シュタタタタタタタタタタ………

ボクの名前は『山本 瑠輝』

『市立尾木原高校』に通う高校2年生

シュタタタタタタタタタタ………

それでもってボクの前を走っている黒マントの女の人は、ボクの恩人でお師匠様である人……
名前は『シオリ』

怖そうだけど、本当に怖い人なんですよ

シュタタタタタタタタタタ………


ちなみに、今ボクが走っているのは……

「お師匠様……」
シュタタタタタタタタタタ………

所々に浮かんでは消える幾つもの扉や伏間………

「ン?」
シュタタタタタタタタタタ………

上下も左右もない、正常に捻じ曲がった回廊………

「ここ?何なんですか?」
シュタタタタタタタタタタ………

そして、限りなく広がる虹色の黒い光と世界を映し出す白の闇………

「ソウイエバ瑠輝ニハマダ説明シテイナカッタナ………」
シュタタタタタタタタタタ………

この世にも、あの世にもあらざる場所……

「ココハナ………」
シュタタタタタタタタタタ………

世界と世界を繋ぐ場所………

「『異界回廊』ダ」





M.L.

作:ナイトメア

第2話 『初仕事は怪しい危険がイッパイ!?:前編』





―A.M 4:00―

…Side of 瑠輝…

「えっと………ここが目的地……ですか?」

「ウム……」

「ここって………もしかして…………」

「ソウダ、学校ダ」

「へ?」

いかにも上流階級っぽい校風の学校でした



「はぁい♪シオリさん、早かったですね」
「?!」
その声のした方を見ると……

そこには、淡いエメラルドグリーンのドレスを着た銀髪の女の人がいました……

「オオ、おーどー、久シブリダナ」

「?お師匠様、この人は?」

「瑠輝、コノ人ハナ………」
「へぇ〜〜〜……この娘が新人さんかぁ〜〜〜……。あっ!そうそう、自己紹介がまだだったわね。俺は『王道 炬』、シオリとは同じ仕事のパートナー同士の関係なのよ♪」

「……ト、イウワケダ」

「へぇ〜〜〜…………あぁぁぁ!?こ、こちらこそ自己紹介が遅れました(汗)ボク、山本 瑠輝っていいますっ!!」

「うんうん、シオリに聞いた通りの人物ね♪」

「え?」

「おーどー、今回ノ任務ダガ…説明ヲ頼メルカ?」

「うん、OK♪じゃ、その仕事内容だけどね………」

「えっと………どんなことをするんですか?」

「ここの高校に侵入した犯罪者『シーディア』の捕獲なんだけどね………」

「?何か問題でも?」

「ウム……実ハナ………」

「『シーディア』自体の戦闘能力はたいした事の無いんだけどね………、この人、結界を張ることに関してはすごく上手でね……」

「日ノ出ト人口密度ノ増加シタ状態デナケレバ見ツケラレナイ仕組ミノ隠蔽結界ヲあじとニ張ッテイルヨウナノダ」

「その上、強者の気配にも敏感でね……」

「我々デハ気配ヲ感知サレテ厄介ナコトニナル可能性ガ高イノダ」

「えっと……それは……つまり…………」

「そう、貴女がここに潜り込んで……」

「あじとノ場所ヲ解キ止メ、可能デアレバ対象ヲ捕獲スル、トイウモノダ」

「…………え、ええぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

「だけど安心してね♪」

「アト一人、応援ノ新人ヲ呼ンデアル。マァ、ソノ人物モアル程度腕ノ立ツつわものデハアルガナ」

「えぇぇと………それってつまり………」

「対象のアジトの発見と監視が主な目的ね♪」

「ウム」

「ところで………」

「?」「なに?ルキちゃん?」

「ここって朝早くの学校ですよね?」

「そうよ」「ウム」

「えっと………人に見られても大丈夫なんですか?」

因みに、ボク達の格好はというと………

ボク    :紅いくの一装束(短パン風の着物と網タイツ)
お師匠様:黒マントに黒い三角帽、無貌の仮面
王道さん:淡いエメラルドグリーンのドレス(ミニスカ風)

