ゴールデンウィーク最後の日、あるマンションの一室からこの『世にも奇妙な物語』?!は始まる。
「撃滅のラストブリットォォォォ!」
そういいながら少年がコントローラーを操作すると、モニターではかわいい顔のサッカー少年が弾丸シュートを放っていた。
この少年の名は河野貴明。つい最近、この家の新しい家族として認定されてしまった男である。ビジュアルはやはり男というよりは少年といった方がしっくりくる。柔らかくさらさらな髪と可愛い顔、小柄な体が少年を『少年』としている。
「滅殺!」
イルファさん?がコントローラーを操作すると、モニターでは淡い色の髪を振り乱した少女が弾丸シュートの目前から消えうせ、サッカー少年に16ヒットの打撃を与えていた。
イルファというのはこの部屋の主、姫百合姉妹の双子の片割れ『姫百合珊瑚』の作ったAIがのせてあるロボットである。珊瑚は天才少女で、高校もトップ入学を果たすという凄い少女である。しかしこの少女、実は結構マッドな所があり、ついこの間も自身の作ったAIで世界を滅ぼしかけている。見かけは背中まである髪をお団子に纏めてある小柄な美少女なので手に負えない。
話はイルファに戻る。イルファの乗せてあるボディは珊瑚の自作ではなく、来栖川重工という企業の「HM16」というメイドロボをベースとした機体に乗せてある。新型メイドロボ実験機「HMX17aイルファ」というのが公式の名前だ。しかし実際は珊瑚の妹、瑠璃の為のロボットだったりする。ビジュアルはやさしいお姉さんといった感じだ。スタイルはそれなりだがバランスはとれている。
「やるな!クマ吉!」
「おう!」
二人のやっているゲームは「Q.O.H. 12GF」。来栖川製の格闘ゲームである。様々な「人外」高校生たちがバトルを繰り広げる人気ゲームだ。
そしてクマ吉と呼ばれたイルファさん?は実は「HMX17bミルファ」だった。外見的にはイルファより胸が大きく、その性格からか目つきが少し鋭く見える。髪型も少し変わっており、イルファがロングの髪を三つ編みにしてあるのに対し、ミルファは少し外に跳ねたセミロングだった。
「熱血しとんなー、あの二人。ミルファも元気そうやし、この分だと大丈夫とちゃうやろか」
そう言ったのは珊瑚の妹である『姫百合瑠璃』だ。このこは珊瑚ほど頭は良くないが(というかバカだった。学年順位が下から三番目って…)家事のスキルは鉄人級だった。ビジュアルは珊瑚とそう変わりはない。しいて言えば珊瑚がトロンとした丸っこい目なのに対し、瑠璃は鋭そうな猫目だということか。
ミルファがなぜここにいるのかと言うと…
実は昨日、イルファのメンテをしに行った研究所で、そのメンテが数日かかる事になり、それを知った新ボディ練習中のミルファが「あたいが行く!」と言い出し、いつも通りお気楽な珊瑚が「そんじゃあ、うちで最終調整すればええやん」と言い、そのままの流れでこういった事になったのだった。あー長かった…
「まぁ、最終決定をするんはさんちゃんやねんけどな。それにしてもさんちゃん、まだ部屋から出てきいひんのやろか」
ミルファの件のかわりに頼まれた、試作品の健康器具のモニター。それを試した珊瑚はあまりの変化のなさに「つまらんなー」と言い、「うちが改良したる」と部屋に持ち込んだのだ。ちなみに改良ではなく改造である。
「よっしゃああ!」
「ああぁぁぁぁー!」
どうやら決着が付いた様だ。モニターではミルファの3人目のキャラ「超巨大KUMA」が赤毛に黄色いリボンの少女に吸い付かれていた。一気に気力が減り、上から落ちてきたハートマークに押しつぶされる。1PWINの文字がモニターに表示される。
「ううぅぅぅ」
嘆いてるミルファを後目に
「よしっ、勝った勝った。と、まだ珊瑚ちゃん出てこないんだ」
そのセリフに先ほどのつぶやきだと思い当たった瑠璃は
「そうなんよ。ちゃんとご飯の時は出てくるんやけどな」
「ふ〜ん」
そんな話をしていると
どごぉぉぉぉん
爆音が響き渡ると同時に「出来たでぇー!」と言う声が響いた。
見ると荷台に乗った妙な機械を引いた珊瑚が部屋から現れていた。
「見い!これが「もりもり成長くん(仮)」改め「超速進化くん(仮)」や!アーハハハハハハ…」
ふんぞり返って胸を張る珊瑚。
言葉の途中に出てきた妙な名前はどうやらその妙な機械の名称らしい。椅子に拘束具やヘッドセットまでついていて、まるで電気椅子の様だ。なぜか「愛!」と書かれた鉢巻を巻いた、気が抜けるような顔までついている。
「ねぇ、瑠璃ちゃん。なんか珊瑚ちゃんしゃべり方変じゃない?」
「気にせんとき。さんちゃんハイテンションになるといつもこんな感じやから」
「そ…そうなんだ…」
