オジロワシ血風録

第五章  学友会執行部隊



1.介入



 〈オジロワシ〉行動隊4番隊第四小隊長・加納勇は、小隊を率いて経済学部棟に向かった。探索隊員・後藤誠から上層部に、とあるスパイ研の会員がスパイ研内部の権力抗争に巻き込まれ、集団リンチを受けているようだ、という情報がもたらされ、四隊長会議議長・石川信光が介入を決意したからだ。リンチを受けている学生は〈オジロワシ〉のスリーパーらしいという情報もあったが、石川はその真偽については誰にも――行動隊総隊長の神崎礼にさえも――話さなかったから、本当かどうかはわからない。
「しかしまぁ、この俺がよりによってS研の奴を助けに行くとはね」
 加納は、世も末だと言わんばかりの顔で呟いた。
 彼はスパイ研に対して深い恨みを抱いている。原因は、骨法同好会元会長の原田良太にある。骨法同好会は、スパイ研外事局長・山本光輝の策謀により、スパイ研の衛星サークルと化し、〈ファイティング・スピリット湘洋〉と全面戦争に入った。
 山本にとっては骨法同好会というサークルなどは、この大学に数多あるサークルの一つに過ぎなかっただろうが、加納にとってはかけがえのない場所だった。会長とは反りが合わなかったものの、それ以外の会員とはおおむね良好な関係を気づいていたし、なにより黒田美樹がいたから。
 その骨法同好会に、「敵の味方は敵」という理屈を持ち出して、〈オジロワシ〉は鉄槌を振り下ろした。加納はそれまで稽古をともにしてきた人間に対して、泣く泣く弾圧を加えざるをえなかったのだ。
「S研なんか、この世から消え失せればいい。いや、いっそこの俺が潰してやりたい」
 原田が〈オジロワシ〉の手によって粛清され、同好会が事実上の壊滅状態に陥ってからしばらく経ったのち、加納は親しい隊員にこう漏らしている。
 その彼が、今度はスパイ研のエージェントを救いに行くのだから、加納の心中は複雑だった。

