クラナド大陸反攻計画大綱・甲案

1 基本計画

 第1段階

 大陸東岸の制海権及び制空権を奪取後、現拠点のノースポイントからの距離が遠く、大陸東岸よりも比較的防備の薄いと推測される大陸南部、シールズブリッジ湾の海岸線(以下X地点と呼称)にて上陸作戦を決行する。上陸地点はストーンヘンジの射程外であることが絶対条件であり、X地点はその条件に合致する。
 上陸部隊は速やかに橋頭堡を構築した後、本隊の集結を待ち大陸中央部へ進撃。この部隊を南部方面軍と呼称する。

 
第2段階

 南部方面軍は大陸中央部の独立国家・都市国家を解放しつつ失地を回復する。この際、Tactics軍はイスタス要塞などの堅固な防御拠点の存在する「タンゴ線」において抵抗線を張る可能性が極めて高い。速やかかつ慎重に進撃することを要す。

 
第3段階

 大陸中央部の制圧後は速やかにストーンヘンジの攻略を行う。しかし、目標を無傷で奪取することは非常な困難が伴うことが予測される。ストーンヘンジの無力化には、空軍部隊による完全破壊が望ましい。なおこの作戦には、陽動部隊も含めて、ISAF空軍のほぼ全力を投入する。

 
第4段階

 ストーンヘンジ攻略後、大陸北部より第2の上陸作戦を行う。部隊は速やかに北部の各都市を開放すると共に南下。その際、北部交通の要所であるスノーシティー市は可能な限り無傷で奪回しなければならない。この部隊を北部方面軍と呼称する。北部方面軍は最終的に南部方面軍と合流、大陸西部派遣軍と呼称する。

 
第5段階

 第1〜第4段階までの計画を実現した後、大陸西部派遣軍はTactics連邦本国への侵攻作戦を開始する。(以下略)

2 参加兵力


(1)南部方面軍

 イ 陸軍
   総兵力30万人 戦車2000両 装甲車4000両 火砲1800門 航空機400機 その他
 ロ 海軍(上陸支援のみ)
   総兵力2万人 航空母艦1隻 護衛艦14隻 揚陸艦20隻 輸送艦12隻 航空機80機 その他
 ハ 空軍
   総兵力13万人 戦闘機・攻撃機750機 爆撃機30機 偵察機40機 輸送機120機 その他

(2)北部方面軍

 (以下略)

3 作戦名


(1)南部方面軍による上陸作戦を「バンカーショット作戦」とする。

(2)南部方面軍によるタンゴ線突破作戦を「ウッドキーパー作戦」とする。

(3)南部方面軍空軍部隊によるストーンヘンジ破壊作戦を「ストーンクラッシャー作戦」とする。

(4)北部方面軍による上陸作戦を「オーロラ作戦」とする。

(5)北部方面軍によるスノーシティー市奪還作戦を「ファイアフライ作戦」とする。

 ISAF最高司令長官 大将 古河秋生
                              2004・10・12

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   Mission8 大陸の最も長い日



 
2005年1月24日 1700時 シールズブリッジ湾 クラウンビーチ(ISAF作戦呼称)


 上陸には最悪の天候だった。
 空には雲が重く垂れ篭め、そこから雨が絶え間なく降り注ぐ。
 雨を受け止める海も暗く、海岸とほぼ平行に発生する白波が異様に目立っている。
 その中を多数の、いや無数の鉄の塊が群れを成し、波立つ海を蹴って、海岸とは垂直の航跡を引いて砂浜へと向かっていた。
 それら水陸両用装甲兵員輸送車――アメリカ製のAAV7は、陸地を守っているはずのTactics陸軍から何ら妨害を受けなかった。ISAF海空軍による事前攻撃が完全だったのだろうか、それとも敵そのものが存在しないのだろうか。
 やがてAAV7は車体を砂浜にのし上げると、後部の扉が開き、ISAF陸軍兵士たちはついに大陸反攻の偉大なる第1歩を踏んだ。
「あははーっ! 兵士の皆さん、戦争の時間ですよーっ!」
「……車体を盾にしつつ前進」
 AAV7から真っ先に降り立ったISAF陸軍第3師団、第32連隊に所属するとある中隊の中隊長とその副官は、共に麗しい女性だった。
 中隊長の倉田佐祐理大尉が部下たちに、戦場には似つかわしくない明るい声で発破をかけると、副官の川澄舞中尉が具体的な指示をもの静かに出す。兵たちはそれに大声で応えた。
 彼女たちは先ほどまで自分たちを運んでくれたAAV7の影に隠れつつ、足早で前に進む。後には戦車、歩兵戦闘車や数々の重火器がLCAC(エアクッション型揚陸艇)や直接砂浜にのし上げる揚陸艦でやって来る手筈になっている。それらが展開できるだけのスペースを可及的速やかに確保するのが佐祐理と舞の中隊、そして第3師団に科せられた責務だった。