・・・・・・・・ハハハハハハハハ・・・・・・・・
高笑いの響く中、二人は顔を見合わせてため息をついた。
いんた〜みっしょんや〜♪by珊瑚
「試運転!?」
「そ〜や〜。二人の内のどちらかに試運転の被験者《実験台もしくはイケニエともいう》になってほしいんや〜」
「二人って!なんでさんちゃんが試さへんの?」
ピンポン♪
注・ここでいう「二人」は瑠璃と貴明です。ミルファはロボなので効果がありません。
「なんでって〜…ウチが試して、もし何かあったら対応できへんやろ」
「な…何かあるん?やったらウチいややで!」
瑠璃は泣き顔になり「あう〜」と言いながら頭を抱えた。
その横では、貴明も蒼い顔をして立っている。
「つまらんな〜。やったらたかあきはどうなん?」
「あはは…。俺も遠慮したいかな〜なんて…」
貴明は引きつらせた笑顔でそう言った。
「つまらんな〜。二人ともほんまに駄目なん?………ほんまに?」
珊瑚はだんだん涙目になってくる。それを見た瑠璃は…
「ああ!さんちゃん、泣いたらあかん!…たかあきぃ!さんちゃん泣かせんな!」
「ちょっ…待ってよ瑠璃ちゃん。これは俺だけの所為じゃないだろ」
「うるさい!うるさい!たかあきが悪いんや!責任とってこれの実験台になれぃ!」
テンパって本音の出た瑠璃は泣きながら叫んだ。
「いや…それは…」
「いや言うん?やったらウチにやれ言うんか?!たかあきウチにやらせて平気なん?!」
「う…。わかった!わかりましたよ、俺がやります!」
貴明はやけになって叫んだ。
とたん「「よし!」」の声と共に二人はいきなり笑顔になった。
いんたーみっしょんや!by瑠璃
「あの〜珊瑚ちゃん。これはいったい…」
貴明は振り返りながら尋ねる。
今、貴明は機械の座席に手足を固定され、両肩から股にかけてVの字型にされたベルトと腰に巻かれた形のベルトに押さえつけられていた。ベルトの所々にはボタンのついた妙な機械もついている。
ちなみに瑠璃とミルファは貴明達を無視し、二人でトランプをしている。種目が『スピード』な為、貴明達を見る余裕がないのかもしれない。
「あかん、たかあき!前向いときぃ!」
そう言った珊瑚は貴明を前に向かせ、お椀方のヘッドセットを被せた。
「よし!これで準備かんりょ〜や〜。たかあき〜時間は何分にセットする〜」
「早めに終わらせたいし、一番短い時間で頼む」
「つまらんな〜。せっかくやから最大時間にすればええのに」
そう言いながら珊瑚はダイヤルを操作する。その操作に不吉なものを感じ、貴明はつっこんだ。
「ねぇ珊瑚ちゃん、メモリ最大にしてないよね」
その言葉にピクッとなった珊瑚は「エヘヘ〜」と笑いながらダイヤルを逆に回した。
その行動に貴明は(やっぱりやってたな)と思いながらも言葉にしなかった。
「できたみたいだね。時間は何分なの?」
「40分や〜」
「40分?!結構長いんだね」
「そんなことあらへんよ〜。健康器具としてはふつ〜や。それにあんまし短すぎてもデータが取りにくいんや〜」
貴明はその言葉に苦笑しながらも少し考え(データうんぬんが引っ掛かっていた)
「ん〜…ま、しかたないか。でも、そんなに体が動かせないと痛くなっちゃいそうだな」
と、言って体を揺すった。
「大丈夫や〜。これにはマッサージ機能も付いてるんよ。やから、終わればたかあきの体はふにゃふにゃや〜」
『ふにゃふにゃ』…確かに終わった後、貴明の体は『ふにゃふにゃ』になることになる。でもそれは…
「ふ〜ん、そっか。なら、あとの問題は暇つぶしだけだな」
今更言うまでもないことだが貴明の体は首以外固定され、首すらも殆んど動かせない状態にあるのだ。
「それも大丈夫や〜。その為にテレビの前に機体置いたんや〜」
「テレビだけ?」
「ビデオもあるで〜。おすすめはこの『激!ホラー傑作選』や〜」
ガタッ
その音に貴明が顔を向けると、瑠璃ちゃんが「あう〜」と言いながらガタガタ震えていた。その隙にミルファは『スピード』をあがり、数瞬後に「ああああぁぁぁぁ!」という瑠璃の叫びがあがった。
「いや。遠慮しとくよ(瑠璃ちゃんの反応を見るにメチャクチャ怖そうだし)」
「そおか〜つまらんな〜。じゃあやっぱりテレビ見る?」
「そうだね。適当に点けてくれる?」
珊瑚は「わかった〜」と言ってテレビを点けた。そこでは緒方理奈が遊園地の紹介をしていた。
「あ〜これ。この前行った所やん」
「そうだね。面白そうだしこれを見ようかな」
「わかった〜。それじゃあ準備も整ったし、そろそろスイッチいれるね〜」
「え!」その言葉を聞いた貴明は顔が強張った。やはり何だかんだ言って時間を引き延ばしていた様だ。
(んー。俺も男だ!覚悟を決めるか!)