はっきりいって………

目立つ……よね

「アア、ソノ事ナラバ大丈夫ダ」「そうそう、不可視と時間底流の簡易結界は打ち合わせのお約束だからね♪」

……用意周到ですね

「はわぁ〜〜〜〜……」

「と、いう訳で……調査宜しくね」

「で、でも………」

隠れきる自信、無いですよぉ〜〜〜、と言おうとしたんだけど……

「姿ト気配ヲ消ス『幽身隠法』ヲ教エタ筈ダガ?」

「あ……………」

そういえば修練を始めて最初のほうに習ってました

「瑠輝………忘レテタナ」

「あ、えっと……その………はい………、修行ではあまりやくに立たなかったもので…………」

「マァ、最初ノ方デ教エタ術ダシナ」

ハァ……やっぱり行かなくちゃ行けないのかなぁ……

「それはそうと………はい、ルキちゃん♪」

そう言って王道さんは一枚の紙と写真を渡してくれました

「これ?何ですか?」

「今回ノたーげっとノ特徴ト姿ダ」

「え?これって……ま、まさか………」

その写真に写っていたのは……

「そ♪今回のターゲットである『シーディア』は……」

「へ、『蛇女』ぁぁぁぁ―――ッ!?」

そう、ボクの初任務の相手は……紅い髪の下半身蛇の女性でした………






―A.M 9:20―

「はぁ〜〜〜……」

取りあえずは色々と使ってない教室やトイレを調べてみたんだけど………

「なかなか見つからないよぉ〜〜〜」

収穫が全然無しです

それに休み時間中で人通りが多くなっているため、下手な探索ができず、現在は姿を消して静に調査中です

「ん?」

ふと、廊下の南の窓側の方を見てみると

「女の子と……下っ端?」

女の子と男子二人が話し合っているのが眼に止まりました

(何を話してるんだろう?)

そう思って興味を惹かれ、そこに近づいてみると……

「何?2年の眼鏡橋の野郎が行方不明になっただと?」
とてもその姿からは想像できないほど男らしい態度の少女(しかも窓辺の令嬢風!!)がなにやら驚いている様子がありました

「へい、どうやら昨日から家にけぇっていねぇよーで。内のクラスでも噂になってやすぜ」
と、いかにも手下風の少年A

「これで10人目ですぜ、親分」
それに続くように手下風の少年B

「で、一緒に行方不明になった女子は?」

「いや、いやしません。まるで、男子………それも様子が怪しくなってきていた男子ばかりが行方不明になっている様で……」

「センコー達も表立って騒いではいやしませんが、かなり慌てているようですぜ?」

「そうか……」

この後も話は続いたんだけど………

何だかスゴイ話だったんで覚えてないです(動スゴカッタのかも覚えてないです)

でも、

(行方不明って……もしかしてこれって『シーディア』のせいかな……)

何だか気になります



―A.M 9:40―
―図書室―

アノ後、校内の到る所を霊視してみたんだけど………

「け、結構怪しい所多いんだ……この学校……」


確認できた所だけでも1000以上ありましたよ……

それはともかく、

怪しい所が集中していた図書室に来て見ました

「結構…入り組んでるみたい………本も多いし……」

結構本が多いんですよ、この図書室……

でも、怪しい所が無いか何とか調査していると、

「?えっと……『日記ナ本』?」

その本のタイトルが目に入りました

「???読んでみよっと……(パラパラ)」

「(パタン)………ボクハナニモミナカッタヨマナカッタ」

電波でお花畑で腐女子でヲタクで有害図書で発禁物で破滅的でアル意味死霊秘法以上な瘴気的で目が腐るような耳が腐るようで泣く子も気絶的な内容でした


ハッキリいって嫌過ぎる内容です


(あ、頭が………眼が………)

