主要登場人物 ver1.1

『姐御』神崎礼      経済学部経済学科3年    行動隊総隊長兼1番隊隊長    北海道帯広市出身
 部活動:大学公認サバイバルゲームチーム〈レッド・ロブスター〉団長
 研究会:装備研究開発会

 努力家の指揮官。父も兄も陸上自衛官。そのせいもあって、いずれは自分も陸自入りするつもり。
 〈オジロワシ〉の隊内で最も頼りになる指揮官と言われる。古今東西の戦史を自分なりに研究し、その中から自分なりの部隊運用法を確立させた。
 また拳銃射撃の名手でもあり、〈オジロワシ〉全体でも五人しかいない『特級射手』でもある(拳銃三人、電動ライフル一人、スナイパーライフル一人)。
 探索隊総隊長の石川とは、順調なお付き合いの真っ最中。
 2年生の『ガード』木村泰徳を自分の後継者と見込み、自分の持つ知識を少しずつではあるが伝えている最中。また同じ2年生の『お嬢』酒井由香に実の姉同様に慕われるなど、下級生の面倒見がよい。


『教授』石川信光    理学部化学科3年    探索隊総隊長兼理学部班班長  鹿児島県指宿市出身
 部活動:化学研究部部長
 研究会:電脳分野研究会、有事法制研究会

 徹底したリアリスト。奇跡や運命など、科学で検証できないことは決して信じない。また、化学実験マニアであり、日がな一日実験室にこもって、反応を見てはニヤニヤする、一歩間違えれば『危ない人』として忌避されるタイプ。
 しかし、礼と付き合い始めてからは、かなり人間らしくなった。
 情報分析のオーソリティー。多角的に物事を観察し、冷静な目で判断を下せるタイプの人間でもある。その反面、対スパイ研戦略に関しては未だに確固たるものを持っていない。


『番長』猿渡徹      文学部史学科3年    行動隊副隊長兼2番隊隊長    静岡県浜松市出身
 部活動:射撃部部長、大学公認サバイバルゲームチーム〈レッド・ロブスター〉副団長
 研究会:装備研究開発会

 もともとは静岡県西部きっての不良として知られていたが、大学1年の夏にスパイ研会員に拉致、暴行されて以来更生。同時に、スパイ研に対して、強烈な憎悪の念をも持つ。
 更正したとはいえ、『瞬間湯沸かし器』と言われるほどの気の短さ、『喧嘩を売っているとしか思えない』と邪推されるほどの口の悪さは替わっていない模様。
 射撃部に属しており、『特級射手』の一人。
 『ガード』木村泰徳に兄貴分として慕われているものの、果たしてどう扱っていいものか困っている。


『博士』山田進      工学部機械工学科3年    行動隊3番隊隊長        山梨県甲府市出身
 部活動:特になし(〈レッド・ロブスター〉からは名誉会員待遇を受けている)
 研究会:電脳分野研究会

 個性派揃いの3年生の中で、最も常識人に近い。スパイ研に対しても、比較的穏健な態度で臨むことが多い。
 そのため、あまり見せ場がないのが残念なところ。
 ところが、えてしてこういう人間に限って怒らせると怖いもので、1年のころ、からかってきた猿渡にキレて、取っ組み合いの大喧嘩をし、猿渡をボコボコにした経験もある。
 3番隊隊長にまでなっているので、決して無能ではない。どちらかと言えば、粘り強く守るのが得意なタイプ。現代米軍軍装をこよなく愛する。
 また、エアガンカスタムの名人でもあり、行動隊員の装備のカスタムやチューニングなどをよく頼まれる。


『与作』大川秀明    工学部電子工学科3年    行動隊4番隊隊長        秋田県男鹿市出身
 部活動:野球部
 研究会:装備研究開発会

 中学、高校時代は野球に打ち込んでいたが、結局甲子園には出られなかった。それが理由で野球で生計を立てていくことをあきらめ、かつてほど真剣に部活動に打ち込んではいない。
 他人からみて『それはどうか』と思われるほどの楽天家。座右の銘は『明日は明日の風が吹く』。
 行動隊随一の猛将。一瞬の隙をついての突撃を得意とする。反面、あまり我慢強くはなく、多少の無理があろうとも攻撃をかけるため、思わぬ損害を被る危険がある。


『虎徹』柳生晴信    理学部物理学科3年  行動隊4番隊第二小隊長      愛知県名古屋市出身
 部活動:剣道部筆頭師範、物理研究部部長
 研究会:装備研究開発会

 先祖は尾張藩剣法指南役・柳生利厳。幼い頃から、家伝の柳生新陰流を学ぶ。
 剣術にかけては天才的センスの持ち主で、白兵戦では行動隊最強を誇る。
 現代日本の大学構内を、羽織袴の木刀二本差しで歩き回るという、ほかの人間には絶対に真似のできない行為で、大学でも有名人である。木刀はいずれも強化木刀〈武蔵〉で、一本は「偽虎徹」、もう一本を「兼定もどき」と銘々している。
 見かけによらず理系人間で、航空力学関係のゼミを選択。本編にあった「たちの悪い冗談にしか見えない」というのは、実は猿渡の言葉である。
 名前の「晴信」は、戦国時代ファンの父親が武田信玄の本名からつけたもの。2歳下の弟には、上杉謙信の本名である「輝虎」が名付けられている。