貴明の後ろに回りこみパネルを操作している珊瑚はウキウキした様子で
「いっくで〜。スイッチオーン!」
と言いながらスイッチを入れた。
その刹那!爆発が・・・・・・・・・・・・・・・起こらなかった。
部屋全体が眩い光に包まれ・・・・・・・・・・・・・・なかった。
機体の各部から火が噴・・・・・・・・・・・・・・・かなかった。
つまり何も起きなかった。いや、ただ単に機械が動いただけだった。
「あ。動いてる」
「あったり前や〜。ウチの作った物なんやから」
「気持ちいいし、凄いよ珊瑚ちゃん!」
「あんがと、たかあき。それじゃ一緒にテレビ見てよか〜」
「そうだね」
そう言いながら見たテレビ画面では緒方理奈が絶叫マシンで悲鳴を上げていた。
ちなみに瑠璃達は百戦目の『スピード』に入ろうとしていた。
インターミッションをお贈りしま〜すby緒方理奈
ピンポーーーーン♪
数分後、テレビを見ている貴明達(瑠璃達は未だに『スピード』中)の下にチャイムが鳴り響いた。
「あ。お客さんや〜」
「アタイが行ってきましょうか?」
「いや。ウチらの知り合いやったらミルファじゃわからんやろ。ウチがいくわ」
そう言って瑠璃が玄関に向かった。
「誰が来たのかな?」
「たかあき、気になるん?みせたろか〜」
珊瑚がそう言ったかと思うとテレビ画面が切り替わった。そこには玄関が映し出されていた。
「監視カメラの画像を見れる様にしてあるんや〜」
「へぇ〜」
画面では扉が開き、一人の少女が入ってきていた。
その娘は貴明と同年代程度で、青みがかった髪がショートの眼鏡っ娘だった。
(ん?この娘どっかで見たような…)
「あ〜!長瀬のねーやんや〜」
「知り合いなの?」
「長瀬のおっちゃんの親戚のねーやんなんや〜」
「ふ〜ん、そっか(気のせいかな。こんな大人しそうな娘の知り合いなんていないし)」
そんな事を二人が話していた同時刻、玄関では…《少し時間がもどります》
「は〜い。開いてんよー」
瑠璃が玄関の扉に向かって声をかけると、数瞬後に扉が開き、一人の少女が入ってきた。
「こんにちは」
少女は中に入りながら頭を下げる。
「え、え〜と」
瑠璃は少し考える素振りをみせ
「そや〜。確か長瀬さんやったな」
「ん、そう。今日は源五郎おじさんに頼まれて届け物しに来たんです」
少女は言いながら、背中の鞄を外し、中から封筒を取り出した。
「わざわざごめんな〜」
「いえ、いいんです。丁度こちらの方に来る予定があったものですから。(小声で「もう用事すんじゃったけど…」)あ、これ珊瑚さんに渡してください」
そう言って瑠璃に封筒を渡す。
「わかった、渡しとくぅ」
「それでは私はこれで」
頭を下げ少女が出て行こうとする。
「ちょい待ちぃ。これから何もないんやったらお茶でも飲んできぃひん?こんな所まで届けてくれはった礼や」
少女は少し考えて…
「そうですね。それじゃご馳走になります。珊瑚さんにも会いたいですし」
「んじゃ、靴脱いで上がっててなぁ。ウチは茶の準備しとくから」
瑠璃は台所に向かう途中のリビングで、封筒をテーブルの上に置きながら
「さんちゃん、これ長瀬のおっちゃんからやって。あ、ミルファお茶入れるから手伝ってや」
「オッケー、瑠璃。何すればいい?」
そして瑠璃はミルファと共にお茶の用意を始めた。
その直後、リビングに少女が入ってきた。
「お邪魔します」
「長瀬のねーやん。るー☆!」
珊瑚が両手を上げて挨拶する。
「る、るぅ。相変わらずですね、珊瑚さん」
汗をたらしながら律儀に挨拶を返す少女。その視線が珊瑚のむこうにあった機械に留まる。
その間に珊瑚は封筒から書類を取り出し読み始める。
「あれ?向こうにいるのは………あ・あ・あ・あ・あ」
目を向けられた貴明は不思議そうな顔で
(?どうしたんだコイツ。まあ、自己紹介でもしとくか)「俺はこ「あんたっ!河野貴明!何でこんな所にいるのよ!」
少女の眼鏡が弾け飛ぶ。眼鏡なしの顔が貴明に晒される。
その瞬間、貴明は少し前の違和感を思い出し、この少女の正体に気がついた。
「その顔!その声!その口調!お前、まさか由真か?!お前、長瀬なんて苗字だったのか?!」
「そうよ!私は長瀬由真よ!知らなかったの?河野貴明!」
「いちいちフルネームで呼ぶな!大体なんでお前が俺の名前知ってるんだよ!教えた覚えないぞ!」
「あんたの名前なんて全校生徒が知ってるわよ!河野貴明!あんた有名人よ?二股がけしてるサイテー男だって!」(実際は愛佳から聞いたんだけどね)
「なんだそりゃ!そんなん誤解・・・・・・・・・・・・でもないが、俺はサイテー男なんかじゃないぞ!」
「なるほどね、あんたがここにいる訳がわかったわ。あんた二人に手を出したんでしょ!やっぱりサイテー男じゃない!」
「違う!俺はサイテー男じゃない!俺はみんなを愛している!」
その言葉を聞いた、書類を読んでいた珊瑚、お茶の準備をしていた瑠璃・ミルファは、赤くなって止まった。そして由真は別の意味で止まった。
「あああああああああ、あんたねー!やっぱりサイテー男じゃない!」
「なんでだ!」
間髪入れず答える。そして二人は口喧嘩に戻った。
瑠璃達は呆然として見ている。珊瑚は書類を読むのを再開した。
珊瑚はすぐに読み終わり、機械の方を見る。そして「まずい…」とつぶやいた。
珊瑚の読んでいた書類の中身は「もりもり成長くん(仮)」のある重大な欠陥についてだった。
それは使用者が興奮したりすると回線に過負荷が掛かりショートしたり(もっと拙けりゃ火を噴いたり)することだった。
そう!今まさにそうゆう状況だったのだ!
