答えなかった。
 ここでトウジがもう少し大胆なら、自分の思いを伝える事ができたのかもしれないが、そうするには彼は純情に過ぎた。
「わ、ワイ…そろそろ帰らな…」
 頭が混乱したトウジは、居たたまれない気持ちになってこの場を去ろうとしたが、その彼の服の裾をヒカリが手を伸ばして掴んだ。
「待って、鈴原…もう少し一緒にいて。今、一人にされると、また怖い夢を見ちゃいそうだから…」
 トウジは戸惑ったようにヒカリを見ていたが、やがてもう一度椅子に腰掛けた。
「わかった。いいんちょ。ゆっくり寝られるまで一緒にいたる」
 ヒカリはにっこりと微笑み、安心したように目を閉じた。トウジはその顔を見つめている。そこに浮かんでいるのは、ヒカリが好きになったあの優しい表情だった。


新世紀エヴァンゲリオンREPLACE
第拾九話「子供たちの戦い」



NERV本部 第一会議室

 そして、ここは病院の一画とは正反対のとげとげしい空気で包まれていた。腕を組み、瞑目している冬月。そして、「ゼーレ」のメンバー達。つい数日前まで11人だった人数は10人に減っていた。中国・トルコ・スウェーデンのメンバーは沈痛な表情を作り、他のメンバー達は一様に冬月に少なくとも好意だけは含まれていない視線を向けている。
「説明してもらおうか、冬月」
 キールが口火を切った。
「そこに出した報告書が全てです。参号機が使徒に乗っ取られ、暴走。撃破、殲滅した…それだけの事です」
 冬月が答えると、英代表が机を叩きつけて怒号を発した。
「そんな事は問題ではない!われわれ『委員会』に直属する参号機を無断で持ち出し、挙げ句の果てに破壊した!貴様は一体何を考えているのだ!」
 冬月はあくまでも冷静に答える。
「フォクスル委員の命令で受け取ったまでです。ここへの移送に関して、『委員会』内部で意見の統一が図られていなかった事は知りませんでした」
「とぼけた事を…そのフォクスルも…」
 仏代表が唸ると、冬月は先手を打って言った。
「存じています。新聞で見ましたからな。惜しい方を亡くしたものです」
「ゼーレ」米代表のアラン・フォクスルは表の世界ではアメリカを代表していた大企業のオーナーだった。その彼の死亡記事が新聞の片隅に載ったのは2日前。交通事故と発表されていた。大統領でさえ、実質前世紀のカリフォルニアの州知事と変わらない力しかない、現在のアメリカの名士の死など、その程度の扱いだった。
「まあ良い…いくら冬月を責めたところで参号機はどうにもならぬ」
 キールがいきり立つ英仏の両代表を抑えた。
「しかし、議長!」
 仏代表が声を上げると、キールは静かな、しかし有無を言わせぬ口調で言った。
「黙れ、と申しておる。四号機消失の原因となった実験、貴様の責任なしとは言わせぬぞ」
 その氷の刃のような鋭さと冷たさを持った声音に、叱責された仏代表だけでなく、全員が凍り付いた。その凍てついた沈黙を破り、キールは冬月に声を掛ける。
「冬月よ」
「は」
「参号機のことはどうにもならぬ。だが、我々もそれに変わる力を得ねばならぬ。よって…」
 キールは決定的な一言を口にした。
「失われた参号機に代わり、初号機を供出せよ」
 これには、さすがの冬月も一瞬戸惑い、そして焦りの色を見せた。
「し、しかし議長…現状の通り、本部の稼動エヴァは初号機のみです。それを供出しては我が本部の戦力はゼロとなります」
 だが、冬月の反論にもキールは耳を貸そうとしなかった。
「反問は許さん。これは決定だ。初号機の欧州移送へ向けて準備を開始せよ。初号機は一時凍結とし、何者も触れることは許さぬ」
(くそ…ワシとしたことが。「ゼーレ」の決意を軽く見たか)
 冬月は拳を握り締め、情勢を見誤った己の甘さに歯噛みした。