 この「バンカーショット作戦」における上陸地点は大きく分けて3つ、西から順にヘイルビーチ、クラウンビーチ、カランダビーチである。31連隊がヘイル、佐祐理たちのいる32連隊がクラウン、33連隊がカランダにそれぞれ敵前上陸して橋頭堡を築くのが作戦の初期目標で、そのために強襲上陸のエキスパートとして完全装甲化された第3師団が先陣を切った。
 橋頭堡を得た後は、上陸第2陣として第1・第2・第5の各機甲師団が橋頭堡を拡大、そして海上で待機する全ての部隊を上陸させて内陸へと進み、祖国を取り戻すための足場を固める。これがバンカーショット作戦の基本計画である。

 第1陣として上陸した地雷処理車(AAV7の改造)が、遠方にワイヤーを投射する。数百メートルに伸びて地面に触れるや否や、内部に仕込まれた火薬が炸裂して埋められた地雷を誘爆させる。砂浜に一瞬だけ炎の花が咲き乱れ、すると花園の跡には幅数メートルの「道」ができた。
 そうして作られた啓開路の中を、処理し損ねたであろう地雷があることを前提にして、注意深く慎重に進む佐祐理と舞と、彼女たちの中隊。その上に冷たい雨が降り注ぎ、迷彩服を濡らしてゆく。
 彼らが浴びるのはそれだけではない。確実に存在しているはずだが、まだ姿を見せず、いつ襲いかかってくるのかわからない敵への恐怖が一番大きい。ISAF兵たちは極度の緊張に飲み込まれそうになりながらも、訓練の時と全く同じように、粛々と歩を進める。
「何でこんなに降ってやがるんだ……。今日は良い天気なはずじゃなかったのか?」
 そんな現状に我慢ができなくなった中隊の一兵士がぼやく。彼の言葉は半分当たっていて、半分間違っていた。上陸の準備をしている時点では、天気は確かに良好だったのだ。しかし、後は揚陸艦から車両や舟艇を出すだけとなった時に、天候は急激に悪化し、今のようになった。準備もそこまで進んだらもう後には引けず、苛酷な天気での敵前上陸が強行されたのだった。なお、上陸予定時刻は1500時だったのだが、悪天候で準備に手間取り、2時間遅れの薄暮上陸となった。
 ISAFの気象部はあらゆる観測を行い、あらゆるデータ(この地域の過去数百年の天候記録も含めて)を分析し、この日が上陸に最適だと結論づけたが、天候を100パーセント予測することは現代の技術を持ってしても不可能である。
 さらに、天気が戦闘に及ぼす影響というものは、弓矢や剣で戦っていた古代から、戦車や戦闘機が主役の現代までそう大きく変わるものではない。彼らISAF兵はそれを、身をもって味わおうとしていた。

 強い雨が兵たちの視界を遮っていた。だから彼らは、砂の下からせり上がるようにして現れたTactics軍のトーチカの発見が遅れた。
「佐祐理!」
 それに最も早く気づいた舞が鋭く叫び、一瞬遅れて佐祐理も「伏せて!」と告げた。中隊の兵士たちは弾かれたように反応したが、不運な数名はトーチカの銃眼に光が瞬くのと同時に、機関銃弾――口径7.62ミリの軽機関銃弾――に貫かれて、瞬時に生命を絶たれる。
 被害はそれだけにとどまらなかった。
 今度は兵の盾となっているAAV7にいくつかの弾が浴びせられる。甲高い金属音が数回鳴り響くと、装甲車はガクンと停止し、エンジングリルから炎がちろちろと上がり出した。トーチカの狙撃兵が放った20ミリ対物ライフルが車体側面に命中し、装甲に穴を穿ったのだった。基本的にこの車両は上陸用のもので、水に浮かばなければならない性質から、そう厚い装甲を持っている訳ではない。
 撃破されたAAV7はもう少しも前に進もうとしない。ハッチも開かない。おそらく乗員も犠牲になったのだろう。
「舞、手榴弾を」
「わかった」
 舞の腰には、左に軍刀(無銘の日本刀を軍刀拵えにしたもの)、右に数個の手榴弾が下げられている。彼女は野球ボールほどの大きさの手榴弾に手をかける。だが、この場でそれを使う機会は味方に奪われた。後方から出力の高いディーゼルエンジンの響きと履帯の軋む音。LCACから降りた上陸第2陣が到着したからである。
「待ってください、舞。友軍です!」
「第2師団……」
 新たな敵の出現に対し、トーチカに篭るTactics兵は冷静に対処した。接近するISAFのマルダー2歩兵戦闘車(ドイツ製の歩兵戦闘車で、Kanon国防陸軍の主力装甲車)の表面に火花が散る。見事なまでの正確な射撃だった。だが先ほどとは異なることがひとつ。今回Tactics軍の標的となったマルダー2は敵の火力をものともせず、カンカンと音を立て弾丸を無力化した。先ほど撃破されたAAV7より装甲が厚いのだ。
 そしてトーチカはその数秒後に沈黙を余儀なくされる。装甲をノックしたお返しとばかりに歩兵戦闘車が砲塔を旋回させ、そこから長く突き出した35ミリ機関砲の砲口をトーチカへ向けたからである。
 7.62ミリ軽機関銃の発するそれよりも遥かに大きい発砲音が轟き、35ミリ徹甲弾が撃ち出される。トーチカまでの距離は200メートルもない。ベトンで固められたトーチカの側面が砕かれ、貫かれ、内部で己の義務を全うしようと引き金を引いていた勇敢な機関銃手や狙撃兵たちの五体を引き裂いてただの有機物へと変化させた。
「はえー、助かりました」
 感嘆したように呟く佐祐理だが、その周囲では同じような光景が展開されていた。32連隊に合流した第2機甲師団の戦車や歩兵戦闘車が敵の防御施設を次々と潰してゆく。ISAFの上陸作戦は、その最初の段階は成功へと動きつつあった。