バチッ・・・バチバチバチッ
機械全体に火花が走る。「キャッ!」驚き悲鳴を上げた由真が尻餅をつく。
「いたっいたたっ!」
まともに火花をくらった貴明は悲鳴程度じゃない様だ。
「長瀬のねーやん、そこの黄色いボタン押してや〜。緊急解除スイッチなんや〜」
そう言われた由真はすぐにそのボタンを押した。珊瑚はちゃっかり避難して盾を構えている。
カス・・・シーン・・・カスカスカスカスカスカス
しかし、そのスイッチはまったく反応しなかった。
「なんでじゃ〜!」
「どうやら回線が切れてしまってるみたいやな〜」
「他はどうなのよ〜!」
由真は手当たりしだいボタンを押し捲った。「あかん、そんなんしたら…」珊瑚の静止も耳に入ってないようだった。
カスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカス……カチッ
「やたっ」何かのスイッチが入り機械的な音声が流れる。
『自爆装置が作動します。自爆まであと300秒』
「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」
時が止まった…
「自爆だってぇ〜!」
「なんで自爆装置なんてものがあるのよ〜!」
「自爆装置は科学者のロマンや〜」
「「「「あほかーーーー!!!」」」」
「じゃ、そうゆうことで。これで勝ったと思うなよぉ〜」
由真は出口に向かって駆け出した。
「あ、てめえ由真!装置作動させたやつが逃げんな!」
しかし由真は足をつまずき、盛大に転んで気絶した。
「うむ。天罰だな」
みんなそろって頷いた。
「って落ち着いてる場合じゃない〜!珊瑚ちゃんどうにか止められないの?」
「無理や〜。自爆装置は最後の手段やからな〜」
珊瑚は盾の裏側から答える。ちゃっかり瑠璃はその横に寄り添っていた。
ちなみに由真は爆発したら巻き込まれるんじゃないか?って位置に倒れているが、誰も助けようとしない。
「まあ、大丈夫や。爆発しても死にはしない(はずや)から」
何か不吉な言葉を聞いたような気がする貴明は蒼くなりながら
「そんなぁー。誰か助けてよぉ−」
カウントはすでに200秒を切っていた。
そんな様子を見ていたミルファは何かを決心したかのように頷くと貴明に駆け寄った。
「ミルファ、何を?」
「たかあきっ!今から機械を壊して拘束具を外すから!」
「あかん、みっちゃん。そないな事したら、ほんまにどうなるかわからへんよ」
「でも、これぐらいしか方法思いつかん!」
そう言ってミルファは手足の拘束具を壊す。その直後
178…177…176…175…ガガガッピー…13…12…11…10…
カウントが跳んだ。
すぐにそれに気付いたミルファはV字のベルトを引き剥がし、機体と貴明の間に滑り込み、貴明を抱きしめた。
そして…機体の各部から火が噴き、部屋全体が眩い光に包まれると共に爆発が起きた…
インターミッションです(冷)by由真(眼鏡あり)
「たかあきぃ〜」「たかあきっ!」「貴明さんっ」
三人に声をかけられながら貴明が目を覚ました。
「ん〜ん。あ、珊瑚ちゃん、瑠璃ちゃん、イルファさん」
「「「よかった〜。目が覚めたんやね(ですね)」」」
「うん、心配かけちゃったみたいだね。でもどこも痛くないから大丈夫だよ。ん、んん…でもなんか声の調子が変だな、少しいつもより高いような…」
貴明は体を起こすと、体に違和感を感じた。なんか重心がずれてる気がしたのだ。
「え〜と、たかあき。落ち着いて聞いてなぁ。実はたかあきの体なぁ…」
貴明は自分の体に視線を落とす。するとそこには男の体には無い筈の立派な双丘があった。
「ななななななな「女になってしまったみたいなんや」なんじゃこりゃぁぁぁぁーーー!!!」
ここで貴明のビジュアルを説明しとくと、背は元々低かったがさらに縮み、顔の構成はあまり変わらず可愛い系のまま、髪はセミロングまでのび(髪質は日向の匂いがする様なふわふわさらさらのまま)、胸はそれなりに膨らみ、男の印はもちろんなかった。要するに超絶美少女といった感じになっていた。
「ああっ。たかあき、落ち着きぃ」
「おちおちおちっおちつく?おちおち…お、おれ…れれ」
「はいこれ、たかあき」
瑠璃がお茶を差し出す。それを受け取り、んぐっんぐっんぐっと飲み干した。その様子は「可愛い」の一言に尽きる。
「ぷはぁー、ふぅ……で。俺の体はなんでこんなことになってるんだよ!」
「「それはわかんないんや(わかりません)」」
突然、珊瑚の声に男の声が被る。横には40歳ぐらいの白衣の男が立っていた。
「あんたは?」
「はじめまして。私は長瀬源五郎。珊瑚君には『長瀬のおっちゃん』と呼ばれています」
「ああ、あんたが。で、そのあんたが何故ここに?」