NERV本部 発令所

 初号機凍結、欧州支部への委譲という報せは、発令所の要員たちにも大きな驚きをもって受け止められた。
「…本気ですか?『ゼーレ』は。矢面に立たされているのは我々ですよ」
 リツコが言うと、出張から帰ってきた加持が言った。
「いや…多分本気じゃない。奴等がほしいのは口実だ。我々を弱体化させるためのな」
 加持の言葉にミサトも頷く。
「ええ…今まで私たちには隙が無かった。だから彼らも手を出せなかったのよ。それが、零号機、弐号機の大破で隙ができた。これを機に、一気に日本本部に対して攻勢を掛けてくるつもりだわ」
 そう言って、ミサトは冬月を見た。
「どうなさいます、司令。『ゼーレ』に従う気はおありではないでしょう?」
 冬月は頷いた。
「無論だ。初号機は我々にとって特別な機体。決して渡すことはできん」
 その断固とした口調に、メンバー達の間に安心したような笑みが浮かぶ。
「彼らが接収を強行すると言うなら、抵抗するまでだ。加持君」
「はっ」
「向こうのエヴァシリーズはどこまで完成していると思う?」
 冬月の質問に対し、加持は彼の下に集まる情報を思い起こし、数瞬の後に答えを出した。
「現時点では3、ないし4機。多くとも6機に達しますまい」
 冬月は頷いた。今の子供たちなら勝てない相手ではない。
「葛城君、仮に『ゼーレ』が我々と交戦に至るとして、彼らの打つ手は?」
「第一段階として、MAGIへのハッキングを含む電子攻撃。続いて、第二段階は戦略自衛隊か国連軍を動かしての第三新東京市への武力侵攻。そうして第三新東京市の防衛体制を無力化した上で、第三段階がエヴァシリーズの投入…そんなところではないかと考えます」
 ミサトが答えると、加持が補足した。
「俺なら、第二段階に並行して少数精鋭によるジオフロントへの破壊工作を行いますね」
 ミサトも同意し、冬月は指示した。
「君たちは直接武力侵攻に対する防衛計画を立案してくれ。次に、赤木君」
「はい」
「零号機と弐号機の修理期間だが…なんとか一週間に縮めてほしい。もしそれができない場合は…」
 冬月は一瞬躊躇ったが、決断した。
「もし駄目なら、『ロスト・ナンバーズ』の使用も許可する。ともかく、エヴァシリーズが侵攻した場合に対抗できる戦力がほしい」
「『ロスト・ナンバーズ』を…わかりました。全力を尽くします」
 リツコは冬月の決意を知って驚きながらも努力を誓った。「ロスト・ナンバーズ」はNERV日本本部の最高機密であり、海外支部やそこを統括する「ゼーレ」のメンバー達にも知られていない。その投入を示唆したことは、加持やミサトにも大きな驚きを持って受け止められた。
「頼むぞ、皆。我々は負ける訳には行かないのだ…」
 冬月は言った。後に、彼がこの時打った布石が生きることになる。だが、当面の脅威はすぐそこに迫っていた。


市立第壱中

 ここ数日、2−Aはいつもより沈んだ雰囲気の中にあった。
 無理も無い話で、カヲル、ヒカリが入院中。シンジは入院はしていないものの、リハビリのため学校を休んだり、早退して通院することが多い。そのため、普段ならにぎやかなレイ、マナ、トウジ、ケンスケらも欠けている友人を思って静かにしていることが多くなっていた。
「そっか…ヒカリが…」
 レイから真相を聞いたマナは、親友の身を襲った痛ましい事態に普段は明るい雰囲気を漂わせた顔を曇らせた。ヒカリだけではない。その事にすっかり心を痛めてしまっているらしいレイに対しても、慰めるように肩を叩く。
「落ち込まないで、レイ。レイはちゃんとヒカリを助けたんだから…」
「うん…」
 返ってきた加持に言われたのと同じ事をマナに言われ、レイは頷いた。が、どうしても割り切れないものがあった。自分がもう少し頑張っていれば、ヒカリをあんなひどい目に合わせる事無く助けられたのではないか、シンジやカヲルもひどい怪我をせずに済んだのではないか、という気がしてならないのだ。
 それだけに、みんなに慰められるたびに却って責められているような気がして、レイはどうしても落ち込んでしまうのだった。実際にはそんな事はないのだが、これまでになく大きな被害を出してしまった事で、どうしても思考がネガティブになってしまっていたのである。
 技術陣が零号機、弐号機の修理にかかりきりで訓練も無く、レイは心を紛らわせるものを持たずに数日間を過ごしていた。
「…あとで、ヒカリや渚君のお見舞いに行こうかな。ねえ、聞いてる?レイ」
 考え込んでいたレイは、マナの呼びかける声で我に返った。
「うん…ごめん」
 そのレイの様子を見て、マナはこりゃ重傷ね、と思った。何かで紛らわせてやらないと、レイは早晩参ってしまうのは目に見えていた。マナは立ち上がると、トウジ、ケンスケの方へ歩いて行った。