 上陸開始から30分が経過し、海岸線から数百メートル進んだ地点で第32連隊は塹壕を掘っていた。地盤は砂の多い軟弱なもので、また補強材も圧倒的に不足(強襲上陸に補強材まで持参する部隊などまずない)していたので、塹壕といってもないよりはまし、敵の小銃、機関銃から身を隠すくらいの程度だった。迫撃砲に耐えられるかすら怪しい。
「中隊長、全員配備につきました。後は本隊の上陸を待つだけです」
「ご苦労様です。警戒を緩めないで下さいねっ」
 佐祐理は報告に来た部下――兵からの叩き上げで少尉の地位を得た男に、丁寧語で答えた。たとえ相手が2等兵であっても佐祐理はこのように話す。彼女の性格であると同時に、部隊統率手段のひとつである。
「しかし……この雨はいつまで続くのでしょう? 地盤が緩んで、おかげで穴は掘りやすかったですが、その反面脆い壕になっています」
「どうにもならない……」
 佐祐理の傍らで、舞がぼそりと呟いた。
「そうですね……とにかく、敵が来たらできるだけ身を隠すことにしましょう」
「はい。配置に戻ります」
 多少諦めの混じった声で締めくくるが、彼もベテランである。それ以上文句を言っても雨が止む訳ではないことは十分理解していた。佐祐理たちの塹壕から這い出ようとする。
 その時、頭上から笛が鳴るような音が聞こえた。反射的に壕の中へしゃがみ込む。数秒語、鼓膜を破らんばかりの爆音が佐祐理たちのいる空間を支配した。明らかに重砲弾クラスの炸裂だ。
「……始まった」
「くそっ、なんてこった!」
「あははーっ、自分の壕に戻るのは後にした方が良いようですね」
 これまで沈黙を守ってきたTactics軍守備隊主力の反撃が開始されたのだ。
 すると、当然ISAFも応戦する。歩兵の塹壕を囲むように布陣した第2機甲師団の戦闘車両が直ちに反撃の火蓋を切る。M60戦車の105ミリライフル砲が、M109自走砲の155ミリ榴弾砲が、砲口から火炎と轟音を噴出させ、敵のいるとおぼしき方角へ弾を撃ち返す。MLRS多連装ロケットが、227ミリロケット弾を内陸の敵に向けて発射し、周囲はバックブラストで灼熱の世界となる。
「いいぞ! やっちまえ!」
 味方の反撃に戦意を喚起された兵が両腕を振り上げ叫んだ。
 ISAFとTacticsの久々の――ISAFが大陸から追い出されて以来の陸戦は、いよいよたけなわとなりつつある。

