この作品は、『さたびー』様のHPにある『りばーしぶるハート』を題材にした物語です。
日常の一コマとしてお楽しみくださいませ m(_ _)m
『外食に行こう♪』
作:スパイクさん
第一話
〜まずは昼食を(前編)〜
「う〜ん……やはり外食の方が良いのでは?」
「でも、月末だから真奈ちゃんも厳しいって言ってましたよ」
「えっと……インスタントとか残ってないのかな?」
「む〜……いんすたんと食品は買い置きなんて無いよ〜」
寮内では、深刻な顔をした女の子達が討論を続けていた。
ここ『しおさい女子寮』では、ちょっとした問題が発生していた。それは、寮の家事全般を担うはずの相川真奈が、どうしても断れない用事のため、一日だけ外出するという事であった。
恐らくこれが、他の寮生だったのならば問題は無いのだろうが、彼女の場合『寮生全員の食事を作る』という、非常に重要な任務に携わっていたのである。ぶっちゃけた話、今晩だけ寮のみんなはインスタントの食事か外食を食べるかの二者択一を迫られているということだ。
え?どうして自炊するという選択肢が無いかって?
その理由は、丁度お昼頃までさかのぼることになる……
〜お昼前〜
「じゃあ、一日だけよろしくお願いしますね」
「大丈夫だよ真奈ちゃん。いざとなったら皐月さんにでもご登場願うから♪」
「む〜……真奈ちゃんお土産よろしくね〜」
「みさ!真奈ちゃんは旅行に行くんじゃないんだから、物乞いするんじゃないの!」
美紗緒の後頭部にチョップを叩き込む祐香、当人達は気付いていないが、寮生にとってもご近所にとっても、非常に微笑ましい光景でもあり、また騒がしい光景でもある。
「お、折原先輩……あんまり騒ぐとご近所迷惑になってしまうんですが」
苦笑いを浮かべながらも、その場を収めようとするひろの。どこにいっても苦労が絶えないようだ。
「でも……本当にボクがいなくても大丈夫ですか?今夜のおかず、何か作っておいた方がいいんじゃ?」
「安心しなさい真奈ちゃん。私は一応『ファミレス』で料理も作ったことがあるし、麻咲だって料理の一つや二つは作れるでしょう」
そう言って心配げにオロオロする真奈を安心させる治子。やはり年上組は頼りになるようだ。
ちなみに、麻咲の返事が無いのは、部活の練習に行っているからである。
一日のお別れだというのに、今生の別れを思わせるくらい長い時間が過ぎた。筆者としても、いい加減先に進みたい心境である。そのことに気付いた真奈は、みんなに見送られながら出かけていった。
「さて……もうそろそろ食事にしますか」
治子の声に、一同が頷く。ワイワイと寮の中に入っていくみんな。そんな中、ひとり考え込んでいる人物がいた。トラブルメーカー折原美紗緒である。
「ん?どうしたのみさ。早く入ろうよ」
祐香の呼びかけにも反応しない美紗緒、少し心配になった祐香は、美紗緒の額に手を当てる。
「む〜……どうしたの祐香ちゃん」
「それはこっちの台詞。呼んでも返事しないんだもん。唸っているから、てっきり熱があるかと思った」
額に手を当てられくすぐったそうにしながらも言葉を返す美紗緒。
「む〜なんだかバカにされている気がするけれど、まぁいいや。それより祐香ちゃん。ちょっと相談♪」
「げ……」
「む〜……なんなのさ、その『げ……』っていう反応は」
「だって、みさからの相談って毎回叱られる事につながるじゃない。だから却下」
今まで相談された結果。とばっちりを喰らってきた事を走馬灯のように思い出す祐香。
「む〜……今回のは真面目な話だよ〜お願い祐香ちゃん〜聞いてよ〜」
抱きつきながら上目遣いに懇願してくる美紗緒に、苦しくなったのか、それとも恥ずかしくなったのか、祐香が顔をそむける。
「わかった!わかったわよ!聞いてあげるからぶら下がるのをやめなさい!」
どうやら、前者のようだった。
「で……相談って何?」
「えっとね、あたし達って周りの人に迷惑かけてるでしょ?だから、その恩を返そうと思って」
祐香は、美紗緒が一生懸命その内容を説明するのを遮り頷きながら呟いた。
「ふぅ〜ん……まぁ、あたし達って所が引っかかるけれど、みさの言いたい事は分かったわ。ようするに、今日の昼食と夕食を作ってあげようってことなのね」
「む〜すごい祐香ちゃん。なんであたしの考えている事が分かったの?」
美紗緒が不思議そうに尋ねてくる。
「ま、寮に入ってからは、みさとの付き合いは今のところ一番長いからね。何となく分かるよ」
「む〜……いわゆる『維新電信』だね♪」
その瞬間、美紗緒の後頭部に祐香のチョップが炸裂する。
「む〜……痛いよ祐香ちゃん」
「突っ込んでおくけれど、『維新電信』じゃなくて『以心伝心』だ!」
さっきまでのいい雰囲気は何だったのだろうか?