放課後 クロスシティTOKYO−3

 マナがレイを連れてきたのは、クロスシティTOKYO−3のアミューズメント・スクウェアだった。
「どうしたの?マナ。こんな所に連れてきて…」
 レイが聞くと、マナはゲームセンターの入り口を指差した。そこにはトウジとケンスケが先に来ていた。
「や、綾波さん」
「おっす」
 2人は手を挙げて挨拶した。レイはそれを見て首を傾げる。
「…ごめん。わたし、遊ぶ気にはなれないよ」
 レイがきびすを返そうとすると、その手をマナが掴んだ。
「だめよ、レイ。もちろんレイがそんな気になれないのはわかるけど、レイが暗い顔をしていたら、ヒカリも、渚君も、シンジ君も安心できないわよ」
 ケンスケも言った。
「暗い気分の時には、無理にでもパッと騒ぐと良いんだ。そのうち、気分が明るくなるかもよ」
 更にトウジも言う。
「いいんちょが綾波の事心配しとったで。自分の事で落ち込んでないかと」
 3人に口々に言われ、レイはうつむいた。その肩が小刻みに震えている。泣かせてしまったのか、とマナたちは顔を見合わせた。実際にレイは込み上げてくる涙をこらえていた。が、それは嬉しかったからだ。レイは目を拭って顔を上げた。
「ごめん、みんな。気を遣ってくれてありがとう。でも、もう大丈夫」
 レイは久しぶりに微笑んだ。そう、いつまでも落ち込んではいられない。みんなが帰ってくるまで、笑って支えて行かなくちゃ。
「それでこそレイよ。さ、行こう!」
 マナもにっこり笑ってレイの手を取る。トウジはほっとした表情になり、ケンスケは美少女2人が見せた最高の微笑みに、カメラを持ってこなかった事をちょっと後悔した。
 それから2時間、レイはここ何日かの鬱屈していた気持ちを全部吹き飛ばすように遊んだ。カヲルと練習した懐かしいダンスゲーム、得意な格闘ゲーム。マナとケンスケは射撃ゲームで最高得点を競い合い、トウジは腕相撲マシンの横綱クラスを見事破って喝采を浴びた。
「はあ、はあ…こんなにはしゃいだのって、久しぶり…」
 何曲か踊り終えたレイが上気した顔で言うと、ゲームの景品を抱えたマナたちが笑った。
「うん。良い顔、良い顔。レイ、そろそろお見舞いに行こうか。お土産もできたしね」
 大きなぬいぐるみを抱えたマナに、レイが頷こうとした時、不吉なサイレンの音が響き渡った。レイの身体が硬くなる。
「綾波さん!これって…!」
 ケンスケが言うと、レイは頷いた。
「うん…!使徒だわ…!」


