オジロワシ血風録

第五章  学友会執行部隊



5.勧誘



 石川と別れた後、礼は駐輪場に向かった。すでに夜は更けている。夕食を何にしようか考えながら歩いていると、
「神崎さんですね。〈レッド・ロブスター〉の」
 と声をかけられた。振り向くと、一人の女性が立っていた。
「そうだけど、何か?」
 礼は返事をしながら彼女の全身にざっと視線を走らせる。武器を隠し持ってはいないようだ。
「折り入ってお話があります」
 とその女性は礼に近づいた。言葉遣いからすると、礼より年下らしい。
「急ぎの用じゃないなら、明日にしてほしいんだけど。もうこんな時間だし」
 礼の言葉は婉曲な拒絶だったが、女性はそれに気づかない様子で、
「急ぎの用なんです」
 と言った。礼は溜息を吐いた。空気の読めない子だと言いたげだったが、そのそぶりにも女性は気づかないようだった。
「あなた、夕食は済ませた?」
 礼は女性にたずねた。
「はい?」
「だから、夕食よ、夕食。ディナーでもサパーでもいいけど。済ませたの?」
「まだですけど……」
「じゃあ、食べながら話を聞くわ。私、まだなのよ」
 面食らった様子の女性に、礼は素っ気なく応じた。
「私はバイクだけど、あなたは?」
「私もバイクです。原付ですけど」
「そう。じゃあ、ついてきて。遅れても構ってあげられないから、ちゃんとついてくるのよ」
 そう言うと、礼は駐輪場へ向かった。
「ありがとうございます」
 そう言いつつも、女性の言葉にはあまり感謝の念が感じられない。あたかも、受け入れられるのが当然だと思っているようだ。
「一応聞いておくけど、何を食べたい?」
「特にこれといっては」
「じゃあ、私の好みにつきあってもらうわよ」
 礼も事務的な口調になっていた。さも当然のように礼の時間を奪う行為に、友好的な感情を抱けるはずがなかった。
「あ、そうそう」
 一度歩きかけた礼は、足を止めて振り返った。
「あなたは私のことを知ってるみたいだけど、私はあなたを知らないの。自己紹介くらい、してくれてもいいんじゃないの?」
 礼の言葉に、女性は虚を突かれたようだ。目が少し大きく見開かれた。
(なんで驚くかな?)
 礼の方が、女性の態度に驚いた。
「すいません。自己紹介を忘れてました」
 女性はそう言うと、
「法学部二年、江藤美保です」
 と名乗った。
「江藤、さんね。わかったわ」
 それっきり、礼は美保の方を振り向くことはなかった。

(とりあえず、第一段階はクリア、と)
 美保は礼の後について歩きながら、軽く溜息を吐いた。
 どうしても神崎礼という人物と話をしたい、そしてある提案をするつもりだった。
(それにしても、どうして神崎さんは素っ気ないのかしら。何か心配事でもあるのかな)
 美保は軽く首をかしげた。自分の行為が礼の感情を冷えさせていることに気づいていない美保は、かすかに首をかしげた。
(って、なんでこんなに歩くのが速いの?)
 美保は、黙って歩いている礼を追うのに苦労していた。
 礼の歩くスピードは、女性にしてはかなり速い。背筋を伸ばしてやや前傾姿勢になり、胸を張って早足で歩く礼を見た猿渡が、まるで競歩の選手みたいだと評したことがある。もちろん普段は他の人にあわせたペースで歩くのだが、今は美保にあわせる気は全くないようだった。
(これくらいのバイタリティがないと、やっぱりつとまらないのかしら)
 一度も後ろを振り返らず、まっすぐに駐輪場へ向かう礼を見ながら、美保は考えていた。