 作戦の立案とは、当然のことながらあらゆる事態を想定して行われる。その中でも、敵の動向は最も重大かつ難しい事態だろう。
 バンカーショット作戦の計画段階においても、上陸中に内陸から敵の反撃があることは十分予想されていた。そのような時に、具体的にどのような行動を取るのか、作戦はその基準を定めている。
 第1の事態として、上陸第1陣の壊滅。出鼻を挫かれては橋頭堡確保どころではない。後続の上陸も不可能となり、作戦は中止される。しかし、これならば損害は最大でも1個師団程度に抑えられる。
 第2の事態は上陸第2陣の投入後に敵の大規模反撃があること。先にも述べた通り、第2陣は計3個の機甲師団であり、一度陸に投入すれば海には戻れないほどの重装備を保有している。反面、火力、防御力、機動力は極めて優れているので、その能力を駆使して敵の反撃を逆に封じ込め、上陸第3陣の戦闘参加を待つ。いわば強行である。
 そして第3の事態。上陸第3陣、すなわち全ての部隊が上陸を果たした後にTactics軍がISAFを海に叩き落そうと行動を起こすことである。しかし、ここまで来たらISAFの上陸戦力は陸に集結していることを意味し、となるとすべきことはひとつ。反撃を粉砕し、占領地域を速やかに拡大するだけ。この3の事態への対処が最も簡単だった。
 現在ISAFの置かれた状況は、第2の事態に当たる。実はこの第2が一番微妙だった。もしも敵の反撃が予想より苛烈で、3個機甲師団が撃破されて陸揚げの最中、または海上から海岸に向かって移動中の第3陣に矛先が向けられたら――。
 上陸に成功したら「南部方面軍」と称されるはずの30万の大軍は壊滅、この損害は容易に回復できない。そしてTacticsは防備を固める時間を得て、大陸そのものが硬い要塞となる可能性も十分にある。もしそうなったらISAFが第2の反攻作戦を実地する機会は半永久的に失われるだろう。
 既に上陸を終えて展開する各部隊に、つい先ほど得た陸地の死守命令が下されている。佐祐理や舞たちは自らの血肉をもってISAFの未来を切り開かなければならない。

 佐祐理と舞が篭る壕から、およそ50メートル離れた所で歩兵支援を行っていた1両のM60戦車がATM(対戦車ミサイル)を砲塔に食らい、ついに撃破された。これまでは車体の至る所に貼られたリアクティブ・アーマー――成型炸薬弾を無力化する爆発反応装甲――がそれら化学エネルギー弾を防いでいたが、一度それが命中して装甲が失われた場所にもう一度命中して戦車本体の装甲が破られたのだった。M60は成型炸薬弾に対応できる複合装甲を持っていない。この各坐したM60は本格的な改装を受けてはいないのだ。
 しかし、この撃破されたM60とさほど離れない場所にいた別のM60は、イスラエルのマガフ7のように原型がM60とは思えないような改良を受けていた。こちらは砲塔にすっぽりと被せられた増加装甲のおかげで対戦車ミサイルに対する防御は堅く、現時点でもなおトーチカとなって歩兵の火力支援に専念している。
「戦車が……」
 舞が抑揚のない声で呟く。するとハッチが開いて煙が溢れ出し、次いで乗員が慌てて飛び出した。各坐した戦車の周囲に、脱出した乗員を狙った機関銃弾が着弾し、小さな砂煙が彼らを取り囲むようにして上がっている。
「彼らを援護しますよーっ」
 佐祐理の号令一下、小隊の機関銃分隊が即座に銃口を敵陣に、弾が飛んで来る方へ向ける。腹に響く発射音。敵の射撃の精度が一瞬だけ低下する。戦車兵たちは一気に駆け出す。
「早く、こっちだ!」
 誰かが叫んで戦車の乗員に呼びかける。あと50メートル。足を負傷していたと思われるひとりが敵の火線に捉えられ、糸の切れた操り人形のように倒れて全く動かなくなる。紅い液体が飛び散るのも見えたような気がした。あと30メートル、20メートル、もうひとりが撃たれた。腹部から赤黒い血と内臓が破裂するように飛び出す。10メートル、5メートル、そして残りふたりとなってしまった乗員が佐祐理たちの壕に飛び込んだ。