NEON GENESIS EVANGELION
OTHERSIDE STORY "REPLACE"
EPISODE:19 Break a restraint


NERV本部 発令所

 鳴り響くサイレンの音に、発令所に駆け付けてきたメンバー達は使徒の姿を映し出したモニターを注視した。
「30分前に突然出現しました。今のところ、戦端は開かれていません」
 青葉が報告する。使徒は箱根の外輪山の稜線上に浮遊していた。熱気球のような胴体からは短い手足が生えているだけの単純な姿だが、骸骨を思わせる不気味な顔は、これまでの使徒に無い強烈な威圧感を放っていた。
「総員第一種戦闘配置、対空迎撃戦用意。使徒が射程内に入ると同時に効力射撃開始よ」
 ミサトが素早く命じる。
「外見からは攻撃パターンが読めんな。この攻撃で少しでも手の内が読めると良いが」
 冬月が呟いたその瞬間、一瞬使徒の顔面が光った。更にその次の瞬間、凄まじい爆光が市街中心部に閃き、ビルがまとめて数棟倒壊した。続いて、地下のNERV本部にまで届くほどの轟音が響き渡り、マヤが悲鳴をあげて耳をおさえた。
「な、何事だ!?」
 さすがの冬月もやや狼狽しながら叫んだ。
「少しお待ちください…!これは!そ、装甲板が第18層まで今の一撃で破壊されました!」
 青葉が信じられないとばかりに大声で叫ぶ。かつて、第五使徒が半日かけてようやく穿った23層の装甲板を、この使徒はただの一撃で4分の3破壊したのだ。
「馬鹿な…今のは何だ?」
 加持が言ったその瞬間、立て続けの爆発が市街地各所を襲った。射程外からの攻撃に兵装ビルが粉砕され、武器庫ビルが爆発し、第三新東京市の各所が立ち昇る炎と爆煙で赤黒く彩られる。
「装甲板の損害、更に進行!あと1、2発貰ったら持ちこたえられません!市街地へのリニアレール、全て損傷!」
 青葉が悲鳴交じりで報告する。使徒の攻撃は相変わらず見えない。
「こいつは…グレーザーだ」
 時田が使徒の攻撃の正体を見破った。
「グレーザー?」
「ガンマ線レーザーです。可視光領域外のガンマ線を収束して発射してますから、目に見えません」
 ミサトが尋ねた。
「威力は?」
「見ての通りです。ATフィールドでなきゃ防ぐのは無理でしょう…楯じゃ一発で貫通されます」
 時田は唸った。第十三使徒の熱弾といい、今度のグレーザーといい、兵器技術者としては垂涎の代物だ。それを使徒という連中は軽々と使いこなしている。無性に悔しかった。
「エヴァは出せるか?レイは?」
 冬月が尋ねると、リツコは頷いた。既にレイは到着しており、いつでも出られる状況にあった。初号機の凍結命令なぞ端から守る気はなかった。
「ジオフロント内にて迎撃する。発進準備!D級以下の勤務者に全員退避を命じる!」
「了解!」
「保安部員は退避の誘導に当たれ!」
「ジオフロント内の全防衛システムを起動!」
 冬月の決断に発令所が動き出す。だが、常識はずれの大火力を誇る使徒と、それを目と鼻の先で迎え撃つという状況に、発令所は今までにない緊張に包まれていた。


ジオフロント

 緊張していたのはレイも同じである。過去に使徒と一対一で戦った経験は勿論彼女にはある。第三、第四使徒戦だ。だが、その後は常にシンジやカヲルと共に戦ってきた。久しぶりに一人になり、それがこんなにも心細いものなのだという事を、彼女はひしひしと感じていた。
 すでに、使徒がグレーザーで地盤を粉砕しつつ侵攻してきている事は、天井から響く大音響でわかっていた。その音が、彼女を包むLCLまでも震わせている。やがて、閃光と共に天井都市の一画が爆発した。
「!」
 ビルが落下し、第二芦ノ湖に巨大な水柱を立てる。崩れた水柱がスコールの様にジオフロント内に降り注ぎ、視界が利かなくなった。が、レイはパレット・ライフルを構え、天井に狙いを定めた。水煙が収まるにつれ、視界が回復する。天井に空いた穴から、使徒が姿を見せていた。
「目標をセンターに入れて…スイッチ!」
 訓練の合い言葉を思い出し、レイは引き金を引いた。唸りを上げて銃口から203ミリ弾の火線が天井へ向けて伸びて行く。何発かは確実に使徒をとらえているのだが、相手がダメージを受けた様子はない。使徒は悠然、という形容詞がふさわしい体制で降下を続けていた。
「何て、硬いの…!」
 戦いを見守っていたリツコがうめく。使徒はATフィールドを張っていない。つまり、マッハ4で飛来する重量50キロ近い物体を体表面で直接受けて跳ね返しているのである。
「綾波さん、バズーカに切り替えるんだ。この間の特殊砲弾が装填されてる」
 時田がアドバイスした。
「はい、わかりました!」
 レイはバズーカを傍の兵器庫ビルから取り出し、慎重に狙いを定めた。引き金を引く。が、今度は使徒もそれに自分を傷つける威力がある事を悟ったか、ATフィールドを展開して砲弾を叩き落とした。レイは8発の砲弾を撃ったが、その全てが同じ運命を辿り湖面に、森に落下する。
「接近戦に持ち込むしかないかな…?」
 短い手足から相手が接近戦は苦手だろうと判断し、レイはソニック・グレイブを手に取った。一番得意なこの武器…そんなものがあるとすればだが、1メートルのダイヤモンドですら豆腐の様に両断する高速振動刃の威力にレイは賭けた。遂に地表すれすれに降りてきた使徒に向かい、駆け出そうとする。
「!」
 次の瞬間、レイは強烈な殺気を感じて身をかがめた。既に作動していたソニック・グレイブの刃が叩き折られ、自らの振動で自壊しながら宙を舞う。何時の間に伸ばしたのか、使徒の腕がリボン状となり、その鋭い縁がソニック・グレイブをものともせず破壊したのである。
「く…このっ!」
 レイは起き上がり、今度はスマッシュ・ホークを両手に一本づつ持った。繰り出される使徒の攻撃を、必死に受け流す。だが、ソニック・グレイブよりは頑丈なスマッシュ・ホークも、持ちこたえられたのはわずかな間だけだった。3〜4発受けただけで全体にひびが入り、相次いで砕け散る。
「しまっ…」
 もはや、残っている武器はなかった。その一瞬の隙を見逃さず、繰り出された使徒の腕が初号機の胸部と腹部を続けざまに貫いた。背中を破って突き出した腕が、アンビリカル・ケーブルを切断し、吹き出した血が森を真っ赤に染めた。
「うぐっ…かはっ!?」
 レイは込み上げてきた熱いものを吐き出した。LCLの中が見る間に真っ赤に染まって行く。意識が遠のき、初号機は片膝を突いた。そして、地面にどうと倒れ伏した。
 急速にぼやけて行く視界の片隅に、もはや初号機に興味すら示さず使徒が通り過ぎて行くのが映る。レイは手を動かそうとしたが、凍り付いたように冷たくなった身体は、それに応えようとはしてくれなかった。
(みんな…逃げて…)
 レイの意識は急速に闇の中に飲み込まれようとしていた。