 三〇分後、二人は湘洋市駅近くの中華料理店にいた。バイクを運転している最中に猛烈に麻婆豆腐を食べたくなった礼が、美保を連れてきたのだ。
 席について注文を終えると、
「さっき言ってたことって、ここで話してもいい内容?」
 と礼がたずねた。店内にいるのは彼女たちだけではない。数名の客が思い思いの席について、食事をしたり会話をしている。
「ええ、問題ないです」
 美保の表情には、自信があふれている。これから話す内容を礼が受け入れることをみじんも疑っていないようだ。
「そう。じゃあ、早速だけど、聞かせて」
 礼は美保に頷いた。
「神崎さんは、今の大学をどう思います?」
 美保の言葉に、礼はかすかに眉をひそめた。話の内容をいろいろと想像してはいたが、美保の言葉はその予想からは大きく外れていた。
「どう思うって言われてもねぇ……」
 礼は当たり障りのない言葉を返した。礼自身は、現在の境遇に不満はない。〈レッド・ロブスター〉団長としても充実した日々を送っているし、本分である学業も順調だ。行動隊総隊長としてはこれ以上ないほど忙しく過ごせているし、何より石川との交際には波風は一切立っていない。
「私は心配なんです。おかしな方に向かってるんじゃないかって」
 美保は話を続けた。
「骨法同好会とFSは顔を合わせたらすぐに衝突が始まりますし、ラグビー部とアメフト部といったところは、もはや試合に勝つことよりも相手を叩き潰すことに血道を上げているとしか思えません」
 礼は軽くあごを引いた。同意したという頷きにしては小さい。話を促す合図のためだ。
「そこで、学友会では不穏な部やサークルを取り締まるために、学友会直属の武装集団を作ることにしました」
 礼の眉がつり上がった。しかし、それは一瞬のことで、礼はすぐに表情を戻した。そんな話は聞いていない。探索隊総隊長の石川からも、何よりも学友会の会計課課長である首藤からも、そういう報告は一切受けていない。
(嘘ね。この子は自分にとって都合のいいように組み立てられたストーリーを話しているだけ。そう思って話を聞いた方が良さそうね)
 礼はわずかに上体を倒して、机に肘をついた。傍目には真剣に話を聞いているように見えるポーズをとる。
「人間はおいおい集めるとして、問題は指揮官です。どれだけ人を集めても、指揮官が悪ければ、それで台無しになります」
 礼は、今度ははっきりと頷いた。礼の直属の上官は行動隊配属以降はずっと榊原だったため、上官に振り回されたという経験は少ないのだが、1番隊第一小隊長に就任してまもなく出動した際に、当時の作戦指揮官――行動隊の副隊長だった――の支離滅裂な指示に振り回されたことがある。最終的にスパイ研会員の掃討には成功したが、心身ともにかなり疲れたのをよく覚えている。
(まさかとは思うけど、この子……)
 礼は内心で警戒を強めていた。なるべく表情には出さないようにしているが、どうしても顔がこわばっていく。
「そこでお願いなのですが」
 美保は礼の目を見据えた。
「神崎さんにこの武装集団の指揮官になっていただきたいのです」
「断るわ」
 美保の言葉が終わるか終わらないかといううちに、礼ははっきりと拒絶の言葉を発した。
 話の流れから、そういう申し出があるということは容易に想像できた。そして、それに対する返答は、拒絶以外に考えられなかった。美保に事実を示すことはできないが、ただでさえ多忙なのだ。これ以上負担を増やしたくはない。
 美保は礼の言葉を聞いても、しばらくの間何の反応も示さなかった。二〇秒くらいしてから、目を大きく見開いた。どうやら礼の言葉を信じられないらしい。
(期待するのは勝手だけど、こっちにはこっちの都合があるのよ。私はアキみたいに、過労で入院したくないし)
「…………なんでですか?」
 美保はようやく言葉を絞り出した。
「こう見えても、私は忙しいの。そんなことにつきあえるほど暇はないの。そろそろ卒論のテーマも決めたいし、下調べもしないといけないし」
 本当の理由は口に出さなかったが、断る口実としてはそれほど悪いものではないだろう。礼はそう思っていた。
 美保が口を開こうとしたとき、ウェイターが注文の品を持ってきた。礼は麻婆豆腐定食、美保は青椒肉絲定食だ。美保のライスは、礼のよりもかなり少ない。
「先に食べちゃいましょ。冷めたらおいしくないから」
 礼はそう言うと、美保の返事を聞かずに箸をとった。美保が仏頂面でそれに倣う。
 二〇分ほどで、二人とも食べ終わった。礼は満足したようにウーロン茶を飲み、美保もそれなりに満腹感を味わったという表情になっている。