 経済学部棟は四階建てで、その四階と、三階の一部が教授の研究室となっている。
 文学部の学生である加納にとって、経済学部棟は馴染みのないところだった。まして、夜間である。講堂の名前を聞いても、それがどこにあるかすぐにはわからない。加納は、親友の一人で経済学部生の木村泰徳から渡された地図と、同じく経済学部生の隊員の案内で、目的地へと向かっていた。いつもの作戦行動だったらソールの厚いブーツを履いている加納だったが、隠密裡に行動しなければならない今回の作戦では足音を立てないようにということで地下足袋を履いている。
 目的地は経済学部棟三階の301E講堂である。木村によると、そこは八畳くらいの講堂で、あまり使う機会はないということであった。渡された地図を見ても、奥まったところにあり、滅多に人が寄りつかないだろうことが想像できた。
 加納と彼の小隊は、何とか講堂の前まで来た。加納は静かにしろと手で合図をして、ドアに耳を当てて中の様子を探った。うめき声くらいは聞こえるかと思ったが、何も聞こえない。加納は小さく溜息をつくと、後ろを振り返って刀を抜く真似をした。突入するという合図だった。
 各自は、思い思いに突入準備をした。白兵戦部隊の基本装備である強化木刀〈武蔵〉を構える者、服の襟元を直す者、レガースの位置を合わせる者。加納は、自分の準備をしながら、部下の様子をじっと見ていた。
「第一分隊、準備よし」
「第二分隊、行けます」
「第三分隊、いつでもどうぞ」
 三者三様の報告を聞き、加納は一つ鋭く息を吐いた。ドアノブに手をかける。それを見て、隊員は突入位置についた。第一分隊長の『スノーマン』吉住春人が、力強く頷く。加納はそれに頷き返し、勢いよくドアを引き開けた。それと同時に第一、第二分隊の隊員が一斉に室内へ突入する。第三分隊は援護のため、ドアの前で待機していた。
「クリア!」
「クリア!」
 突入した隊員からの報告が聞こえる。内部での抵抗がない、もしくは抵抗を無力化したという報告である。打撃音が聞こえないことから、中には刃向かう人間は誰もいないと推測できる。
 安全が確保されたのを確認すると、加納は室内に入った。第三分隊には、そのまま出入り口付近の警戒にあたらせる。
「行者、いたぞ。……こりゃ、ひでぇ」
 吉住の声が聞こえた。
 吉住の指す方へ目を向けた加納が目にしたのは、第一分隊員が持っているライトに照らされた、椅子に縛り付けられた男の無残な姿だった。剥き出しになった腕や脚、胸元にはいくつも痣や火傷の跡があり、裂傷もあった。元は淡い色のポロシャツだっただろう上着はぼろ屑同然に無残に破られ、ジーンズもひざから下は破られ、あるいは切られていた。その服にも点々と血痕が残っている。靴は履いておらず、両手両足の指からは爪が無くなっており、一目見ただけで虐待の様子がうかがわれる。微かに肩が上下して、自発呼吸をしているのがわかるのが、せめてもの救いだった。
 顔もひどいものだった。細面と聞かされていた顔は腫れあがり、右の目蓋は特に腫れ上がって開かなくなっていた。額や頬には殴打の痕跡や裂傷、やけどの痕があり、目尻からは半ば凝結した血が流れている。床にはいくつか白いものが転がっている。折れた歯だと加納が気づいたのは、だいぶ落ち着いてからのことだった。
 床にこそ血痕は残っていないが、この虐待がこの場所で行われたことは、壁に飛び散っているかすかな血痕でうかがい知れる。
「う……」
 滅多なことでは動揺しないようになるほど数々の修羅場をくぐってきている加納だったが、さすがにこの様子を見て絶句した。部下隊員の中にも顔を顰める者や目を背ける者が相次いだ。いくらスパイ研会員を憎んでいるとはいえ、この虐待を受けているのは自分と同じ大学生である。同情の気持ちが湧いてきても不思議ではない。
「おい、大丈夫か?」
 加納は学生に声をかけた。しかし、その学生はその声が聞こえていないのか、かすかな声でうめくだけだった。
「手錠をはずせ。それから、救急車を呼ぶんだ。早く病院に連れて行かないと」
 加納は部下隊員に指示を下した。一人の隊員が持っていたペンチで鎖を切断した。そして別の隊員が二人、学生の両肩を担いで講堂を出ようとした。
 だが。
「小隊長、こちらグリュン、誰か来る!」
 警戒にあたっていた第三分隊の隊員が、トランシーバで報告してきた。報告に了解と返答すると、加納は耳を澄ました。確かに、微かに足音が聞こえる。足音からこちらに来るのは二人、もしくは三人と判断できる。
「全員、中に入ってドアを閉めろ。静かにな」
 加納の命令で第三分隊員が室内に入り、ドアがゆっくりと閉じられる。
 相手は上を見ても三人。その気になれば短時間で無力化できる。加納はそう判断して、ちらりと先任分隊長の吉住を見た。
「潰そう」
「よし」
 吉住の言葉に、加納はあっさりと頷いた。加納自身も、先ほどの惨状を見て平静でいられない。虐待を受けた学生もスパイ研の一員とはいえ、同じ大学に通う学生だ。もしかしたら、構内のどこかですれ違っているかもしれない。
「全員、傾聴。奴等が全員中に入ってから仕掛ける。俺が注意を引きつけるから、第一分隊が拘束して戦闘不能に追い込め。残りは出口を固めろ」
 加納は部下隊員に命令した。
「スノーマン、先頭の奴は任せる。タックルしかけてやれ」
「了解」
 吉住は短く応じた。
 吉住は中学からアマチュアレスリングをやっている隊員で、〈ファイティングスピリット湘洋〉に所属している。〈FS〉と骨法同好会は血みどろの抗争を繰り返していたが、加納と吉住の間にはわだかまりはなかった。むしろ、何度も修羅場をくぐり抜けてきた頼もしい戦友と互いを見なしている。
「俺が合図するまで、隅に隠れていてくれ」
「わかった」
 加納の言葉に吉住はうなずき、ドアにほど近い場所にうずくまった。第一分隊の隊員もそれぞれ身を隠す。それを見届けると、加納は講堂の中央に移動した。ちょうど背後から月明かりが入って、ドアの方から室内を見た際にはシルエットのようになっているはずだった。
(ああは言ったけど、大丈夫か?)