NERV本部 発令所

「初号機、完全に沈黙!」
「パイロット、危険な状態です!」
「すぐに救護班を回せ!」
「駄目です!危険で近づけません!」
 初号機がなす術なく倒されたのを見て、冬月は唸った。
(何てことだ…今のレイが手も足も出ないとは…「ロスト・ナンバーズ」を使うしかないか…)
 今明かすには惜しすぎる切り札だ。だが、事態を打開するには他に方法が無い。冬月が技術部へのダイヤルを回そうとした瞬間、それまでで最大級の激震が本部を襲い、冬月は突き飛ばされたように床に転げた。
 使徒の放ったグレーザーが本部を直撃したのだ。特徴あるピラミッド型の本部の上半分が吹き飛び、メインシャフトでは落下する瓦礫に、名物の長大なエスカレーターが巻き込まれて崩れ落ちて行く。悲鳴と怒号が交錯し、やがて土煙が収まった時、そこにはセントラル・ドグマからさらにターミナル・ドグマへと続くあの巨大な竪穴が剥き出しになっていた。
「怪我人はないか!」
 起き上がった冬月が怒鳴ると、あちこちで返答が挙がった。
「青葉さんが…」
 弱々しく言うのはマヤだ。傍では、咄嗟に彼女をかばって落下物に身をさらした青葉が、額から出血しながらも起き上がる。
「…大丈夫、かすり傷です。しかし、これでは…」
 ガレキでコンソールが破壊され、火花を散らしている。オペレーティング業務を続けるのは不可能だった。
「幸い、MAGIは無事です。予備発令所へ移りましょう」
 日向に助けられて起き上がったミサトが進言する。冬月がそれに応じようとした時、その顔が強張った。その顔を見て、冬月が向いている方向を見た全員が硬直した。
 窓の外に、使徒の顔があったのだ。遂にここまで侵入を許してしまったのである。
「皮肉な話だな。今ほどダミープラグ・システムが欲しいと思った事はないよ」
 逃れようも無い「死」そのものを前に、冬月が言った。実用性云々より、その非人間性からダミープラグに拒絶反応を示した冬月だったが、こうなってみるとその有効性もわかる。
 その一言を除いて凍り付いた発令所に向けられた使徒の顔が、一瞬明るくなった。大エネルギーを溜めた事による空気のイオン化現象が放つ光。グレーザー発射の予備動作だ。発射されたが最後、爆発以前に全員がガンマ線被曝で即死するだろう。
「…終わりか」
 冬月が呟いたその瞬間、青と黒の暴風が使徒を吹き飛ばした。壁に叩き付けられる使徒。その前に現れたのは…
「零号機!それに弐号機!?シンジ、カヲル!乗っているのか!?」
 冬月が叫ぶと、辛うじて機能の生きていたモニタに2人が映し出された。病院から直行したのだろう。カヲルはガウンタイプの患者衣、シンジは私服のままだ。2人は何も言わずに頷くと、使徒に突進した。壁にめり込んだ使徒の顔面が輝き、目に見えない破壊光線が、まだ装甲板の取り付けられていない零号機の右腕を破砕した。血と肉片が飛び散り、発令所の窓が真っ赤に染まる。
「うわあああああぁぁぁぁぁぁ!!」
 激痛に構わず、シンジは絶叫と共に使徒にタックルし、腕を抑え込んだ。次いで、カヲルも使徒にしがみつき、ケイジへ向けて引きずって行く。2人は使徒をリニアカタパルトに載せ、レールに叩き付けた。
「リニアをあげて!早くっ!」
 カヲルが必死の形相で叫ぶ。その言葉に、ミサトが頷いた。
「わかったわ!日向君、急いで!」
「はいっ!」
 壊れたコンソールから端末へ繋ぎ替えた日向がリターンキーを叩き、リフトがジオフロントへ向けて射出される。シンジとカヲルはトンネルの壁面に使徒を押し付けた。組み付かれてはさすがの使徒も分が悪いらしく、壁面との間で身体が火花を上げて削れて行くのを如何ともせずにいる。
「でも、あの2人どうしてここへ…」
 マヤが言うと、発令所の入り口に誰かが現れた。
「六分儀!お前か!」
 冬月は叫んだ。それは、やはり病院にいるはずのゲンドウだった。
「いや、一応止めたのですが、どうしても行くといって聞かないもので…私も子供が戦うのにいつまでも寝ていられないので来てしまいました」
 ゲンドウは答えた。
「それより、地上へ。ここではもうまともな指揮はできますまい」
「うむ…そうだな。今から予備発令所を使えるようにするのも時間がかかる。良し、総員撤収!地上で指揮を執る!」
 冬月の決断に、要員達が慌ただしく移動を開始する。その時、ジオフロントの地上ではシンジ、カヲルと使徒の戦いが佳境を迎えていた。