『デルタ』堀内覚    経済学部経済学科3年    探索隊別班班長          神奈川県横浜市出身
 部活動:なし
 研究会:装備研究開発会

 〈オジロワシ〉入隊前はスパイ研究会外事局に所属していた、元エージェント。
 任務に失敗し、本来なら退学除籍処分になるはずだったが、当時の司令に救われた。それ以降探索隊別班に所属、スパイ研の元同僚に対して遠慮のない討伐ぶりを見せる。
 性格は竹を割ったようにさっぱりしており、それが命拾いの元になったらしい。


『ビール』佐伯秀平  文学部文学科3年    行動隊3番隊第二小隊長      神奈川県横浜市出身
 部活動:ラグビー部副部長
 研究会:有事法制研究会

 ラグビー部の快速フランカー。ラグビー部のディフェンス面での要。
 隊内では歯に衣着せぬ言動で知られており、特に罵倒に関するボキャブラリーは猿渡をもしのぐ。
 どんな逆境にあっても決してあきらめない性格の持ち主。それは部隊の指揮ぶりにもあらわれており、防戦に関しては行動隊随一の手腕を誇る。


『総理』榊原治      法学部4年      〈オジロワシ〉司令      神奈川県横浜市出身
 部活動:弁論部前部長
 研究会:有事法制研究会

 3年次には行動隊総隊長として対スパイ研作戦を指導、そのときの功績を評価されて、司令選出選挙を勝ち抜いた。
 歴代司令の中では珍しく、スパイ研に対し強硬姿勢で臨んでおり、いざとなったら徹底弾圧も辞さないと司令就任時の演説でぶち上げたことがある。
 とはいえ、情報をまったく無視するわけではなく、むしろ充分な情報が集まらない限り作戦発動を許可しない。
 後に出てくる工藤とは高校時代からの友人。
 無類のコーヒー好きで、司令室にサイフォンを持ち込み、自分で挽いた豆でコーヒーを飲んでいる。
 なお、司令は通常、コードネームでは呼ばれず、あくまで『司令』と呼ばれる。


『軍師』工藤修一    工学部情報工学科4年    顧問会議議長            神奈川県横浜市出身
 部活動:国際交流サークル〈Zeit〉前会長
 研究会:有事法制研究会

 3年次のころは探索隊総隊長として、スパイ研の目論見をつぶす手助けをしていた。
 表に出ることが嫌いで、陰に回ってお膳立てを整えることに才能を発揮するタイプの人間。
 石川と同じく情報収集・分析のオーソリティーだが、石川とは違い、直感を重視するタイプ。
 なぜ司令選出選挙に出なかったかについては口を閉ざしているため、本人と榊原以外には誰も知らない。


『ガード』木村泰徳  経済学部経済学科2年    行動隊1番隊第二小隊長      埼玉県飯能市出身
 部活動:陸上部(長距離・駅伝)、大学公認サバイバルゲームチーム〈レッド・ロブスター〉
 研究会:なし

 フランス軍が過去に採用していた軍装「リザードパターン」をこよなく愛する。少人数での部隊指揮に関しては礼さえも脱帽するほどの素質を持つ。
 陸上部では2年ながらも長距離エースとして活躍する。
 〈オジロワシ〉内では礼よりも猿渡とつるんで行動することが多く、「一の舎弟」を自称している。
 同じ2年の加納、後藤とは高校時代からの友人同士。「2年生トリオ」の中心人物。


『行者』加納勇      法学部2年      行動隊4番隊第四小隊        長野県佐久市出身
 部活動:骨法同好会
 研究会:なし

 中学・高校と空手を習い、大学に入ってからは、空手部がないために骨法同好会に所属する。
 実家が仏教の寺ではないにもかかわらず、スキンヘッドにしており、なおかつサングラスをするという、あまりにも怪しい格好をしている。
 こんな怪しい外見であるにもかかわらず、「2年生トリオ」の中で、唯一彼女持ちでもある。
 〈オジロワシ〉内でも、無手格闘に関しては彼の右に出るものはいない。得意技は浴びせ蹴り。


『レポーター』後藤誠    文学部文学科2年    探索隊文学部班          東京都豊島区出身
 部活動:報道部(新聞課)
 研究会:なし

 木村、加納と「2年生トリオ」を形成。
 〈オジロワシ〉への加入は遅く、1年の11月に入隊。登場時は基礎教育課程を修了したばかりである。
 〈オジロワシ〉のことを探っている最中に由香に捕まり、半ば強制的に入隊。
 入隊後も不穏な行動をとり続けたため、お目付役として由香がつけられる。もっとも、今では〈オジロワシ〉の特殊性をよく理解しており、秘密を漏らすということはしなくなった。
 そういった経緯もあって、由香との仲は最悪に近い。顔を合わせれば口げんかが絶えず、〈オジロワシ〉上層部の頭痛の種となっている。


『お嬢』酒井由香    文学部文学科2年    行動隊4番隊第三小隊長      東京都世田谷区出身
 部活動:剣道部
 研究会:装備研究開発会

 先祖は若狭小浜藩主、現在は酒井コンツェルン総帥の家系に生まれた、自他共に認めるお嬢様。
 幼稚舎から大学まで一貫教育を受けられる女子校に通っていたものの、どういう気まぐれか湘洋学園大学に入学。
 幼い頃から剣道を習い、その腕前はなかなかのものである(現在3段)。
 一時期後藤のお目付役を務める。そのときの後藤の行為を許せず、今に至るまで後藤との仲は壊滅的に悪く、顔を合わせれば口げんかが絶えない。
 礼のことを実の姉同様に慕っており、大学の外でも中でも一緒にいることが多い。