「おい、大丈夫か!?」
 生き残ったふたりに、佐祐理の麾下にいる兵士が彼らを案じて言った。
「……」
 だが、彼らは無言だった。車両を失い、戦友を失い、さらに自分たちまで殺されかけた3重のショックが、彼らを軽い戦争神経症に陥らせていた。
 戦車兵に自分の言葉を無視された兵は、たまらずに怒鳴る。別に無視されたことに腹を立てた訳ではない。戦いの現状そのものに、行き場のない怒りを持っているだけだった。
「くそっ! これじゃなぶり殺しだ。空軍はどうした!?」
「上を見てみる……」
 舞は空を指差す。雲が厚く垂れ込めているのは相変わらずだが、それだけではなかった。暗い空に溶け込んで目立たないが、敵味方の戦闘機が激しい空中戦を行っているのがどうにか見て取れる。雲間に光るのはフレアだろうか、それとも機体の爆発だろうか。地上の戦争音にかき消されているが、耳の良い者ならジェットエンジンの音も聞き取っているだろう。
「制空権は拮抗ですね。すると、今はまだ空からの攻撃は、心配――」
 そこまで言いかけた佐祐理の希望的観測は早くも裏切られる。新たな音が――ヘリコプターしか出し得ないローターとタービンエンジンの回転音が戦場音楽にハーモニーを加えたのだ。兵士たちの間に新たな緊張が走ってから程なく、少し先にある丘の影からそれが姿を現した。上下に並んだ2つのローター、いわゆる2重反転ローターを持ち、胴体脇から生えた小さい翼の下に対戦車ミサイルとロケット弾ポッドをつけた対戦車ヘリ。
「KA−50!」
「いかん! 伏せろっ!」
 いくつかの叫びが同時に上がった直後、周囲にロケット弾が着弾し、衝撃波と熱風が襲いかかる。さらに機載の30ミリ機関砲が追い討ちをかけ、地面に這いつくばるISAF将兵をいたぶる。爆煙が風に流された後には、隣にあった塹壕が消え、地面が巨大な鍬で耕されたようになっていた。無論、そこにいた分隊の運命は語るまでもない。
 だが、佐祐理たちも黙ってやられるつもりなどない。それを可能にするものを彼女たちは持っていた。
「スティンガー、用意してください!」
 佐祐理のこの命令は無駄だったかもしれない。なぜなら、この時点で舞が既に携帯地対空ミサイル「スティンガー」を肩に構え、敵機に狙いをつけていたからである。彼女だけでなく、他の塹壕でも同じような現象が起きていた。この対応の早さは、強襲上陸を専門とした精鋭部隊の面目躍如だろうか。
 先ほどISAF兵の血を啜った金属の吸血鬼たち――KA−50ホーカム対戦車ヘリに対する報復は、赤外線シーカーの目と電子部品の頭脳、そしてロケットモーターの足を持った銀の釘によって返された。
 佐祐理の中隊を襲撃した4機のKA−50に、10発以上のスティンガーが発射される。いささか過剰と思われるかもしれないが、発射した当人たちはそれを考慮する余裕などなかったらしい。が、これで4機全てが確実に葬られた。ある機体は空中で木端微塵となり、またある機は真っ赤な火を吹いて海に落ち、消火に成功した代わりに海の底へと沈む。
「やった! ざまあみろ!」
「安心するのはまだ早い……」
 舞が喜ぶ部下に注意を促すと、案の定、彼らの頭上に砲弾が落ちてきて、地面にぶつかってから100分の1秒遅れて爆発(時限信管の設定がそうなっていた)し、舞たちの潜む塹壕は大地震のように揺さぶられる。
「あははーっ、脅威はまだ薄れてはいませんよ。気をつけましょうね」
「は、はい」
 砲弾の炸裂に動揺した若い兵士が答える。同時に彼は思った。中隊長は何でこんな時に天真爛漫に笑えるんだろう? それに川澄中尉もだ。全く平然としている。この人たちは恐れを感じないんだろうか?
 しかしそう思う反面、彼は中隊長と中隊副官に尊敬の念と安心感を抱くのだった。この人たちの側にいれば、俺は死ななくて済むかもしれない。もしも死ぬことがあっても、無駄死ににはならないんじゃないだろうか……。

