主要登場人物

・スパイ研究会側

山本光輝    経済学部経済学科3年    三重県鳥羽市出身    所属サークル:なし
 スパイ研究会主任外事員。後に外事局長。
 冷酷非情なスパイマスター。権力志向が強く、「権力を握るためなら、上司だって売るし、人を殺しかねない」と〈オジロワシ〉の『軍師』工藤修一に言われる。
 他人を見下すような言動が多いが、自分よりも優れた人間は素直に認める。認めた上で、自分にとって危険かどうかを判断し、危険と判断すればあらゆる手を使って排除する。危険ではないと判断すれば、おだて、なだめ、すかしながら、徹底的に使いつぶす。
 作戦局長の柳澤隆博とは犬猿の仲。
 また、アルコール依存症気味で、大学構内でもウィスキーの小瓶を手放さない。


関達彦      理学部物理学科4年  大阪府大阪市出身    所属サークル:オカルト研究会
 スパイ研究会会長。
 前会長を脅迫して会長の座をもぎ取った。その経緯もあって、スパイ研の中でもあまり人望はない。そのため、人望のある外事局長・桂良樹を憎み、破滅に追い込んだ。
 会長としては、アジテーション能力に長けるなど、能力的には申し分ないものの、猜疑心が強く、他人を全く信用しない。また他人が自分の思うとおり動かないと不機嫌になるという悪癖も持ち合わせている。


柳澤隆博    理学部地質学科3年  神奈川県湘洋市出身  所属サークル:バスケットボール部
 スパイ研究会作戦局長。
 元運動部員。そのため、考えるより先に体が動く傾向にある。スパイ研幹部には珍しく、嫌なものは嫌とはっきりと口に出す。
 陰険な人間を何よりも嫌い、そのため山本を嫌い、憎み抜いている。会議ではことあるごとに山本と対立し、大声での罵りあいになることも珍しくない。


定岡文俊    法学部3年      神奈川県湘洋市出身  所属サークル:オカルト研究会
 スパイ研究会内務局長。
 現会長・関達彦の腰巾着とさえ言われるほど、関の行動に対しては常に賛同する。そのために内務局長になることができた。
 およそ自分の意見というものを持たず、関に判断をすべて任せているため、山本にさえ「毒にも薬にもならぬ無能者」とみなされ、攻撃対象から省かれる。
 内務局長としての仕事を進藤に任せ、自分はすっかり楽隠居のつもり。


桂良樹      工学部電子工学科3年    神奈川県川崎市出身  所属サークル:電脳部
 スパイ研究会外事局長。
 スパイ研高級幹部には珍しく、〈オジロワシ〉との無難な共存共栄を主張している。人当たりもよく、スパイ研の中でも最も人望のある幹部である。
 しかし、それが理由で会長の関から疎まれ、石川の家に侵入して「Sリスト」のコピーを盗むように命じられた。その任務に失敗して警察に逮捕され、自主退学する。
 後任の外事局長には山本が就くことになるが、これが後にとんでもない結果を招くことになるとは、このときは誰にもわからない。


藤田智行    文学部文学科2年    群馬県桐生市出身    所属サークル:文芸部
 スパイ研究会外事局員。
 山本の腹心的存在だが、決して山本のことを信じ切っているわけではない。
 スパイ研会員には珍しく、破壊工作より情報収集、情報収集よりも離間工作を好み、それを実行に移すことをためらわない。


進藤英輔    法学部2年      神奈川県湘洋市出身  所属サークル:〈レッド・ロブスター〉
 スパイ研究会内務局員。
 昼行灯の定岡に変わり、実質的に内務局を切り盛りする。
 スパイ研会員としてはありえないほど誠実な人柄の持ち主。