「で、さっき、どこまで話したっけ?」
 礼はウーロン茶を飲み干すと、美保にたずねた。
「……神崎さんに指揮官になってほしいと頼んで、断られたところです」
「そうそう、そうだった」
 礼は決して美保を愚弄しているわけではない。食事に夢中になって、先ほどまでの内容を完全に忘れてしまっただけだ。
「さっきも言ったと思うけど、私は忙しいの。正義の味方気取りであちこちに首を突っ込むほど暇じゃないのよ、私は」
 礼の言葉を行動隊の隊員が聞いたら、耳を疑うか、よく言うよと吹き出すだろう。
「今年の春過ぎに、ラグビー部とアメフト部の諍いに介入していたじゃないですか」
「あれは、学友会からの正式な要請に従っただけよ。何にでも首を突っ込むわけじゃないわ」
 非難めいた美保の言葉を、礼は受け流す。もっとも、事実とは異なる。礼はあのとき、司令から命令を受けた行動隊総隊長として介入したのだ。実際には礼が榊原に意見具申をして出動が決まったのだが、きちんと榊原の命令を受けた上で行動している。司令と学友会総務課長が、そして〈レッド・ロブスター〉団長と行動隊総隊長がともに同一人物であったという特殊な事情はあったが、礼はそれを逆手にとって、意図的に出動隊員を〈レッド・ロブスター〉団員のみとして、〈オジロワシ〉の名前を出すことなく体裁を取り繕ったのだ。
「今度も学友会からの要請です。協力をお願いします」
 顔を真っ赤にして詰め寄る美保に、礼は右の掌を上にして差し出した。
「そこまで言うなら、委任状を出して」
「……え?」
「委任状よ、あなたが本当に学友会からの使者であることを示す証拠を見せて」
 予想外の言葉に、美保はせわしなく瞬いた。
「そ、そんなもの、必要なんですか? 私がこうして話しているだけでも……」
「あの時、総務課長は会長の印鑑のある委任状を提示した上で話をしたわよ。今は持ってないけど、うちの待機部屋には飾ってあるから、時間のあるときに見に来なさい」
 礼の言葉は、半分は本当で、半分は嘘である。委任状が飾ってあるのは本当だが、実際には榊原の委任状は届いたのは作戦終了後だった。そのことは美保には伏せた。
「それと、さっきあなたは自分が話をするから書類は必要ないと言っていたけど、そもそも、あなたは学友会でどういう地位なの?」
 礼は少し目を細めた。
「総務課長にしても学友会会長にしても、相応の肩書きを持った人だった。それに引き替え、あなたは学友会でどういう地位にいるの? 委任状を必要としないと言い切るからには、それ相応の地位にあると考えていいの? 総務課長ですら委任状を持ってきたというのに、それを必要としないなんて、あなたはどれだけ偉いの?」
 礼の思いがけない言葉に、美保は言葉に詰まっていた。
(誰よ、神崎さんを脳筋呼ばわりしたバカは!)
 美保は内心で悲鳴を上げていた。神崎礼は脳筋――脳味噌が筋肉でできているような単純な人間だという噂が、一時期流れたことがある。その噂を信じてしまった美保は、簡単に礼を説得できると考えたのだ。
 礼を軽く見たそのツケを、今美保は払わされている。礼は単純な人間などではない。弁論部でも屈指の論客と言われた美保をここまで追い詰めたのは、榊原以外では礼だけだ。
「……今日は帰ります」
 美保は力なく席を立った。これ以上話を続けても無駄だ。いや、かえって傷を深くするだけだ。一度退いて、作戦を根本から練り直す必要がある。美保は痛切にそのことを感じていた。
「そう。気をつけてね」
 礼は伝票を引き寄せながら、素っ気ない口調で言った。礼の方が年上で、自分がこの店に連れてきたのだから、今回は奢る、ということだろう。
 肩を落として店を出て行く美保の後ろ姿を見ながら、礼は携帯電話を取りだしていた。
(算盤には話をしておかないとね。教授には、まぁいいか。どうせ明日には知られてるだろうし)
 礼はメールで首藤に美保と会ったことを知らせた。詳細についてはまた後で送ると付け加えるのを忘れない。
 メールの送信を終えると、礼は卓上のボタンを押した。軽やかな電子音が響き、店員の元気な声がそれに続いた。
「ご注文ですか?」
「いえ、シュウマイを持ち帰りで」
「シュウマイですね。六個と一〇個とございますが」
「うーん、六個で」
「かしこまりました。ご注文を確認します。シュウマイ六個を、お持ち帰りですね。少しお時間をいただきますが、よろしいでしょうか」
「ええ。お願いします」
 家に帰ってから食べるつもりで頼んだのだが、時間をつぶすのが主な目的だった。美保が出てすぐにこちらも出ると、少し面倒なことになりそうだった。