と、立ち眩み状態になっていると……

ガラガラガラガラ

「あ!(マズイ!?)」

人の気配を感じて慌てて隠れることにしました(姿は消していますが)………

テクテクテク「こ、ここなんだな……(ハァハァ…)」

……痛いヲタクが入ってきたようです

しかも、学ランの下にはアニメキャラのTシャツが(まぁ、ロボットものだったのがせめてもの救いでしたが)…………

そして、そのヲタクは………

「こ、この本なんだな(ハァハァ…)」

さっきの『イタイ本』を読み始めました

「うげ……」

そして10分後

「うわ……」

更に10分後

「………(も、もう見てられない…………逃げよ)」

あまりの凄まじさ(もう、視覚的にも聴覚的にも嗅覚的にも)に逃げようとすると……

「や、やっと読み終えたんだな……(パタン)」

読み終えちゃいましたよ

あの本

だけど、

ぐにゅ「?な、なんだな!?」

「な!?」

唖然としていると………

ぐにゅにゅにゅにゅ「なななななな!?」

ヲタクは謎の歪みに………

ぐにゅぉ〜〜〜〜〜〜ん「なぁーーーーーッ!?」

飲まれて逝き………

そして………

ぺっ

ドゴ「あべしッ」

何だかピンクっぽいファンシーな女の子が歪み跡から吐き出されてきました

「う、ううん……!?お、おおおおおっ!?」

…………何だか壮絶な予感が……

「やっぱり、噂は本当だったんだニャ♪」

………もしかして………

「ああぁ、苦節1年………あの『本』を読み始めてようやくニャーの願いがかなったニャ……」

さっきのヲタクの人ですか!?

でも、何だか様子が………

「あのおぞましい内容に夜な夜なうなされる事も、精神が病んでヲタクと間違われ続けた苦労が報われるニャ……(涙)」

………好きで読んでいたみたいじゃないようですね……

「ああぁぁ………(感涙)」

どういう噂か気にはなりますが………

何だか違うみたいですね………




―A.M 11:00―
―化学実験室―

次の調査箇所を調べていると……

「ん?(何か話し声が聞こえる)」

と、言う訳で化学実験室に近づき……

(いくら姿が見えなくても、やっぱりドアが独りでに開くのは不味いよね……)

そう思ったボクは……

「術式構築…振動感知拡張…視覚解放…空間認識展開……『導耳透眼』起動」

体全体で空気の振動……つまりは音を感知できるようにし、更に物質透過による視覚を使って中を覗いてみるとことにしました………

すると、そこには……

「最円!な、なんで俺の体が女になってるんだ!?」

薄紫色の長い髪の仙女みたいな女の人(しかも裸)と……

「フフフ……大鼡君、とてもお似合いですよ……」

何かいかにもマッドサイエンティトっぽい、眼鏡をかけた結構カッコイイ容貌の人がいました

「貴様ぁぁぁ!何故こんなことをする!?」

「それはですね、私は貴方のことを前々から気に入っていました」

「何…?」

「そんなある日、あなたの人格と私の芸術作品を組み合わせるとどんな素晴らしいものが出来上がるかどうか興味が沸きましてね……」

「ま、まさか………」

「そのマサカ……ですよ。そしてその結果は、私の、そう、私の美的センスすらも凌駕する程の予想以上の出来栄えでした………ッ!!!」

「………(い、嫌な予感)」

「つまりは………貴女の全てを私は欲しているのですよ」

「ひっ………」

「さぁ、私の愛を受け入れなさい」

「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!」

(ど、どうしよぉ〜〜〜〜(涙))

ほうっておく訳にもいかず、だけど、ここで介入して騒ぎを大きくする訳にも行かず…………もうどうしたらいいんですかぁ〜〜〜〜!!!

……10分後

(どうしようどうしようどうしよう(オロオロ))