「珊瑚君に連絡を受けましてね。「大変な事になったんや〜!」とか言うからメンテの終わったイルファと共に駆けつけたんです」
「そうだったんですか。あ、そういえばイルファさんで思い出しましたがミルファの奴はどうなったんですか?」
「それなんだがね…」
源五郎が言い難そうにしてると、貴明の服の裾が何かに引っ張られた。
ちなみに貴明は女の子座りをしている。本人は気付いていないが…
貴明が目線を向けるとそこには…二足歩行の熊のぬいぐるみが「よっ」って感じに手を上げて立っていた。
「く…クマ吉?」
「うん、実はね。ミルファの本ボディは爆発で大破してしまったんだ。それでその修理が終わるまでの間、この仮ボディにミルファを移したって訳なんだよ」
「そうだったのか。ありがとなクマ吉。こんなになってまで俺を助けてくれて」
ミルファは「いい、いい。気にすんな」って感じに後ろを向いて手を振った。
貴明はそれを見て微笑んだ後、源五郎に向き直った。
「それで源五郎さん、俺の体直るんですか?」
「さっきも言ったとおり原因が不明なんだ。だからどういった原理で君の体が変わったのかまったくわからない。それが分かれば戻せるかもしれないが、今は無理だ」
「そうなのか。つまり今の話だとしばらくは戻れないんですね」
「そうゆう事になる。これからのことをよく相談しないといけないな」
「これからのことか…」
貴明は仰向けに横になり考え始めた。しばらくすると貴明は何かに思い当たったのか「あーーーーー!」と叫びながら起き上がった。
(こんなんじゃ家に帰れないし、帰れたとしても知らない女が家に出入りしているって事で俺の評判がさらに落ちるだけだ。そもそも男の俺は帰ってきてないんだから行方不明状態だし、このみん家がすぐに気付いて騒ぎになるよな。やっぱり、このみん家…いや春夏さんにだけは知らせとかないと拙いか)
柚原このみと柚原春夏。この二人は貴明の家の隣に住む幼馴染とその母親である。このみは桜色のリボンで両端の髪を纏めた犬っぽい女の子である。貴明の一つ年下だが幼少の頃から家族ぐるみの付き合いをしてきた、貴明にとっては妹のような女の子である。そして春夏さん。この人はとても15の娘がいるようには見えないくらい若いお母さんである。いつもにこにこ優しい雰囲気を纏ってはいるが、怒らせると羅刹の如き破壊神となる。
「どないしたん?たかあき」
「あ、瑠璃ちゃん。この番号…このみん家なんだけどさ。ここに掛けて、春夏さんをここに呼んでくれないかな?」
貴明はメモを渡して瑠璃に春夏の召喚を頼んだ。自分の声だと貴明だと分かってくれない可能性があるからだ。そしてわざわざ呼んだのはこんな非常識な状況、見せなければ信じて貰えないと思ったからだった。
そして貴明は春夏さんを寝っ転がって待つことにした。
!!!…!!!!!!(インターミッション)byクマ吉
「たかくん。来ったよー」
そんな声が玄関から届いてくる。すぐにゴチンッと言う音も聞こえた。
「あらあら、この子は。ちゃんと挨拶をしなさい」
「痛いよ、お母さーん」
「当たり前です。痛くしたんですから」
春夏が到着した。そして何故かこのみまで一緒だった。瑠璃が応対に出る。
「いらっしゃい。このみちゃんにそのお母さん」
「一体、たか君に何があったの?」
「それやけどな。とりあえず上がってきてや」
瑠璃は案内しようとしたが、その前に
「おっじゃましま〜す」
言うなり靴をポポイっと脱いで、パタパタとリビングに走っていくこのみ。それはまるで子犬のようだった。
「あらあら、あのこったら本当にしかたないわねぇ」
にこにこ笑顔で微笑む春夏。しかし、しっかり頭に青筋が浮かんでいる。この後このみがどうなるかは火を見るよりあきらかだった。
「は…はは…は…」
無言の威圧感に瑠璃は苦笑をもらした。
その後二人は連れ立ってリビングへ向かった。
その頃リビングでは…
「たかくん、たかくん、たかくん、たかくーん。たかくんどこー」
このみが部屋中を駆け回っていた。呆然と事態を見ていた貴明が我に返って声をかける。
「あ、あのな。この…
このみが気付いて貴明に駆け寄る。
「うわー、可愛い娘ー。ねぇねぇきみ、瑠璃ちゃん達の友達?わたし、たかくんに呼ばれて来たんだけどたかくん何処にも居ないのよー。ねぇどこに居るか知ってる?」
(お前は呼んでない!)そうつっこみたいのを抑えて「いや、だからな。このみ…
「それにしても本当に可愛いねー。ねぇねぇ触ってもいい。うわーほっぺぷにぷにー。それに髪もふわふわで良い匂いー。胸も結構あるね、むにむにー」
いきなりこのみは貴明に抱きついてじゃれついてくる。
「うわっ、このみちょっと待……ひゃあ!……や、やめ……ああん!」
あまりのことに呆然となっていた人達の中から珊瑚とイルファが貴明の非常事態に再起動をはたす。そしてこのみにむかって怒鳴ろうとしたその時!