 おそらくはスパイ研会員であろう者達が室内に入ってくるのを待つ間に、加納は考えた。吉住のことだからそう簡単に見つかるようなヘマはしないと思うが、それでも何が起こるかわからないのが戦場というものだ。加納が講堂の目立つところに立ったのは、囮になって相手から周りを見る余裕を奪うためだが、その囮に食いついてくれるかどうかは実際にドアを開けてくれないとわからない。加納は不安を抱えながらも、囮の役目を十分に果たせるように、講堂の中央に仁王立ちしていた。
 気づけばドアのすぐ外に人の気配を感じた。加納はサングラスをかけた。視界は確実に悪くなるが、素人の打撃など余裕を持ってかわせる。それよりも、相手に与える威圧感を優先させたのだ。もっとも、逆光の中でどこまで意味があるのかは不明だが。
 ドアが開いた。談笑しながら入ってきたのは三人。彼らは加納に気づいて驚いたようだ。
「よう、人間の屑ども」
 加納は入ってきた学生に声をかけた。
「何だ、貴様?」
「貴様らの天敵だ。おとなしくしろ」
 加納の言葉に、三人の表情が目まぐるしく変わる。まず驚愕し、次に恐れ、そして怒りに顔をゆがめる。「天敵」という言葉だけで、相手が何者なのかを悟ったらしい。
「死ね!」
 特殊警棒を抜きつれて襲いかかるスパイ研会員だったが、加納はそれを難なくかわした。三人が連係を取ってくれば加納も苦労しただろうが、ばらばらに殴りかかってくるのであれば三人程度の攻撃など簡単に回避できる。
「かかれ!」
 と命じた。彼の号令により、〈オジロワシ〉隊員が一斉に三人に襲いかかる。
 吉住は加納に命じられたとおり、先頭の男に向かってタックルを仕掛ける。中学高校とアマチュアレスリングで鍛えたタックルが炸裂し、激しい物音とともに二人は床に倒れ込む。残る二人にも第一分隊の隊員が襲いかかり、次々に攻撃を仕掛ける。
「二分隊は外へ出て、周辺警戒にあたれ! 何かあったら最優先で俺に知らせろ! 三分隊は二分隊が室外に出たあと、ドアを固めろ! 逃がすなよ!」
 加納は矢継ぎ早に命令を下す。彼の命令に従って、第二分隊は講堂の外へ出て、廊下のあちこちに散らばる。第三分隊の隊員はこの講堂の唯一の出入り口であるドアの周辺に固まり、誰も逃がさないようにする。
「関節技、入るぞ!」
「三分隊、必要最小限を残して、スノーマンをバックアップ!」
 吉住の言葉を聞いて、加納は第三分隊の隊員に吉住の援護を命じた。関節技をかけている最中は無防備になるため、吉住を守るために援護してやる必要がある。
 第三分隊員が吉住の周囲を固めているうちに、吉住は腕ひしぎ十字固めを相手の右腕にかけていた。完全に決まっている。
「そらそら! 折るぞ、折るぞ!」
「わぁぁっ! やめろ、やめてくれ! ギブ、ギブ!!」
「はぁ? なんか言ったか? 全く聞こえんなぁ!」
 相手は悲鳴を上げながらギブアップを宣言し、あいている左手で吉住の膝を叩いて降参の意を示すが、吉住は取り合わない。
「お前らがさんざん痛めつけたあの学生は、やめてくれって言わなかったのか? 言ったんだろ? それなのに、お前らは暴行をやめなかったじゃねぇか。因果応報。このまま折ってやる!」
「待て、スノーマン! 折るのはまずい!」
 加納が制止するが、それすらも吉住は無視した。なおもぐいぐいと締め上げる。
「やめろ! やめてくれ……」
 悲鳴をあげていた男が一瞬沈黙し、これまでよりも大きな悲鳴をあげる。右肘が破壊されたのだ。ようやく解放された男だったが、立ち上がることはできなかった。右肘を押さえ、苦痛をこらえるように大きく喘ぐ。その顔面に、第三分隊のある隊員が蹴りを入れた。それを皮切りにして隊員達が周りを取り囲んで蹴る、踏むといった暴行を加える。誰もが、先ほど見た惨状によって、怒りを抑えきれなくなっていた。
 その光景を見て、第一分隊員に制圧されていた残りの二人は戦意を喪失したようだ。抵抗をやめている。
「……それまでだ! もういい! もうやめろ! 二分隊、戻ってこい!」
 加納は慌てて戦闘終了の号令をかけた。全員が無力化されたのだから拘束して連行しなければならないのだが、放っておいたらこのまま相手は殺されかねない。加納は部下が勇猛果敢であることは望んでいたが、理性を無くした殺人犯にしたくはなかった。
「第二分隊は三人を厳重に拘束、待機場所に連行しろ。第三分隊は被虐待者を正門まで搬送。第一分隊はここの掃除だ。スノーマン、ちょっと来い」
 加納は顔をしかめながら命じた。そして、吉住を呼ぶ。加納は吉住を連れて、講堂から出た。
「ホントに折りやがったな」
 加納の表情は、これ以上ないと言うくらい苦いものだった。
「当たり前だ。あいつらがやったことだぞ。それ相応のことは仕返してやらないと、あの学生が報われんだろうが」
「当たり前じゃねぇよ。お前な、俺達があいつらと同じことやってどうするんだよ?
 それに、俺は待てって言ったよな。折るのはまずい、とも言ったぞ。なのに折りやがって。命令違反っていうだけで、十分処罰の対象になるぞ」
 加納は頭皮を苛立たしげに掻きながら詰問する。
「確かにあの有様を見て腹が立ったのはわかる。わかるけど、あいつの腕を折ったのはやり過ぎだ」
 加納に諭されて、吉住は短くうめいた。
「……やり過ぎ、だったか?」」
「誰がどう見ても、間違いなくやり過ぎだよ」
 加納は苦虫をかみつぶしたような表情で吐き捨てる。
「俺たちが奴らと同じレベルに堕ちてどうする? 奴らが外道な事をしたからって、俺たちが同じ事やっていい、って事にはならないんだぜ? それくらいのことがわからないほど、お前は馬鹿じゃないはずだろ?」
 加納はいったん口を閉じた。吉住は、冷静さを取り戻せば自分のしでかしたことについて反省できる男だ。これ以上相手を追い詰めるのは、かえってマイナスになると思ったのだ。
「この件に関しては、お前にはあまり厳しい処分がくだらないように取りなしておく」
「すまん……」
 申し訳なさそうな吉住に、
「気にするな。これも給料のうちさ」
 と加納はしかめっ面で応じた。内心では、
(でもなぁ、これで一日あたり一五〇円しか差がないのもきついよな……)
 と愚痴をこぼしながら。