 だが、若い兵士の想像は間違っていた。佐祐理も舞も表には出さないものの、心の中からはどす黒いものが溢れていた。
(厳しいのはまだ変わりませんね……)
(火力で負けている……防御も、敵の方が上だ)
 ISAFは明らかに不利。となると、戦闘が両軍ともこの戦力のままで続くことは自分たちの全滅を意味する。その後は――もう彼女たちが戦争のことを考える必要のない世界に旅立った後は――上陸したばかりの部隊と、苦労して海岸に運び入れた軍需物資はTacticsの反撃でことごとく失われる。自明の理だった。
 佐祐理はなにかに救いを求めるように空、続いて海に視線を走らせる。すると、雨によって霞む沖合で何かが明滅する。それからさほど時を隔てずして風を切る音が響き、敵のいる方向に爆煙がいくつも上がる。揚陸艦を護衛していた駆逐艦やフリゲート艦が127ミリの、または76ミリの速射砲で火力の低下した上陸部隊を支援しているのだ。
 でもどれだけの効果があるんでしょう? 海軍さんには悪いですが、敵に与えるダメージはそんなに大きくはないでしょうね。佐祐理は冷徹な中隊指揮官の頭脳でそう分析した。
 敵はあらかじめ堅固な陣地を築いてISAFの上陸を待ち受けていた。時間と資材をかけて構築した陣地とはかなり頑丈なもので、127ミリ砲程度では直撃でもしない限り崩れるということは滅多にない。それに護衛艦も、揚陸艦や輸送船を護衛するという任務が残っている。ここで全ての砲弾を撃ち尽くす訳にはいかないのだ。それでも支援してくれるのはありがたいことこの上ないのだが……。
(もっと大きい、155ミリか203ミリクラスの砲があれば……)
 それなら話は別ですが、現代の海の皆さんはそこまで大きな砲を持ってません。あの懐かしい大艦巨砲主義は、陸兵にとってはとても心強い軍事イデオロギーだったんですね。大きい主砲で全ての敵を吹き飛ばしてくれるんですから……あははーっ。
 佐祐理が実現のしようもない可能性を夢想していた時、舞は曇った空を見上げながら、もっと現実的な可能性に思考を巡らせていた。
(空軍の支援があれば、どうにか……)
 態勢を立て直せる。敵の火力を潰してくれれば、そして混乱を与えてくれれば、ここで守るだけではなくて、機甲部隊と協同してさらに橋頭堡を拡大できる可能性も高い。でもこのままでは……。
 しかし、このままで済むどころか、戦況はさらに悪化した。空軍のAWACS、その中でも特に有名な「スカイエンジェル」が新たな敵の存在を知らせてきたからだった。
『こちらスカイエンジェルだよっ! クラウンビーチに攻撃機――A−10が多数接近中! 手空きの全機は急いでクラウンビーチへ行って!』
 A−10とは、アメリカ製の対地攻撃機A−10サンダーボルトUのことである。ベトナム戦争の戦訓――地上部隊直協の重要性――から生み出された機体で、対地攻撃のみに特化している。ほぼ長方形の直線翼は、低空での機動性と安定性が抜群で、胴体の中央から後ろよりに左右それぞれ取りつけられたエンジンが翼と並んでこの機体に異様な印象を与えている。この主翼とエンジン配置は速度という要素を全く無視しているので、スピードは最大750キロまでしか出ない。もっとも各種――爆弾・ロケット弾・空対地ミサイルなどの兵装搭載量は、これを相手にする者にとっては悪夢のような多さなのだが。
 目に見えない所では、防御力が高いのも大きな特徴だ。特にコクピットはチタン製のバスタブ型装甲鈑ですっぽりと包まれていて、23ミリ機関砲くらいなら楽に跳ね返しパイロットの安全を確保する。逆に己はGAU−8/A30ミリガトリング砲を機首に装備している。これの破壊力の前では、戦車の上面装甲は紙同然だ。
 1991年の湾岸戦争ではイラク陸軍の車両を多数破壊し、文字通り「タンク・キラー」として賞賛を受けたA−10だが、開発の時点から重視されていなかった電子機器の不足という弱点があり、特に全天候・夜間戦闘能力の欠如は致命的だった。そのため、2005年の現在では暗視装置などの夜戦能力を追加したおよそ360機以外は、アメリカ空軍から退役している。そしてスクラップとなるのを待っていた機体の一部が、その運命を免れてどういうルートを辿ったのか不明だが、Tacticsへと売却された。それが、スカイエンジェル――月宮あゆが佐祐理と舞にその存在を知らせたA−10なのだった。
 この悪天候でも飛んでいるということは、どうやらTacticsのA−10も全天候能力を加えられたらしい。とにかく、陸に這いつくばる者にとっては、極めて恐るべき敵である。だが、どうにか対処しなくては死ぬだけだ。佐祐理は大声で叫んだ。彼女にとっては異例なことだが、それが1個中隊を預かる倉田佐祐理大尉の負ったプレッシャーを現していた。
「舞、スティンガーを!」
「もうない……ヘリを墜とすのに使った」
「はえ〜、そ、そうですかー」
 佐祐理はいつものような笑顔を見せた。が、血の気が失せた白い美しい肌――今は戦塵にまみれて薄汚れているが、美しさは損なわれていない――が白を通り越して青ざめている。冷や汗が頬を伝って落ちた。
「もうこれまででしょうか……」
(一弥、あなたのそばに行くのは今日になるかもしれませんよ……)
 絶望、という2文字が彼女の頭をよぎる。そんな言葉は10年以上も前、たったひとりの弟を病気で失って以来、とっくに捨て去ったはずだった。だが、現状はどう考えても絶望的に悪化している。
「ぽんぽこタヌキさん……」
 その悪い考えを舞の一言が断ち切った。小銃の銃口を空に向けて何かを指し示すと、そこに見えたのは1機の戦闘機。急速に接近し、彼女たちの上空に来ると大きく翼を振った。
『こちらメビウス1。遅くなって済まん! 奴らはすぐに片づける!』
 無線機からの頼もしい声とジェットエンジンの轟音が重なった。