「やめなさい、このみ!その娘はたか君よ!」
春夏さん達がリビングに現れた。
「えー!この娘がたかくん?でもちゃんと胸あったよ」
このみは驚きながら貴明から飛びのいた。
「は…はぁはぁ…。た、助かりました。春夏さん」
「なんでわかりやったんです?まだ説明してへんのに」
「たか君とは長い付き合いだもの。ひと目見ればわかります」
「むー。なんかさ、なんか。それって、それってー」
「ふふふ。まだまだねぇ、このみ」
「むー」
このみは悔しげに拗ねている。それを見て微笑んだ後、春夏さんは
「どうやら私がここに呼ばれた訳はこのことね。それで私に頼みたいのは、たか君家のことかしら?」
「さすが春夏さんですね。俺はこのとおりなので家に帰るわけにはいかないので管理をお願いしようかと。それに両親のことも…」
「分かったわ、家のことは任しといて。でも両親のことって話さないつもりなの?」
「わかりません。今、親父達はまた移動したみたいで連絡がつかないんです。なので連絡つくようになるまでは保留にしたいんです。俺の体のことを話せば仕事をやめて帰ってきてしまうかもしれません。話した方がいいのはわかっています。でも俺は親父達の仕事の邪魔をしたくないんです。それにもしかしたら連絡がつくようになるまでに戻れるかもしれませんし」
ここで少し説明すると、貴明の両親は海外に出張に行っている。しかも結構いいかげんな両親で連絡もなく連絡先を変えたりもするのだ。
「うん、わかったわ。じっくり考えなさい、たか君」
「ありがとうございます。春夏さん」
貴明は今まで強張っていた顔を弛めさせ、満面の笑顔を向けた。
(うっ。たか君、本当に可愛いわ。襲ってしまいたくなるわね)
そんなあぶない思考をしながらも春夏は
「それにしても、なんでこんな事になったの?」
貴明はこれまでの事を説明する。
「ふ〜ん。そう」
顔はにこにこしていたが、妙な威圧感が春夏を包んでいた。どうやらこの件に係わった人達(珊瑚、由真、源五郎)のこの後の運命が決定したようだった。
「それで、さっき戻れるような話をしてたけど、どうやって戻るつもりなの?それにこれからどこに住むつもりなの?」
「それは…「それについては私が説明しますよ」
貴明が話そうとした矢先、源五郎が割り込んできた。『説明』出来るのが嬉しいのか、顔に満面の笑みを浮かべている。しかしそれは貴明の物とは違い、不気味以外の何者でもなかった。
「元に戻す方は話が複雑になるので、住居の方から話します」
「わかったわ」
「貴女がここに来るまでの間、少し話してたのですが…最初はこの部屋に住む話をしてました。しかしこれは河野君に却下されたんです」
「当たり前だろ!俺は男なんだから。男と女で一緒に住むなんて出来るわけがない」
「そんなんウチらは気にせんのに。なー、るりちゃん」
「し、知らへんも〜ん」
「それにたかあき今、女なんだからいいやん〜」
「絶対ダメッ!」
「私としては珊瑚君の意見に同感なのですが…河野君が絶対イヤだと言うもので。そしてプランBですが、貴女の家に住まわせると言うものです。これは河野君が出した案なのですが、すぐに珊瑚君、瑠璃ちゃん、イルファ(ついでにクマ吉)に却下されました」
「なんで〜。たかくん、わたしは大歓迎だよ。この娘達の意見は無視して家に来なよ、ね」
このみはなんだか妙な目つきで貴明を見ていた。
「(ぞくっ)い、いや。やっぱり迷惑だろっ!な」
「えー。そんなことないのにー」
「いやっ。ほんと、もういいから」
貴明は必死になって断る。どうやら妙な危機感を感じているようだ。
「ちぇー。つまんないのー」
「プランBも駄目なようですね。それではプランCです。これは私の案なのですが、この部屋の隣を買い取り一人暮らしさせる。と、言うものです」
「買い取るって…お金はどうする気?」
「大丈夫です。慰謝料代わりに私が出します。いろいろと物も入用でしょうから、その分も負担しますよ」
「なんでそこまで…」
「ですから慰謝料代わりです。…と、言いたい所ですけど、実は他にも理由があるんです」
「それは?」
「うちの父…長瀬源四郎は以前、同じような境遇の娘を引き取った事があるんです。それを少し羨ましく思ってたんですよ」
「それで?」
「ええ、ですから。あなたもこれから戸籍を作らないといけないでしょう。それで私はあなたを遠縁の娘として引き取りたいと思っているんです。出来れば一緒に住みたいと思うのですが…。一緒なら元に戻る方法も早めに見つかるかもしれませんしね」
「うーん。でも男と一緒てのはなぁ…」
「ハハハ、大丈夫ですよ。私はロリコンじゃありませんし、元男に欲情するほど節操なしじゃありません。第一私は子供もいる既婚者ですよ。まぁ強制じゃありませんから、元々一人暮らしさせるつもりでしたしね」
「う〜ん…」
「ハハ、暫く考えててもいいですよ。これから元に戻るための話をするので、その間ぐらいは」
「あ、はい。う〜ん…」
貴明は頭に手を当てて考え込んだ。そんなしぐさも可愛く、周りを魅了する。
「(ん〜…やっぱりたか君、可愛いわねー。って、違うわ)それで、たか君は戻れるんですか?」
「それは現時点では不可能です。私の力では…ですが」
「私の力では…ですか?」
「ええ。一つアテというか、もしかしたらと思うことがあるので。ただあまり期待しないでください」