ジオフロント

 リニアが地表に出ると同時に、まずカヲルが使徒を殴り飛ばした。それが止まるより早く、回り込んだシンジが蹴りを叩き込む。
 もちろん、使徒も反撃する。グレーザーが放たれ、腕が閃く。次第にぼろぼろに傷ついていく2機のエヴァ。だが、シンジも、カヲルも、ひるまない。
「やらせない!みんなを守る!」
 シンジが突っ込む。
「綾波君を傷つけた報いを受けさせてやる!」
 カヲルが叫ぶ。今では、ただ単に戦友であるというだけにとどまらない、大事な少女の傷付き倒れた姿を見て、2人の戦意は頂点に達していた。普段の冷静さ、大人しさをかなぐり捨て、戦鬼の様に咆哮し、猛り狂う。
 いつしか戦場は少しづつ移動し、ようやく司令部要員達が地上に出てきた時には、ジオフロントの南にある丘の麓へ来ていた。カヲルが使徒の肩を掴み、斜面に押し倒す。使徒はグレーザーを撃とうとしたが、その顔をシンジが鷲掴みにしたかと思うと、力を込めて引っ張る。びきびきと嫌な音を立て、使徒の顔が身体から引き剥がされようとしていた。使徒にはもはや抵抗する力も無い。勝利は目前に迫っていた。
 しかし、全ては瞬時に暗転した。
「えっ…!?」
 鋭い警告音と共に、零号機が動きを止めた。何が起きたかわからず、辺りを見回すシンジの目に、無情な「00:00:00」の文字が飛び込んでくる。戦いに没頭していた余り、アンビリカル・ケーブルを断ち切られていた事に気づかなかったのだ。
 その隙を見逃す使徒ではなかった。掴まれていた顔を引き剥がし、グレーザーを放つ。零号機の腹部で大爆発が起こり、機体が上空高く吹き飛ばされた。
「シンジ!シンジーぃっ!!」
 ゲンドウが絶叫した。地面に叩き付けられた零号機の腹部には無残な穴が空き、黒く炭化している。
「シンジ君っ!?」
 その無残な姿に、カヲルはわずかな隙を見せた。その瞬間、使徒の腕が閃き、弐号機の両腕を付け根から切断した。
「ぐぎゃああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」
 カヲルが絶叫する。両腕から噴出する血しぶきが使徒の身体を染め上げ、その惨状にオペレーター達が息を呑んだ。
 弐号機はよろよろと使徒から離れていく。体勢を立て直した使徒が、その弐号機に向き直った。
「い、いかん!シンクロを切れ!」
「はいっ!」
 冬月の命でマヤがシンクロを切るのと、使徒が弐号機の首を刎ね飛ばすのはほとんど同時だった。


