この作品は、『さたびー』様のHPにある『りばーしぶるハート』を題材にした物語です。

日常の一コマとしてお楽しみくださいませ m(_ _)m


『外食に行こう♪』

第二話
〜まずは昼食を(中編)〜


作:スパイクさん

―前回までのあらすじ―


 しおさい女子寮の命綱こと相川真奈が消息を絶ち、早くも危機に直面した寮生たち。

 そんな中、寮生たちのカリスマガールこと折原美紗緒の起死回生の提案によって……


祐香「すり替えるな!!」

美紗緒「む〜……酷いよ裕香ちゃん(泣)」

祐香「バカな事やってないで、さっさと本編にいくよ」

(筆:どうやら、冒頭のあらすじは美紗緒によって書き換えられたものらしい。騙された)

絵美「……普通は気付きますよ」

(筆:的確で、なんのひねりも無いツッコミありがとう。絵美ちゃん)

絵美「こんなことでしか……喋る機会は無いですし……」

(筆:ふ、雰囲気が暗くなってきてしまった……裕香ちゃん!!美紗緒ちゃん!!あとはよろしく♪)

祐香「あ!!筆者のやつ逃げた〜」

美紗緒「む〜……あとで何か奢ってもらわなくちゃ割に合わないよ〜」

絵美「……それでは……りばーしぶるハート外伝『夕食を食べよう 第二話〜まずは昼食を(中編)〜』……」

三人「「「始まり始まり〜♪」」」


〜寮内の一室〜


「で?具体的にはどうするつもりなの?二人だけ作るとしても、自慢じゃないけれど私はこれでも『インスタント焼きそばのお湯を捨てるのを忘れたままソースを入れた事がある』のよ」

 決して胸をはって言う台詞じゃないと思う……が、祐香が自慢げに喋るので、それはきっとすごい事なんだと認識した美紗緒は、目を輝かせながら

「む〜さすが祐香ちゃんすご〜い!」

「……うぐぅ」

 ボケにボケを重ねる会話……どうやら、祐香は人選ミスをしてしまったようだ。それ以前に、美紗緒にツッコミを任せようとしたことに全く疑問は無かったのだろうか?

「まぁ……とにかくあたしは料理なんてできないよ。あたしなんかよりみさはどうなの?」

 発案した張本人なのだから、とっておきの一品があるのだろうと、祐香は期待した。

「む〜……ケーキとか、ワッフルとか、タルトとか、パフェとか」

「へぇ〜……凄いじゃない」

「あとは……プリンとか♪」

「ちょっと待って、それって全部お菓子じゃない?」

「む〜……だってお菓子好きなんだもん」

 ズビシ!!

「む〜祐香ちゃんがまた叩いた〜」

 涙目になりながらも「暴力反対」と訴える美紗緒を尻目にしながら祐香は再三の溜息をついた。

「前途多難だわ」



〜リビング〜


 ここでは、いまだに何を食べるか討論になっていた。真奈が外出している以上、彼女達で食事を作るしかない。手っ取り早くインスタントにすればいいのだが、肝心のインスタント食品が見つからない。店屋物という意見もあったが、月末であった為かそんな余裕が無かった。

(1人だけ「へそくり」所持者も存在するのだが、当人は名乗り出ないつもりらしい)

 最初は話に参加していた和希と絵美だったが、締め切りの明けで寝不足の為、睡眠をとると言い残して自分達の部屋に帰っていった。

(ちなみに絵美はアシスタントをやらされていたりする)

 結局、見送りの後部屋に篭ってしまった祐香と美紗緒、睡眠をとるために部屋に帰った和希・絵美を除いたメンバー。つまり、治子とひろののみとなってしまった。

「治子さん、お昼どうします?」

 先程から堂々巡りしている質問だが、一向に進展する気配が無い。

「自炊するのが一番だと思うんだけれどね。私の作れる料理って言ってもパスタぐらいなのよね〜」

 苦笑いを浮かべながらひろのの問いに返事する治子。どうやら、料理は出来るものの、レパートリー自体は多くはないようだ。もっとも、パスタが作れるだけ作れないメンバーよりマシなのだが。

「ま、まぁ私なんか料理は得意じゃないですから」

 パスタなら何とかなる治子と比べて、ひろのの場合レパートリー自体存在しない。真奈の手伝いはしているのだが、あくまでも選掃除や洗濯だけであって、料理には全く関与していなかった。

「「はぁ〜……」」

 リビング内に二人の溜息が響き渡る。しばらく考え込んでいた二人だったが、時計を見たひろのが、急に立ち上がって洗面所の方へ向かっていった。

「どうしたの?ひろのちゃん」

「えっと、洗濯頼まれていたの忘れていました。ちょっと洗濯とか済ましてきちゃいますね」

 やがて洗濯機のほうからガラガラという音や「きゃ!」という悲鳴が聞こえてくる。治子は苦笑いを浮かべ、天井を見上げてつぶやいた。

「しょうがない……パスタの材料でも買ってこようかな?」


〜寮の一室〜


 治子とひろのと会話が行われていたとき、祐香と美紗緒が一体何をしていたかというと…

「ねえねえ、これなんか作れそうじゃないかな〜」

「ん?親子丼ねぇ〜……でも、だしから作るから時間掛かりそうよ。それに、ご飯炊かなくちゃいけないでしょう。面倒くさいわよ」

「む〜……じゃあこれは?」

「どれどれ……ラザニアね……って、これはパス」

「む〜どうして〜美味しそうだよ〜」

「みさ……美味しそうなのは解るけれど、これの場合、ソースから作り始めないといけないわよ」

「む〜……時間が掛かる料理ばっかりだね〜」

 どうやら、料理雑誌を見ながら作戦を練っていたようである。それはそうと、どうして美紗緒は簡単な料理を探そうとしないのだろうか?その答えは単純なものであった。折角恩返しに作るのだから、腕によりをかけた料理を食べてもらいたいのである。