「そうですか、そのことはとりあえずいいです。それでは現時点ではと言ってましたが、いつかは貴方が戻してくれるのですか?」
「ええ、そのつもりです。河野君さえ協力してくれれば、こうなった原因を突き止め、元に戻す事が可能になる筈です。河野君、協力してくれますよね」
いきなり話を振られた貴明は、俯いていた顔を少し上げ、未だ頭に当てていた手の横から上目づかいに答えた。
「ん…ああ。…って、協力って何すんだ?」
「ああ、少し私にその体を調べさせてもらえればいいんですよ(あんなことや、こんなことを…。ふふふ…燃えますね)」
「(ぞくっ!な…何か一瞬『実験動物を見る目』に見えた気がする…)いや。さすがに女になった体を男に調べられるってのは…」
「そうです!セクハラですよ」
女性陣からの抗議が殺到する。
「い…いやしかし、データは取らないと…」
女性陣に詰め寄られタジタジになりながらもそう言う。
「やったら、ウチに任せてんかー」
珊瑚が両手を挙げて提案する。このまま「るー!」とか言ってしまいそうだ。
「たかあきもウチやったら平気やろ?」
「平気…とまではいかないけど、安心はできるかな」
「よっしゃ。決まりやな(これでたかあきにあんなことや、こんなことを…うふふふふ)」
誤解のないように説明しとくと、源五郎や珊瑚の言ってる『あんなことや、こんなこと』はエッチなことではなく、マッドなことです。
貴明は珊瑚の『実験動物を見る目』を見て少し固まった後、後悔していた。
源五郎は落ち込んでいたが、気を取り直して貴明に話しかけた。少し黒い気を纏ってはいたが…
「と、所で住居の方はどうするか決まりましたか?」
同居できるかも…と言う淡い期待を込めた言葉だった。しかし…
「ええ。一人暮らしする事に決めました」
その言葉に源五郎は暗い闇の底へ沈んでいった…
「あ、でも。俺を引き取るってのには賛成してもいいかな」
その言葉に源五郎は急浮上。泣き笑い気味な顔を貴明に向けた。
「あああ…。ありがとう!」
「いえ。こちらこそよろしくお願いします」
二人は手を取り合った。しかしそれは周りからは『美少女を連れ去る白衣の変質者』に見えていた。
その時、珊瑚の友達である『ぬいぐるみ』で遊んでいた筈のこのみが突然
「ねぇねぇ、たかくん。明日からの学校はどうするの?」
「学校かぁ。学校には行けそうにないな」
貴明は少し考えた後、天井を見上げながらつぶやいた。
「大丈夫、行けますよ」
貴明が源五郎に向き直る。
「さすがに明日からとゆうのは無理ですが、来週からならなんとかなります」
「本当か?」
「女生徒の転校生として…ですけどね」
「女生徒…」
貴明は複雑な顔になった。
「戸籍や学籍は簡単に作れますから。『金』と『技術』。これさえあれば大抵のことはなんとかなるんですよ」
貴明は世間の闇の部分を覗いてしまったような気分になった。
「大丈夫、うまくやりますよ。ふふふふふふ………」
「あ。う…うん。よろしく」
貴明は止めても無駄そうだし、怖くなってもいたので、つい頷いてしまっていた。
「あらあら。戸籍を作るとなると名前が必要ねー。たか君は何かいいのある?」
「いえ、特には。適当につけていいですよ」
みんなの目がキラリと光った。
「ほんとに?!じゃあね、じゃあね、じゃあね、じゃあね」
「あらあら、この子ったら落ち着きなさい。もう」
「ウチらも考えんでー。ほら、るりちゃんも」
「ウチはええって…」
「貴明さんにはなにが似合いますかねー」「!!!…!!!」
「ふふふ…思いっきり変なのをつけてあげるわ」
「私も考えるとしますかね」
「あ…あの…」
貴明をほっとき、それ以外の者たちが円陣を組んで話し始める。
「まず、『たか』と言う字は外せないわよね。たか君って呼べなくなるのイヤだし」
「賛成であります。隊長」
「ウチらもそれでええよ〜」
「たかこ、たかみ、たかの、たかよ……何がええかな?」
「!!!!!ー!!!」
「なに?ミルファ。うん…うん。珊瑚様、ミルファは自分の字が入ってる『たかみ』がいいと言ってますが…」
「うん、ええんちゃう」
「そうね。ゴロの悪くないし、それでいいと思うわ」
どうやら貴明の新しい名は『たかみ』に決まったようだ。
「それじゃ、次は苗字ね」
「それは私が引き取るのですから『長瀬』でいいのでは?」
「却下却下却下却下、だ〜い(大)却下!!!あんなやつが私と同じ苗字なんて絶対イヤだからね!大体、親戚になるっていうのだって本当はイヤなんだから!」
「お…おい、由真…」
「なんと言われようがこれだけは譲れませんからね!」
「う〜ん…仕方ない。これは長瀬の傍流の苗字なのだが『十波』と言うのはどうだ?」
「それってお母さんの旧姓よね」
「ああ。どうだ?」
「う〜ん…(ちょっと引っかかるけど『十波たかみ』か…。ゴロも悪くなって変な感じね。ふふ…面白いかも)あ、うん。それでいいわよ」
「皆さんはどうです?」
「特に思いつかんし、それでええよ〜」
同じように他の人も同意する。
その頃、貴明は暇を持て余していた。そこに由真が駆け寄ってきて、指を貴明に突きつけながら言った。《人の事を指差してはいけません》
「河野貴明!あんたの名前は今日から『十波たかみ』よ!」
「は、い?」
ここに今『十波たかみ』が誕生した。
たかみの受難の日々はここから始まるのだった…