 その後は、これまでの苦戦が嘘のようだった。
 そもそも対地攻撃を専門とし、750キロしか出せないA−10に、超音速を出せる戦闘機が襲いかかったのだ。護衛の戦闘機はいた。が、それも同時に覆滅された。メビウス1――相沢祐一中尉たち制空隊のめざましい活躍の結果だった。
 結局、A−10の部隊は佐祐理たち上陸部隊に1発の爆弾、1発のミサイルも放つことなく全機撃墜された。それと相前後して、3つの浜辺の制空権もISAFのものとなる。
 航空優勢を得たISAFが次にすることといえば、もはやお決まりのパターン、沖合の空母から反復して出撃した攻撃機や、ノースポイントから空中給油を繰り返してはるばるやって来た爆撃機が敵陣に猛爆を加えることだった。それによりTacticsの抵抗線はついに崩壊、ISAFはさらに前進して第3陣を上陸させ得るだけの土地を確保したのである。


 
2005年1月25日 0620時 クラウンビーチ内陸1km 125高地


 ISAFが上陸作戦を敢行してから、一夜明けた。
 前日の日没後、佐祐理と舞の中隊は小高い丘(ISAFの呼称は125高地――標高が125メートルあることから、その名がついた)を奪取した。空爆で敵の戦力を削ぎ落とし、戦意も低下させたところで、機甲部隊との連携で敵の防御拠点のひとつだったこのちっぽけな小山を夜襲で陥としたのである。激戦を終えた彼女たちはそこで一夜を過ごし、今もそこに陣取っている。
 短い睡眠から覚醒したふたりがまず始めに行ったことは、無線機と向かい合うことだった。電波を隔てたその先には、昨日彼女たちを救った相手――メビウス1がいる。彼はこの時、哨戒と防空のため橋頭堡の上空を飛んでいた。
「あははーっ、昨日は助かりました。あの高名なメビウス1に助けられるなんて、光栄です」
「……ありがとう」
『いや、別に礼を言われるほどのことじゃないだろ』
「いえ、おかげでバンカーショット作戦は成功しましたーっ。もうわたしたちは大丈夫です」
『それなら良かった。でもそっちはこれからが本番だろ?』
「はちみつくまさん」
『?』
「気にしない……。とにかく、これからわたしたちは前に進まなければならない」
「そういうことです。お互い最善を尽くしましょうっ」
『おう。機会があったら、また支援させてもらうよ』
「楽しみにしている……」
「はいっ。それではまたーっ」
 これで交信は終わった。無線機のレシーバーを取ると、佐祐理は舞に向き直り、心からの笑顔を浮かべた。戦いが一段落して以来、初めて見せる、佐祐理の本当の笑顔だった。
「舞、この戦いは先が明るいですね。わたしたちには心強い味方がいます」
「……」
 舞は黙って頷いた。しかし瞳の色は佐祐理と同じ、将来への希望があった。戦いはまだまだ続く。だからこそ、強い空軍が、メビウス1のような空の戦友が自分たちを守ってくれる、という心理が与える好影響は計り知れないものがある。
 ふたりは、そのことを身を持って体験した。体験したからこそ、心の底からそう言えるのだった。
「さっ、舞。これからも頑張りましょうっ!」
「佐祐理。こっちこそ、よろしく……」
 彼女たちの眼下には、次々と陸揚げされる上陸第3陣の戦車、装甲車、兵士、そして戦略物資に埋め尽される海岸があった。沖合にはそれらをまだ下ろしていない輸送船の群れにより水平線がほぼ隠されて、どこが海と空の境界なのか、よくわからない状態だ。
 夜明けの直前まで降っていた雨は上がり、雲の隙間から朝日の眩い光が射し込んでいた。その光に照らされた世界は赤く、白く染まっている。まるで兵士たちの血と骨を表すかのように。そしてその色は、将来、さらに多くの命が失われることの予言なのだろうか。
 ISAFの反攻は、ついにその本性を現した。Tacticsの本格打倒へ向けて、巨大な歯車が回り出そうとしていた。