 秘密部屋に帰還した彼らには、賞賛と罰が待ちかまえていた。
 報告をすませた加納に、礼はねぎらいの言葉をかけ、首藤は特別手当の入った封筒を持ってやってきた。ここまでが賞賛となる。
 そのあと作戦の経過について報告すると、礼は顔をしかめ、首藤は表情を故意に消して、二人に渡した封筒を見つめていた。手当が多すぎたかと思っているのは、傍目にもはっきりとわかった。
 石川も加納からの報告を受けると、「やり過ぎだ、馬鹿」と吐き捨てた。
「確かにお前が言ったとおり、折ったのはやり過ぎだ。たとえどんな状況であっても、人として超えてはいけない最後の一線を踏み越えるようなことは許されない」
 石川の言葉に、加納は反論できなかった。加納が吉住を叱ったのもそれが理由なのだから、何も反論できるはずがない。
「出来ることならそいつを呼び出して、俺自ら説教してやりたいところだが、そうもいかんだろう」
 石川はさすがに統帥上の問題点を理解していた。いくら四隊長会議議長とはいえ、直接の指揮下にあるわけではない行動隊の分隊長を叱るわけにはいかない。上官達――小隊長、番隊隊長、そしてなにより行動隊総隊長をないがしろにすることにつながりかねない。
「ただし、このままうやむやにするわけにはいかない。処分は、姐御と協議したあとで下す。悪いが、お前にも監督責任を問うことにする。
 今日はもう帰っていいぞ。ゆっくり休んでおけ」
 石川の言葉に、加納は黙って一礼して退出した。
(ごめん。無理だったよ……)
 加納は内心で吉住に詫びた。とてもではないが、取りなしなど頼める雰囲気ではなかった。
 翌日、加納と吉住に対して、公式な処分が下された。
 加納は向こう半年分の小隊長手当を剥奪、さらに今後三ヶ月にわたって俸給を二分の一に減らされる。
 吉住は今後三ヶ月間、俸給を二分の一に減らされ、向こう一週間秘密部屋への出入り禁止。
 重いと言えば重いし、傷害罪で逮捕されるのに比べれば案外軽いと言われればそうともとれる処分だった。
 この処分を司令室で伝えられた加納と吉住は、その場ではおとなしくしていたが、解散後二人で街に繰り出してヤケ酒会を敢行した。もちろん、その前に小隊の全員に手当は渡している。