第一話「たかみ誕生」終………第二話「たのしい?!お買い物」につづく……はず
あとがき(というか、いいわけ)
えーと…貴明君、なんだか不幸ですね。あと貴明君の性格がおかしい気もしますが、原作でもよくわからない性格なのでこれでいいと自分では思ってます。
この作品はキャラの性格を意図的に少し変えてあります。面白くする為ですが…イメージが崩れることもあるかもしれませんね。まぁ。仕方ないと思って見逃してください。
それでは設定の一部を紹介しようと思います。
珊瑚は少しマッド化させました。ただ世界滅亡うんぬんの話は原作のバッドエンドルートにあるシナリオです。
瑠璃はほとんど変えてません。一番常識のあるキャラです。
イルファの描写はほとんどなかったけど、瑠璃LOVEのレズにする予定です。原作と殆んど変わってない気もするが…
ミルファはしばらくクマ吉のままでいきたいと思ってます。マスコット的な感じで使っていきたいなーなんて。
由真は眼鏡のあるなしで性格が変わります。イメージ的に「なし」はレイ、「あり」はアスカのイメージで書いてます。
源五郎は基本的にまともですが、結局は珊瑚と同類です。その内壊す予定。すでに壊れてる気も…
このみは少し性格を変えてあります。たかみLOVEにする為ですが、レズなわけではなく、ただ可愛いものが好きなだけです。リナレイも少し混じってるかも。
この話の春夏は最強キャラです。タマ姉は当然として、まーりゃん先輩すら敵いません。
機械の名前と描写の元ネタ分かる人いるかな?TS好きなら簡単かも。描写の方はちょっと難しいかもね。
それでは第二話をお楽しみに。ではでは
管理人のコメント
新たなる刺客・lucisさんからの作品をいただきました。まさに今が旬の「To Heart2」SSです。
しかもTSものと来れば、期待せずにはいられませんね。早速中を見ていきましょう。
>姫百合姉妹の双子
なるほど、姫百合姉妹シナリオからの続きなのですね。この姉妹……特に珊瑚の方は
>ついこの間も自身の作ったAIで世界を滅ぼしかけている。
ような娘ですから、これはもうタカ坊の運命は決まったようなものです(笑)。
>「Q.O.H. 12GF」。来栖川製の格闘ゲームである。
同人ではないんですね(笑)。 しかし、出てるキャラがキャラだけに、この世界では実話ベースのような……
>「見い!これが「もりもり成長くん(仮)」改め「超速進化くん(仮)」や!アーハハハハハハ…」
珊瑚がまた怪しげな発明を。一体どこを成長させる気なのでしょうか。
>その刹那!爆発が・・・・・・・・・・・・・・・起こらなかった。
>部屋全体が眩い光に包まれ・・・・・・・・・・・・・・なかった。
>機体の各部から火が噴・・・・・・・・・・・・・・・かなかった。
>つまり何も起きなかった。いや、ただ単に機械が動いただけだった。
ちっ、つまらん(ヲイ
>その娘は貴明と同年代程度で、青みがかった髪がショートの眼鏡っ娘だった。
由真登場。この段階では猫被ってます。
>「あんたの名前なんて全校生徒が知ってるわよ!河野貴明!あんた有名人よ?二股がけしてるサイテー男だって!」(実際は愛佳から聞いたんだけどね)
いえ、たぶん愛佳は彼女のキャラからして、もう少し好意的に説明したはずです(笑)
>「違う!俺はサイテー男じゃない!俺はみんなを愛している!」
それを台無しにしてしまう漢・タカ坊(笑)。
>それは使用者が興奮したりすると回線に過負荷が掛かりショートしたり(もっと拙けりゃ火を噴いたり)することだった。
>そして…機体の各部から火が噴き、部屋全体が眩い光に包まれると共に爆発が起きた…
キタ――――――――(゚∀゚)――――――――ッ!!!!
> 貴明は自分の体に視線を落とす。するとそこには男の体には無い筈の立派な双丘があった。
>「ななななななな「女になってしまったみたいなんや」なんじゃこりゃぁぁぁぁーーー!!!」
キタ―――( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)ノД`)・゚・。―――!!!!!
>「はじめまして。私は長瀬源五郎。珊瑚君には『長瀬のおっちゃん』と呼ばれています
リーフの元祖マッド・長瀬のおっちゃん登場。
>「それにしても本当に可愛いねー。ねぇねぇ触ってもいい。うわーほっぺぷにぷにー。それに髪もふわふわで良い匂いー。胸も結構あるね、むにむにー」
このみも登場。原作より子供っぽさが増しています。
>どうやらこの件に係わった人達(珊瑚、由真、源五郎)のこの後の運命が決定したようだった。
この話では春夏が最強キャラだそうです。セバスチャンあたりと比べるとどうなのか気になるところですが。
>「うちの父…長瀬源四郎は以前、同じような境遇の娘を引き取った事があるんです。それを少し羨ましく思ってたんですよ」
と言う事で、この話は「12人目の彼女」と繋がりがあるようです。ひろのがゲスト出演してきたりするのでしょうか……それにしても長瀬技師、羨ましいってアンタ。
>「河野貴明!あんたの名前は今日から『十波たかみ』よ!」
ということで、女の子としての名前も無事決まったタカ坊改めたかみ。これから彼女がどういう風に改造されていくか見物ですね(笑)。
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