 
2005年1月29日 1300時 クラナド大陸南部某所


 神尾晴子博士は、自分たちの置かれた境遇を罵ろうとしたが、できなかった。
 自分だけならまだ良い。しかし今、どこへ向かっているかわからない小型ジェット機(いわゆるビジネス機)に積め込まれているのは、娘(正確には、実の娘ではないが)の観鈴と居候の国崎往人、それに彼女の同僚――Air大学工学部や電磁物理学科の教授たち。
(まったく……Tacticsの連中、ウチらを一体どないするつもりなんや?)
 晴子たちがなぜ飛行機に乗っているのかというと、それは彼女たちの意志ではなかった。海辺の町にある自宅で家族と――娘の観鈴と神尾家に住みついた身元の知れない居候、国崎往人といつもの休日と同じようにくつろいでいたら、いきなりTactics軍の兵士がおしかけて来て、彼女たちを連行したのだ(だが、兵士たちは一応礼儀正しく対応し、不穏分子を連行するような感じではなかったが)。
 すぐさま近くの飛行場に連れて行かれると、そこには晴子の同僚たち――ストーンヘンジ開発に携わったAir大学の教授たちがいて、まとめてビジネス機に乗るよう強要されたのだった。それが、彼女たちが望まず空を飛んでいる理由である。
(まさか、いきなり皆殺しなんてことはないやろうな……ウチらを殺ったら、あのストーンヘンジは使いもんにならんで……)
 だが、前例がないわけではない。古代エジプトではピラミッドの設計者を、王の部屋や財宝の秘密を守るため、人柱として埋めたという話もある。
「お母さん……」
 内心の不安が顔に出ていたのだろうか、隣の観鈴が多少怯えたような声を出す。晴子はしまったと思いつつ、ニカッと笑って言った。
「なんや、そんな顔したらあかんで。観鈴ちんは強い子なんやろ?」
 すると、彼女の養女はけなげな対応をした。
「……うん。観鈴ちん、強い子。にははっ」
「そうや。それでこそウチの娘や。それにな、いざとなったら居候が例の力で何とかしてくれるやろ」
「おい、晴子。俺の方術は人形が限界だ……」
 話を振られた往人は、正直な男だった。質問の意味を真正面から受け止め、直球で投げ返した。
「ったく……冗談や冗談。あんたがそんなことできんのは知っとるわ」
「だったら言うな……」
 だが、このやり取りは思わぬ効果をもたらした。
「にははっ……。ふたりとも、けんかしちゃダメ。周りに迷惑になるよ」
 観鈴がおかしそうに笑い、そう言った。先ほどまでの不安な表情がどこかに消え、いつもの彼女に戻ったようだ。同時に機内の空気も、落ち着きを取り戻してある程度リラックスしたものに変わっていた。
 そのような中でも、飛行機はひたすら飛ぶ。野を越え山を越え、蒼い空に、うっすらと飛行機雲を引きながら飛び続けた。
 やがて、飛行機は高度を落とす。地面が近づくと、そこがどんな場所かがわかった。
 草木はまばらで、とにかく何もない。不毛の荒野という言葉がぴったりと当てはまるような土地が、窓の外を眺める晴子たちの目に入った。
 程なくして、遠方に何かが見えた。最初は小さい点だったが、飛行機はどうやらそっちの方へ向かっているらしく、だんだんと大きくなり、次第にそれが何なのか判別できるようになった。
 荒野の真ん中に聳え立つ、塔のようなもの。それが何本もある。
「あれは……」
 晴子には、いや、飛行機の中にいる全員がそれに見覚えがあった。いや、見覚えがあるどころか、それは彼らが造ったものだ。
 かつては大陸の救世主、今は大陸の脅威。昔と今でこれほど評価が異なるのも珍しいかもしれない。
 大陸の巨人――ストーンヘンジは、ただその巨体を荒野に吹く風に曝して、じっと佇んでいた。


 
同日同時刻 旧Air皇国 首都カンナ 宮内省


 皇国は滅んでも、皇家はかろうじて維持されていた。だから宮内省の職員たちも失業の憂き目を免れていた。
 しかし、今ここで活動をしている役人――おそらく上級官僚クラス――たちは、少々、いやかなり趣の異なる働き方をしていた。
 まず場所が異様だ。窓一つない狭い部屋。外界とこの部屋を仕切るものがあるとすれば、それは殺風景な、思わず独房を連想させるような重い鉄の扉だけである。まさに地下室といった感じの、かび臭い部屋だった。電灯も暗く、丸テーブルに座る男数人をぼんやりと照らしていた。
 次に異様だったのは、その役人たちは小声で話し合っていることだった。まるで自分たち以外の誰かに聞かれることを恐れるように。
「……先帝陛下の……が……」
「……その情報は……間違いない……」
「……それで、具体的には……」
「……特殊作戦……危険では……」
「……しかし、それしか……」
 一体どのくらい話し合っていたのか。時間の経過を示すものが何もないため、数十分だったのか数時間だったのか、それは各人の感覚のみが頼りだった。
 やがて、この密談から何かの結論が出た。官僚たちの中でも最上位者と目される初老の男が、テーブルの中央にある電話機に手をかけた。
 電話の繋がれた先は、非合法的な手段で回線が保たれた、ISAF南部方面軍――先日上陸を果たしたばかりの、ISAFの大陸奪還部隊の司令部だった。


 「Missaon8.5 国防総省の情景」につづく

管理人のコメント

 ISAF軍もついに大陸本土への上陸を開始。戦争はいよいよ激烈さを増してきました。今回は、物語始 まって以来の本格的な陸戦シーンなど見所が多数です。

>ISAF最高司令長官 大将 古河秋生

なにやら意外な名前が…果たしてこの人が我々の前に姿を現すのは何時の事なのでしょう(笑)

>「あははーっ! 兵士の皆さん、戦争の時間ですよーっ!」
>「……車体を盾にしつつ前進」

 上陸戦シーンの主役はこの二人ですか…舞はともかく佐祐理までなんとなくこういう修羅場のシーン が似合うのはなぜなんでしょう。

>現代の海の皆さんはそこまで大きな砲を持ってません。

 そのせいで最近は155ミリクラスの艦載砲がいろいろ試作されているそうです。この世界では歴史は 変わっていますが、こういうところは変化がなかったようですね。

>「……先帝陛下の……が……」
>「……その情報は……間違いない……」

 前回ではAir皇国は滅亡確定のようでしたが、ひょっとして皇室の生き残りが?だとすれば、あの人 の登場もあり得るのでしょうか。う〜む、次回以降が気になりますね。


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