この作品は、『さたびー』様のHPにある『りばーしぶるハート』を題材にした物語です。
日常の一コマとしてお楽しみくださいませ m(_ _)m

『外食に行こう♪』


第三話

〜まずは昼食を(後編)〜


作:スパイクさん

―前回までのあらすじ―

 前回まではツッコミどころ満載の祐香と美紗緒のがカルボナーラを作ろうと決意したところまで話が進みましたが、今回はどの辺りまで話が進むのでしょう?ゲストの方に聞いてみましょう♪

和希「聞いてみましょうって……そんな事あたしに振られても全くわからないわよ。」

(筆:今回のゲストは和希さんでしたか)

和希「よろしくね」

(筆:でも、今回の和希さんって寝てばかりですね。今まであんまり喋っていないじゃないですか)

和希「そういわれても、徹夜明けで疲れているのよ。」

(筆:はぁ……そうですか)

和希「それなのにあの子達ってば……はぁ〜」

(筆:何かあったんですか?)

和希「説明するのも大変だから、とりあえず本編を見て頂戴」

(筆:む……何かあったんでしょうか?別に前回までの話で思い当たる節はありませんでしたが)

和希「何か起こるに決まっているじゃない。あの二人が……って、説明するところだったわ……」

(筆:じゃあ、本編を見れば和希さんの理由が解るんですね)

和希「そういうこと。じゃあ、あたしは眠るから」

(筆:あ、最後のタイトルコールだけはやっていってくださいね)

和希「ふぅ〜……りばーしぶるハート外伝『夕食を食べよう 第三話〜まずは昼食を(後編)〜』の」

(筆:和希さ〜ん、明るくやってくださ〜い)

和希「……始まり始まり〜……はぁ……」



〜キッチン〜


 キッチンでは、祐香と美紗緒が第二段階の頭からつまずいていた。理由は、材料が切れていたという事である。そもそも、材料が無いから治子は買い物に行ったのだが、その時二人は部屋で会議中だったためにその事を知らされていない。てっきり、材料の買い置きが存在すると思っていたのである。

「む〜……どうしよ〜祐香ちゃん、材料が無いよ〜」

「そうみたいね、てっきり買い置きがあると思っていたのに……これじゃあ、作るに作れないわね」

 祐香はキッチンの隅から隅まで探したのだが、米やパンはあるのに、なぜか麺類だけが無いのである。

 いまさらカルボナーラから米料理に切り替えるには時間が無い。そもそも、米を炊いたら大きな時間ロスなってしまう。それでは昼食に間に合わない。

「みさ……他に材料をしまっておく所は無いの?」

 祐香は、反対側を探していた美紗緒に声をかける。祐香よりキッチンに入る回数の多い美紗緒だが、主食をなるものは作ったことが無いので全ての材料を把握しているわけではない。

「む〜……あとはお菓子の材料がしまってある棚しかないよ〜」

「お菓子の棚ね〜……その中には麺類なんて無いんでしょ?」

「む〜……麺類のお菓子……あ!」

「何か思い出した?」

「うん♪麺じゃないけれど、麺みたいになる材料はあるよ〜」

 美紗緒の答えに考え込む祐香。

「そんな材料があるの?……まさか、小麦粉から作ろうなんて言い出すんじゃないでしょうね」

 祐香は訝しげに美紗緒をみつめた。しかし、美紗緒は臆する事無く一つの箱を取り出した。

「これだよ〜祐香ちゃん♪」

 美紗緒が祐香の目の前に突き出した箱には『寒天』と書かかれていた。ここはツッコムべきである。

「みさ、それで本当に面が作れるの?」

「む〜本当だよ〜これをお湯で温めて、冷やしたのをトコロテンを作る竹に入れれば麺になるよ〜」

「凄いわね〜……よし!!早速取り掛かるわよ!」

「お〜!」

 どうやら、『麺を作る』事だけが先行してしまったようだ。先行き不安である。


「「完成〜♪」」

 どうやら、寒天で作った麺は完成したようである。しかしこれ……本当に麺なのだろうか?