 が、祐香にもその心意気は伝わってくるのだが、自分達の料理の腕を考えると、もう少し簡単に作れる料理にすべきだと判断していた。

 なかなか豪華で、且つ簡単な料理が見つからないので、二人は半分諦めモードに入っていた。そんな中、ダラダラと雑誌を見ていた祐香の目に、ある料理が飛び込んできた。

「みさ!これって私達でも作れそうだよ」

「む〜どれどれ〜」

 美紗緒が覗き込んだそのページには『誰にでも作れる豪華で簡単なカルボナーラ』と書いてあった。

「ね?何だか、いかにも私達に作ってもらうために書かれた料理みたいじゃない」

「む〜……じゃあ、これに決定だね♪祐香ちゃん」

 二人は手を取り合いながらピョンピョン跳ねていた。どうやら、これで第二段階へ進めそうである。


〜キッチン〜


 先程のページを仲良く読みながら、祐香と美紗緒はキッチンに足を運んだ。ちなみに、先程までリビングにいた治子とひろのはまだ帰ってこない。今がチャンスである。

「さ、まずは下準備から始めましょう」

 祐香はエプロンを着けながら雑誌を読み返している。祐香の着けたエプロンは、ケロピーがプリントされたいかにも『女の子』風のものであった。どうやら、名雪に送ってもらった物らしい。一方の美紗緒は、エプロンで服が隠れてしまい、前から見るとそのままエプロンを着けている様にしか見えない。つまりなんだ……その……言ってしまえば『裸にエプロン』のように見えてしまうのである。それに気が付いた祐香は顔を赤らめながら俯いた。

「祐香ちゃんのエプロンって凄く可愛いな〜♪」

 エプロンが気に入ったのか、目をキラキラ輝かせている。ノーマルな祐香も、この時ばかりは美紗緒に胸をときめかせてしまった。思わず抱きしめたくなるような衝動を抑えて、呼吸を整えた。

「あれ?どうしたの祐香ちゃん」

「その……な、なんでもないわよ。さ、始めましょう」

 顔をそむけながら喋る祐香に首を傾げていた美紗緒だったが、祐香の合図によって瞬時に疑問を吹き飛ばした。そんな事より、まずは目の前のカルボナーラを作ることが大切である。

 しかし……これが後々の悲劇を引き起こす事キッカケになるのである。


実はつづいちゃいます♪


あとがき


やはり前編・後編におさまらなかった(泣)

いや、まとめる意志はあったんですよ。ですが、気がついたら執筆しているうちに新しいネタが浮かんできてしまって……すみません m(_ _)m

まぁ、次回でいよいよ昼食を食べる事になるのですが、悩みに悩んだ末決定したカルボナーラを、祐香と美紗緒は無事に作れるのでしょうか?

それ以前に、私自身が昼食を無事執筆できるか心配です(ぉぃ

そんな訳ですが、次回もどうぞよろしくお願い致します♪

スパイクさんへの感想はこちら



管理人さたびーのコメント

 早くも続編が送られてまいりました、「外食に行こう♪」。スパイクさん、ありがとうございます。

>「む〜……ケーキとか、ワッフルとか、タルトとか、パフェとか」
>「あとは……プリンとか♪」


 個人的には普通の料理よりデザートを作る方が手間がかかるし難しいと思っていますので、「やるなっ!美紗緒っ!」と感心してしまいましたですよ(笑)。

 特にタルトが作れるのは大した物です。何タルトか知れませんが。

>(ちなみに絵美はアシスタントをやらされていたりする)

 あぁ、ありそうですねぇ。絵美は和希とは仲が良いから自発的にやっているのかもしれませんけど。同人活動をやらされていないことを祈ります(爆)

>私の作れる料理って言ってもパスタぐらいなのよね〜

 実際、ファミレスの調理補助って、どれくらいの事をするんでしょう。せいぜい野菜を切るくらいで料理が覚えられるほどの事はしないと思うんですが…

>『誰にでも作れる豪華で簡単なカルボナーラ』

 あぁ、だまされてるだまされてる(笑)。カルボナーラを舐めてはいけません。実はかなり難しい料理なのです。って言うか、「豪華な」とついている時点で明らかに間違った記事であると思います(爆)。
注:カルボナーラ→卵、クリーム、ベーコン、こしょう等で味付けしたパスタ。庶民の味であって決して豪華な料理ではありません。

>思わず抱きしめたくなるような衝動

…って言うか、私が抱きしめたいです(爆)。


 次回はいよいよ昼食編完結ですね。はたして祐香&美紗緒のカルボナーラや治子さんの動向はどうなりますやら…

 皆さんもスパイクさんにどんどん感想のメールを送って催促しちゃいましょう!!


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