祐香と美紗緒を除くメンバーは昼食について話し合っていた。
「お昼は麺類がいいですよね」
「どうしてなの?ひろのちゃん」
「だって、筆者は必ずと言っていいほど、お昼には麺類を食べてますよ」
(筆:事実です)
「そういえば、昨日は焼きそばでしたね」
「一昨日はラーメンでしたよ」
「その前はスパゲッティじゃなかった?」
「「「「筆者って……麺フェチ?」」」」
(筆:ぐはぁ!!麺フェチじゃないやい!!たまたまお昼が麺類になるだけ!!)
「……うそ臭いですね」
(筆:うう……絵美ちゃんにまで突っ込まれた……うぐぅ)
「でも、麺の買い置きなんかありましたか?」
筆者に突っ込むのに飽きたメンバー(ひろのはフォローしようかと考えていたが)は、台所で麺の買い置きを探していた。
実はつづいちゃいます♪
あとがき
投稿作品という事で、掲載させて頂く事になりました〜♪
なんだか、全然話の内容が見えてこない……というか、昼食さえ食べていない状態です。(^^;
ダラダラと続きそうですが、それでも読んで頂ければ幸いです。
さて、次回は何故自炊できないかという理由が明らかになります。
(それ以前に、バレているよ様な気がしますが……)
では、こんな作品を掲載させていただけますさたびー様、そしてこの作品を読んでくださるみなさま。
末永くお付き合いくださいませ m(_ _)m
スパイクさんへの感想はこちらへ
管理人さたびーのコメント。
と言うわけで、記念すべき投稿第一作はスパイク様よりいただいた「りばーしぶるハート」の外伝と相成りました。素敵な作品をありがとうございます、スパイク様。
>美紗緒の後頭部にチョップを叩き込む祐香、当人達は気付いていないが、寮生にとってもご近所にとっても、非常に微笑ましい光景でもあり、また騒がしい光景でもある。
なんと言うか、その場の光景が目に浮かびますね。やはり良いコンビですわ、この二人(笑)。
>「む〜……今回のは真面目な話だよ〜お願い祐香ちゃん〜聞いてよ〜」
>抱きつきながら上目遣いに懇願してくる美紗緒
…可愛いです(萌)。こうして見ると、最初のほうのひろのの台詞
>「お、折原先輩……あんまり騒ぐとご近所迷惑になってしまうんですが」
が、違和感ありまくりです。恐らく近所の人はひろのの方が年上でお姉さんだと思っていることでしょう(爆笑)。
果たしてしおさい寮の面々は無事にお昼ご飯を食べられるのか、そして彼女たちはどこへ外食をしに行くのか。先が実に楽しみな作品です。
皆さんもスパイクさんにどんどんメールを送って続きを促しちゃいましょう!
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