まだ迷ってました

ですが……

「あれ?(何か様子が……?)」

何だか様子がおかしい(元からおかしいというのは却下)ので再び覗いてみると…………

「最円(はぁと)」

馬乗りになるように抱きついている少女と

「も、もうだめ…………」

何だかもうすぐに死にそうなほど疲れきった(ミイラにはなっていない事がミソ)男の人がいました

「だぁ〜〜〜め♪」

「う、うぉぉぉぉぉ………」

………………………………………………………………………………

………………………………………ほっとくことにしました

ええっ、「早っ!?」とか「何があった!?」とか色々と疑問とツッコミようがありますがほっておくおことにしました

こういう事はほっておくのが一番だと母さんもお師匠様も言っていましたし……






そんなこんなで放課後が近づいてきました……




「はぁ………今日は一日中探し回ったのに収穫ゼロか……」

気落ちして調査をしていたのですが……

「ん?あれ、何だろう?」

中庭部分の隅っこに違和感を感じ、其処に近寄ってみると……

「?」

ハッキリとは見えないぶれた感じのするソレ

夕日に照らされ、僅かに存在を感じることのできるソレ

現実と虚構の狭間にある階段が其処にはありました…………


そして、其処を下りていってみると………


「?何?ここ?」

白い通路の部屋に行き着きました……





――その頃――

…Side of Outside…

学校近くのどこかの屋上にて……

「遅いですぅ……」

シオリは待ち惚けしていた

「ん〜〜〜……一仕事終えてからくるって行ってたからねぇ〜〜〜」

「はぁ、瑠輝ちゃん……大丈夫かしら……」

「あら?やっぱり心配?」

「う、うん……だって瑠「すいません、遅くなりました」あれ?」

「お、やっと来たわね」

「え?」

瑠輝の師であるシオリが声をした方を見ると……

「はじめまして…」

七つの眼のついた仮面を被り……

「オードー……ま、まさかこの子……」

碧色の長い髪を持ち……

「そう♪多分、シオリの考えているとおりよ♪」

白い外套を羽織った……

「No.0種の(ゼロナンバー)……魔属(デーモンズ)……?」

天使を思わせる人物であった……






「で、あの方は殿方なんですか?それとも女性なんですか?」

「……まぁ、確かに『両方』あるんだけどね……」

「シクシクシク……(泣)」

「あああ!!す、すいません……上のほうが私よりも大きかったもので………」

「エグエグ………(大泣)」

「………あの子、結構ナイーヴなのよねぇ〜〜〜……」





………本当に…………………任せて大丈夫なのであるかどうかは………


不安は尽きない……






続く


後書き

ども、ナイトメアです。
読み返してみると………、
うわ……
支離滅裂な文章ですね。

どこかで映像を文章化したものよりも、物語を文章化したもののほうが良いと聞きましたが、自分のは見事に前者ですね……はぁ…………。

精進がたりませんね…………。

まぁ、詳しい解説は後編でということで………。


管理人のコメント


 不幸にも仕事に借り出された瑠輝。その仕事先とは……?

>「へぇ〜〜〜……この娘が新人さんかぁ〜〜〜……。あっ!そうそう、自己紹介がまだだったわね。俺は『王道 炬』、シオリとは同じ仕事のパートナー同士の関係なのよ♪」

 女の人なのに一人称が「俺」……と言うことは、この人もか……?(謎)


>「我々デハ気配ヲ感知サレテ厄介ナコトニナル可能性ガ高イノダ」
>「えっと……それは……つまり…………」
>「そう、貴女がここに潜り込んで……」
>「あじとノ場所ヲ解キ止メ、可能デアレバ対象ヲ捕獲スル、トイウモノダ」

 世間ではそれを「囮」と言います。


>「何?2年の眼鏡橋の野郎が行方不明になっただと?」
>とてもその姿からは想像できないほど男らしい態度の少女(しかも窓辺の令嬢風!!)がなにやら驚いている様子がありました

 さてはこの娘もか(さらに謎)


>電波でお花畑で腐女子でヲタクで有害図書で発禁物で破滅的でアル意味死霊秘法以上な瘴気的で目が腐るような耳が腐るようで泣く子も気絶的な内容でした

 誰の趣味なんだろう(笑)。


>何だかピンクっぽいファンシーな女の子が歪み跡から吐き出されてきました

 不思議なのは瑠輝たちやシーディアの存在だけではないようで……


>「最円!な、なんで俺の体が女になってるんだ!?」
>「最円(はぁと)」

 ナニがあったんでしょうかね(爆)。


>「No.0種の(ゼロナンバー)……魔属(デーモンズ)……?」

 そしてまた新キャラ登場。これもまた怪しそうなキャラではあります。今後の活躍に期待ですね。


戻る