初号機・エントリープラグ

 何か重いものが落ちた時のようなショックで、レイは目を覚ました。
「う…!」
 目に飛び込んできたのは、使徒に刎ねられた弐号機の首だった。レイが目を覚ましたショックは、これが傍に落ちてきた時のものだったのだ。
「そ、そんな…渚君!」
 レイは必死にモニタを見る。そこに映し出されていたのは首と両腕を切断された弐号機と、腹部を吹き飛ばされた零号機の無残な姿だった。
 そして、使徒はゆっくりと倒れ伏した両機に近づいていく。止めを刺そうとしているかのように。
「だめーっ!」
 レイは絶叫し、操縦レバーを引いた。
「動いて!動いて!お願いよ!動いて!」
 願いを込めてレバーを引くが、既に残り稼働時間が00:00:00になっている初号機は微動だにしない。
「今動かなきゃ、シンジ君が死んじゃう!渚君も…みんな、みんな死んじゃう!」
 レバーを引きつづける。
「誰かが死ぬのはイヤ!」
 レイの声に鳴咽が混じる。
「誰かが傷付くのもイヤ!」
 涙があふれ、視界がぼやける。
「だから、力を貸して!」
 レバーを引く手が止まり、レイはうなだれた。
「いつも、そばにいてくれるって言ったじゃない…」
 そして、顔を上げて叫んだ。
「助けてよ、おかあさん!!」
 ドクンッ!!
 次の瞬間、自分の体の奥底、あるいは自分を包むこのエヴァ全体のどこからか衝き上げて来た衝動に、レイは目を見張った。
「お…かあ…さ…ん?」
 初号機の目に光が灯る。そして、その咆哮がジオフロント全体を揺るがして響き渡った。


ジオフロント

 その凄まじい咆哮に、地上に出ていた司令部要員達も驚きに目を見張っていた。
「そんな…初号機のエネルギーももう0のはずよ!動ける訳が…」
 リツコが呆然と言う中、立ち上がった初号機は使徒へ向けて駆け出した。使徒が初号機に向き直り、両腕を繰り出す。惨劇を予想して要員達が息を呑んだ。が、
「おおっ!?」
 どよめきが漏れる。初号機は触れるものすべてを切り裂く使徒の腕をがっしりと掴んでいた。そのまま、使徒を一気に引き寄せ、カウンターで蹴りを叩き込む。その勢いに腕は千切れ、使徒は丘に叩きつけられた。圧倒的な強さに全員が魅入られたように戦いを見つめている。
「こ、これは…レイちゃんと初号機のシンクロ率が400%を越えています!」
「な、なんだと!?」
 マヤの報告にゲンドウは驚きの叫びをあげ、冬月は唇を噛み締めて下を向いた。ミサトは無言のまま腕を組み、リツコは顔を覆った。4人は知っているのだ。400%と言う数字の意味を。覚えているのだ。かつて、その数字が引き起こした惨劇を。
「どういう事なんだ、りっちゃん。400%って、何が起きているんだ!」
 加持の叫びに、リツコではなくミサトが答える。
「初号機の覚醒…秘められた『彼女』の意思が、今目覚めたのよ…」
「『彼女』…?」
 その間にも、初号機は使徒を圧倒し続けていた。ATフィールドを展開し、何とか身を守ろうとする使徒。だが、初号機が振り下ろした手は、一撃でATフィールドを使徒ごと袈裟懸けに叩き斬っていた。残された最大の武器であるグレーザーを発射するための顔も真っ二つにされ、使徒がよろめくように地面に倒れる。
 そして、初号機は使徒の胸の部分に手刀を突き入れた。使徒の体液が吹き出し、辺りを紫色に染める。そのままねじるようにして、初号機は使徒の体内から何かをえぐり出した。赤い、球状の組織…S2機関。
 そのまま、初号機はその手を口元へ持っていった。
「…まさか!?」
 ゲンドウが言ったまさにその時、初号機は一気に手の中のS2機関を飲み下した。
「S2機関を自ら取り入れたというの…!?」
 ミサトも驚愕の色を隠せない。その時、初号機の身体が膨張し、装甲板が弾け飛んだ。
「拘束具が!」
 リツコの叫びに、日向が怪訝そうな表情で尋ねる。
「拘束具…?あれは装甲板ではないのですか?」
「ええ…強大に過ぎるエヴァ本来の力を封じるために装着されたものよ…だけど、その縛鎖はいま放たれてしまった…もう、初号機を止められる物は何も無いわ…」
 そのリツコの言葉を裏付けるように、初号機が歓喜の咆哮をあげる。その咆哮は、幾重にも木霊してジオフロントに響き渡った。
「初号機の覚醒と解放…今度こそ『ゼーレ』は黙っちゃおるまいな」
 冬月の言葉に、ゲンドウは頷く。
「ええ…これからが…本当の戦いです」
 人々の思惑をよそに、初号機の咆哮はいつまでも続いていた。
(つづく)