 しかし、そんな事も気にせずに二人は次の段階へ進もうとしていた。

(この間、下ごしらえは済んでいる)

「で、次はどうするの?」

「む〜これに書いてある通りだと、具をいれて「ふらんぺ」するらしいよ」

「ふらんぺ?」

 聞きなれない単語に戸惑う祐香。それを見た美紗緒は、ここぞとばかりフランペについて語り出す。

「ふらんぺはね、料理に香りをつけるためにお酒をいれることなんだよ〜」

「へぇ〜」

 美紗緒に教わるのは祐香にとって少し変な感じではあった。しかしその反面、美紗緒の意外な知識に素直に驚いてもいた。

「じゃあ、お酒を使って香りを出すのね」

「む〜……そういうことだよ〜」

 最後まで説明したそうな美紗緒を放っておいて、祐香はあることを考えていた。

「ねえ……どうせだったら思いっきりいいお酒を使わない?」

 祐香の提案に、美紗緒は首をかしげていた。

「む〜いいお酒なんてあったの?」

「確か……皐月さんがこの前「貰い物だから」っていってくれたお酒があるじゃない。皐月さんが貰うくらいだから、きっと凄いお酒に違いないわよ」

 そう言って、お酒がしまってある棚を開けた。棚を開けると何とも言えない匂いがキッチン中に充満していった。実際にこの棚を使用しているのは治子と和希と遊びに来る皐月さんだけなので、あまり開け閉めはしない。そのため、棚一杯に匂いが充満していたようである。二人はこの匂いに慣れるまで少し時間が掛かってしまった。

「む〜……祐香ちゃん〜ふらふらするよ〜」

 顔を赤くしながら祐香に抱きつく美紗緒。祐香のほうも、匂いにやられたのか少しづらついてしまう。

「さっさと見つけちゃいましょう」

 美紗緒に抱きつかれたまま棚を調べる祐香。ふと、祐香の目の前に一つのワインが目に付いた。

「みさ、これじゃなかった?皐月さんがくれたお酒って」

 そう言いながらラベルを美紗緒の方に向ける。顔だけあげた美紗緒は、頷くだけが精一杯だったようだ。

 祐香は、棚を閉めて換気を始めた。しばらくすると、匂いは消えていき、美紗緒もようやく落ち着いた。

「祐香ちゃん〜そのお酒何ていう名前なの?英語みたいだけれど英語じゃないよ〜」

 興味本位で名前を聞いてくる美紗緒。どうやら英語か英語ではないかくらいは分別できるようだ。

「どれどれ……これはフランス語みたいね」

 なんで祐香がフランス語だとわかるのだろう?そんな美紗緒を無視して、祐香は名前を調べていた

「名前は……ロマネ・コンチ?……へんな名前ね〜」

(筆:正しくは、「ロマネ・コンティ」です)

 フランス語が読めても、お酒の価値までは解らなかった様である。そんな時、美紗緒はあることに気がついてしまった。そして、祐香に満面の笑みを浮かべながら問い掛けた。

「む〜……祐香ちゃん〜そのお酒って逆さから『読むな!!』……む〜全部最後まで喋らせてよ〜」

 何を言おうとしたかは一目瞭然である。余談だが、このお酒の名前を聞いた人の大半は逆さから読むらしい。おっと、危うく脱線してしまう所だった……

「じゃあ、これを「ふらんぺ」すればいいのね」

「そうだよ〜」

「でも、お酒はどれくらい入れればいいの?」

「きっと、沢山いれた方がいい香りになるよ〜」

 美紗緒の意見に素直に従った祐香は、具の入っている深鍋にたっぷりロマネ・コンティを注ぎ込む。

 しかし、美紗緒の想像していた通りプロの料理人のような炎が出てこなかったのである。

「これでいいの?みさ」

「む〜……おかしいな〜」

 美紗緒は無い知恵を絞って考えていた。そして、(本人曰く)天才的頭脳にある図式が浮かんだ。

 炎が出ない→アルコールが弱い→もっとアルコールの凄いお酒→炎が出てカッコイイ

「祐香ちゃん!もっと凄いお酒が必要だよ〜」

「凄いお酒?」

 美紗緒のいきなりの発言に戸惑いながらも、順序良く頭の中を整理していく祐香。

「了解♪ようは、アルコールの強いお酒にすればいいのね」

「む〜……そうだよ祐香ちゃん〜」

 頷きあった二人は、再びお酒の棚を開けて強いお酒を探し始めた。

(もっとも、美紗緒はすぐにアルコールの匂いによってしまい、結局は祐香が一人で探す事となった)


 祐香が探し当てたお酒は、「スピリタス」という非常にアルコール濃度の高いものだった。しかし、祐香にはそれは全く解らない。ただ直感で強そうなお酒だと識別したのである。その辺の感性は素晴らしい。

「ね〜祐香ちゃん〜この『96%』ってなんだろ〜」

「あれじゃないの?『オレンジ100%』とか『リンゴ130%』みたいなやつ」

 そこまでは一応正解である。って、リンゴ130%ってなんだろう?