 なお、救出された男子学生――相馬盈という理学部の二年生だった――は〈オジロワシ〉が潜入させているスリーパーなどではなく、スパイ研内部での権力抗争に巻き込まれたスパイ研作戦局員であることが、あとになって石川から発表された。
 これを聞いた加納と吉住はまたヤケ酒会を敢行して大いに羽目を外し――そして、相馬の早期回復を心から祈った。



管理人のコメント

「オジロワシ」、新章開始です。今回はいきなりミッション中の一場面から物語は始まります。

>とあるスパイ研の会員がスパイ研内部の権力抗争に巻き込まれ、集団リンチを受けているようだ、という情報がもたらされ、四隊長会議議長・石川信光が介入を決意した

 作戦を指揮する加納は納得していないようですが、こうして敵を救出する事で得られる情報は多そうです。


>文学部の学生である加納にとって、経済学部棟は馴染みのないところだった。

 これを見ると人選的にどうなのかと言う気もしますが、まぁ必ず地の利が得られる場所で戦えるとは限りませんから、純粋に作戦能力で人選するのは妥当かもしれません。


>「行者、いたぞ。……こりゃ、ひでぇ」

 オジロワシも十分学生離れした集団なのですが、このあとの描写を見ると、スパイ研はそれに輪をかけた連中だと言うのが良くわかります。


>「……それまでだ! もういい! もうやめろ! 二分隊、戻ってこい!」

 十分統制された集団でも、人間的感情は決してなくならないもの。怒りとしては正当ではありますが……法執行機関としてはむやみな暴力は忌避されるべきですね。


>解散後二人で街に繰り出してヤケ酒会を敢行した。もちろん、その前に小隊の全員に手当は渡している。
>これを聞いた加納と吉住はまたヤケ酒会を敢行して大いに羽目を外し――そして、相馬の早期回復を心から祈った。

 がんばれ、加納と吉住。次は報われるときがあるさ。

 さて、今回はまだ本題となるラグビー部・アメフト部紛争と講和会議の件は出てきません。今回の一件が主題にどう絡んでくるのでしょうか?


戻る