 翌日、礼は大学に着くと、すぐに秘密部屋に足を運んだ。首藤と会うためだ。美保と別れてからメールで一報を送ったのだが、首藤から詳細は明日大学で聞くと返事があったのだ。礼は朝一番に秘密部屋で会いたいと返信し、首藤も了解した。
 礼が着いたときには、まだ首藤は来ていなかった。少し早すぎたかと礼はバッグから厚い文庫本を取り出し、ページをめくった。
 そのまま五分ほど待っていると、首藤がやってきた。
「おはよう姐御、遅れてすまん」
「おはよう。気にしないで。こっちも早すぎたかなって」
 文庫本を閉じながら、礼は立ち上がった。
「あ、そうだ。何読んでたんだ?」
 首藤がたずねると、礼は文庫本を取り出し、ブックカバーを外した。表紙に「補給戦」と書いてある。近世から近代にかけての軍隊の補給に関し、数字を挙げて考察した本である。
「……なんつーか今更だけど、女子の読む本じゃねぇぞ、これ」
「ん? これ読んだことあるの?」
 礼は首藤に尋ねた。彼女の知る限り、首藤は軍事関連にはあまり興味が無いはずだ。
「先代に勧められた。っていうか、無理矢理読まされた」
 首藤は顔をしかめた。
「内容はろくに覚えちゃいないが、軍隊ってのは、金と飯を大食らいする組織だってのだけは、とてもよくわかった」
「間違いじゃないわね。軍隊っていっても、しょせんは人間の集団だし。人間って、食べ物がなかったら生きていけないし、お金がなかったら何もできないもの」
 礼は口元をゆがめた。
「たぶん、さっき算盤が言ったことを理解させたくて、先代はあえて読ませたのかもしれない。私達は軍隊じゃないけど、みたいなものだからね。そういった組織を円滑に回すにはちゃんとモノとカネを回さないといけないから」
「そうかねぇ」
 首藤は納得いかないというように首をかしげた。
「まぁ、それはいいや。昨日のことを話してくれないか」
 首藤の言葉に礼は頷き、美保との会話を要約した。
「榊原さんにあれだけやられたのに、まったく懲りてねぇんだな」
 一通り話を聞いた首藤は舌打ちした。
「そんなにひどかったの?」
「あの、榊原さんをキレさせたんだぜ? 完全に逃げ場をふさがれて虐殺だよ。さすがに、あいつに同情したよ」
「ふーん。まぁ、自業自得かもね」
 礼の言葉は冷たい。空気の読めない発言で拘束されたのだ。好意的になれないのだろう。
「とはいえ、最後の一言が気になるな」
 首藤は険しい表情になった。
「あいつ、また絶対に来るぞ。今度はそれなりに準備してくるだろうから、突っぱね続けるのも難しいんじゃないか?」
「昨日はうまくはぐらかせたけど、いつもいつもうまくいくとも思えないしね」
 礼は溜息を吐いた。
「今の俺たちがこういうことを言うのはどうかと思うが」
 首藤は少しためらった後で、
「……榊原さんと、連携をとっておいた方がいいかな」
「そうね……」
 礼は腕組みをして少しうつむいた。江藤美保の暴走を表立って抑えられる権限を持っている榊原と協力して対抗した方がいいのは、明らかだ。
 しかし、この話には重大な障害がある。
「私たちが提携を望んだとしても、榊原さんが受け入れてくれるかしら?」
 実態はどうあれ、榊原を追放した自分たちと提携することを、はたして榊原がよしとするだろうか。礼の心配はそこだった。別班による榊原の監視は、すでに解かれている。しかし榊原は、〈オジロワシ〉隊員との接触を極端に避けている。学友会でどうしても顔を合わせなければならない首藤とも、最小限の接触しかしていないのだ。
「俺との会話も避けてるからな。疑念を起こさせないように気を遣ってるんだろうけど、さすがにやり過ぎな気もする。何かあったんじゃないかって勘ぐる人間が出てもおかしくない」
「そこまで徹底してるの?」
「ああ。正直なところ、あれ以来で榊原さんとまともに話したのは、前回の会合が初めてなんだ」
 首藤が顔をしかめた。「あれ」というのが榊原の更迭を指すのは明白だ。おそらく榊原は誤解を招かないよう、意図的に〈オジロワシ〉隊員との接触を避けているのだろう。
「ただ、ちょっとやり過ぎな気もする。俺たちのことを知らない奴から見たら、榊原さんが学友会の中で孤立してるんじゃないかと思うだろうな」
「それはそれで問題ね」
 礼は腕を組んだ。妙な誤解を生む言動をされては、榊原にとっても、〈オジロワシ〉にとっても、よくない結果になりかねない。
「とはいえ、私達が榊原さんに話をしようにも、避けられてるんじゃどうしようもないし……」
 考え込む礼に、
「そうだ。会長の福原さんから、それとなく話してもらうかな」
 首藤が指を鳴らした。学友会会長の福原栄三郎は、榊原とも親しい。〈オジロワシ〉隊員ではないから榊原に避けられることはないだろうし、〈オジロワシ〉のことも知っているので余計な気を遣わなくてもいい。
「その手があったか」
 礼は何度も頷いた。
「ただ、私は福原さんとコネがないからなぁ」
「俺から話を通しておく。一席設けるから、教授も入れて話をしていけば、少しは話もまとまりやすくなるだろ」
「じゃあ、そっちはお願い。教授と旦那には、私から話を通しておくから」
 礼はそう言うと、先ほどまで読んでいた文庫本をバッグにしまった。