次回予告

 エヴァの覚醒により人々は救われた。
 だが、レイはエヴァに取り込まれ、物理的に融合してしまう。
 初号機と一体化したレイは、そこで何を見るのか?何を知るのか?何を失うのか?
 一方、残された人々は彼女の救出を画策する。はたして、レイのサルベージは成功するのか?
 次回、第弐拾話「心のかたち、人のかたち」


あとがき

 毎度おなじみになりました、さたびーです。と、言う訳で第拾九話をお送りしました。
 やはりレイは取り込まれてしまいました。取り込むといえばS2機関。なんで原作の様に使徒を食ってではなく、抉り出して飲み込む、と言うかたちにしたかと言うと、レイは肉が食べられないからです。
 そのレイの肉嫌いの理由ですが、次回で明らかにする予定。それだけでなく、今までの伏線が色々とあかされる回になるはずです。たぶん。
 それとお知らせですが、第拾七話に感想を下さった皆さん、実は引越しなどのため電話が不通になっておりまして、まだ見てもいません(爆)。ネット環境復活次第レスしますので、「まだ返事が来てないぞ!」とお怒りの皆さんもしばらくお待ちください。
 これで一通も来てなかったら大笑いだけど。
 …………
 ふ、不吉な話はさて置き今回はここまで。また次回でお会いしましょう。
2000年2月某日 さたびー拝



さたびーさんへの感想はこちら


Anneのコメント。

>「待って、鈴原…もう少し一緒にいて。今、一人にされると、また怖い夢を見ちゃいそうだから…」
>「わかった。いいんちょ。ゆっくり寝られるまで一緒にいたる」

ヒカリは・・・。良い夢を見れたんでしょうか?(ドキドキ)
ん〜〜〜・・・。その後のフォローがないから、この後に何が起こったかは全くの謎ですね(爆)

>第拾九話「子供たちの戦い」

密かに、このエピソードのサブタイトルをどうするのかな?と前々から思っていましたが・・・。
これはまた上手い変換だなと感心してしまいました。
確かに原作ではシンジのみの活躍が目立ってましたが、こうなると3人とも目立っていてピッタリですからね。

>「失われた参号機に代わり、初号機を供出せよ」
>「し、しかし議長…現状の通り、本部の稼動エヴァは初号機のみです。それを供出しては我が本部の戦力はゼロとなります」

後記でネルフ本部を襲撃する為の戦力低下が目的らしいですが・・・。
ゼーレは今回の様に使徒が襲来しちゃった場合はどうするつもりだったんでしょう?(^^;)
死海文書で更なる使徒襲来は解っているはずなのに・・・。
それとも、ネルフ本部も単なる捨てゴマに過ぎないのかな?

>「もし駄目なら、『ロスト・ナンバーズ』の使用も許可する。ともかく、エヴァシリーズが侵攻した場合に対抗できる戦力がほしい」
>「『ロスト・ナンバーズ』を…わかりました。全力を尽くします」

物語は佳境に入りましたが・・・。
前回のゲンドウに続き、今回のロストナンバーの単語。
・・・と新たな謎が続々と登場していますね。



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