「む〜……つまり、アルコールが96%入っているって言う事だよね?」

「でしょ?でも、その他の4%は何が入っているのかしら」

 それは少し違う…

「む〜そんな事より早く作ろうよ〜」

 あとで調べておこうと考えつつも、祐香は具の入った深鍋にスピリタスを注ぎ込んだ。その瞬間








ボオォォォ!!ドバン!!バン!!バン!!









(筆:しばらくお待ちください m(_ _)m )



〜寮沿いの小道〜


 治子は、買ってきたパスタの材料を地面に落とした事にも気付かない状態で呟いた。

「な……何があったの!?」

 帰って来た治子の見たものは、沢山の野次馬と一部が真っ黒く変色した寮であった。


まだまだ続いちゃいます♪


あとがき

 はう〜……昼食編はこれで終了です(ぉぃ)

 次回で、祐香と美紗緒以外のキャラが爆発にどんな反応をしたかお話します。

 それ以前に昼食を結局取れなかったし……SS作家の風上にも置けない気がします。

 えぅ〜石は投げないで下さい〜(泣)  ベタベタな展開だからって石を投げないで〜(泣)


 追記:今回は、一段とツッコミどころが満載でしたね(苦笑)
 オチも弱かったし……はぁ〜

スパイクさんへの感想はこちら




管理人さたびーのコメント。


 速いペースで第三回。ありがとうございます、スパイクさん。

 で、今回のお話ですが…

 こんな破壊活動になるとは思いませんでした(爆笑)。

 では恒例の突っ込みのコーナー(ぉぃ)

>「む〜本当だよ〜これをお湯で温めて、冷やしたのをトコロテンを作る竹に入れれば麺になるよ〜」

>しかしこれ……本当に麺なのだろうか?


「ところてん」が正解ですね。なお、「麺」は本来「小麦粉を練って作った生地」の総称なんだそうです。

>フランペ

 また無駄に高等技術を…(笑)。まぁ、お菓子作りでも使われる技法なので美紗緒が知っていてもおかしくは無いですが。ただ、この後の記述を見る限り恐らく美紗緒本人もやったことが無いのは明白です(爆笑)。

>顔を赤くしながら祐香に抱きつく美紗緒。祐香のほうも、匂いにやられたのか少しづらついてしまう。

 一般的には女性の方がアルコール分解能力は弱いそうです。男の頃のつもりで飲むとえらいことになるでしょう。とはいえ、匂いで酔うのはちょっと弱すぎですが、それはそれで萌え(笑)。

>ロマネ・コンティ

 こんなものを貰えるとはさすが皐月さん。ちなみにロマネ・コンティは赤ワインの最高峰。5年未満の短期熟成品でも5万円はくだらない超高級品です。そ、それをこんな風に使うとはこの娘達は…(苦笑)。

>美紗緒の意見に素直に従った祐香は、具の入っている深鍋にたっぷりロマネ・コンティを注ぎ込む。

 そもそも深鍋を使っている時点で大間違いです(笑)。フライパンを使い、お酒はさっと振り掛けるようにして蒸発したアルコールがすばやく拡散するようにしないと火はつきません。

>帰って来た治子の見たものは、沢山の野次馬と一部が真っ黒く変色した寮であった。

 あ〜あ。帰ってきた真奈が見たら卒倒しそうですね(笑)。とは言え、皐月に頼めば直してくれるでしょうが…

 次回以降の展開と、爆発にまきこまれた(であろう)祐香&美紗緒コンビの運命に思いをはせつつ…楽しみに待っております。

 皆さんもスパイクさんにどんどん感想のメールを送って催促しちゃいましょう!!


戻る