管理人のコメント

 榊原に徹底的に否定された学内執行部隊構想ですが、提唱者たちは諦めず暗躍しているようで、礼の所にもその使者がやってきます。


>空気の読めない子だと言いたげだったが、そのそぶりにも女性は気づかないようだった。

 この後、美保は自己紹介も忘れていましたが、自分の正義を確信している人って、得てしてこういう無自覚な傲慢に陥りやすいんですよね。


>「そこで、学友会では不穏な部やサークルを取り締まるために、学友会直属の武装集団を作ることにしました」

「オジロワシ」みたいな組織が既にある世界観なのでアレですが、普通こういう発想には行きませんわな(笑)。
 何となく「コータローまかりとおる!」の風紀委員会と蛇骨会を連想します。


>「人間はおいおい集めるとして、問題は指揮官です。どれだけ人を集めても、指揮官が悪ければ、それで台無しになります」

 礼に目を付けた事と言い、美保は頭は悪くないのでしょうが、「頭のいいバカ」と言う形容詞がぴったり来そうな気がします。


>「さっきも言ったと思うけど、私は忙しいの。正義の味方気取りであちこちに首を突っ込むほど暇じゃないのよ、私は」

 自分が「正義の味方気取り」で無いと言う自覚は重要ですが、執行部隊推進派はその辺が欠けていそうです。


>江藤美保の暴走を表立って抑えられる権限を持っている榊原と協力して対抗した方がいいのは、明らかだ。

 組織論としては間違いではないのですが、こうやって抑え付けられた相手は得てして暴走しがちで、オジロワシと榊原の連携がいまいちな今、その辺がちょっと心配ですね。