オジロワシ血風録
第三章 更迭
6.喧嘩両成敗
榊原は後藤と由香を司令室に招き入れた。彼は席に着くと、不機嫌そうな表情を隠しもせずに二人の顔をじっと見つめた。
「……あの、司令。いったいどうして、俺はここに呼ばれたんです?」
しばらくの間、榊原が不機嫌そうに自分たちを見つめていることに不安を隠しきれなくなった後藤がたずねた。
「ん? わからんか?」
不安に駆られた後藤の言葉に、榊原はさらに表情を険しくする。
「お前らに、少し言いたいことがあってな」
そう言うと、榊原は立ち上がって後藤の前に立った。
そして、思いきり後藤の顔を殴りつけた。後藤はよけることもできずにその一撃を食らって床に倒れた。唇の端が切れていることにも気がつかず、突然のことに呆然となって榊原を見上げた。由香も驚いて榊原を見ていた。
「貴様ら、どうして喧嘩ばっかりしてやがんだ?」
榊原は冷たい声になっていた。
「喧嘩をするなら、二人で勝手にやれ。他の隊員のいないところで、殴り合いなり口喧嘩なり、勝手にやってろ。それに関しては俺は止めない。だがな、物事には例外ってものが常に存在するんだ」
そこまで言うと、今度は由香の胸倉を掴んで、背負い投げ気味に思い切り投げた。由香は受け身をとることもできずに、激しくリノリウム張りの床に叩き付けられた。
「人前で喧嘩してんじゃねぇよ。貴様らの勝手な行動で、他の隊員がどれだけ迷惑しているのか、貴様ら考えたことはあるのか? 貴様らの喧嘩が続くとなぁ、隊内の空気が乱れるんだ。そのくらいのことがわからんでどうする。貴様ら、それでも大学生か!」
榊原の声には有無を言わせぬ迫力があった。かつては行動隊員として、一年のころから数多くのスパイ研エージェントを『狩って』きた榊原である。その貫録は礼や石川、猿渡の比ではない。
榊原は怒りに燃えた目で、しばらく二人を見やっていた。深呼吸を繰り返して、激情を抑えつけようとしている。
「貴様ら二人に、秘密部屋への出入りと他の隊員との接触を禁ずる。少し隊外に出て、頭を冷やせ。復帰の時期については、追って指示を出す」
そう言うと、榊原は彼らに背を向けた。
「正式な布告は二、三日中に出すが、さっき言った二つの罰は明日から発効される。この期間中に、なぜ自分がこんな処分を受けたのか、それをよく考えろ。
話はそれだけだ。下がれ」
榊原の言葉が終わると、後藤はうなだれながら、由香は顔を青ざめさせながら司令室から退出した。
榊原はしばらく室内を歩き回っていたが、
「ちょっと薬が効きすぎたか?」
と呟いた。確かに、少し言葉がきつかったかもしれない。先程怒ってみせたのはあくまで演技だったのだが、本気と受け取られたのかもしれない。
「逆効果にならないといいが……」
溜息をつくと、榊原は司令命令の文面を考えるべく、再び机に向かった。
「そうか、それは災難だったな」
加納が後藤に酒を注いでやりながら、そう言って慰めた。
ここは湘洋市駅前の『飲み屋横町』にある焼鳥屋である。彼らはバスターミナルで合流すると、そのまま飲みに行ったのだ。払いは、加納が全部持つという。
「榊原さんがあんなに怖い人だとはね。今日はじめて知ったよ」
後藤はコップに注がれた冷酒を飲みながら呟き、榊原に殴られて腫れた頬をさする。どこで誰が聞いているのかわからないので、司令とも、『総理』というコードネームでも、榊原のことを呼ばなかった。
「まぁ、お前さんは喧嘩を買っただけで、売ったことは一度もないもんな。喧嘩両成敗とはいえ、本当に災難だったな」
「しょうがない。俺も大人げなかったしな」
後藤は首を振りながら、加納に答えた。
「それに、報道部のほうが忙しくなりそうでね。正直言って、今回の処分はありがたかったんだ。
もう酒井との喧嘩は無しだ。これからはおとなしくしてるよ。俺に考えもあるしね」
「そうか」
加納は、後藤が今回の処分に不満を持っていないらしいとことがわかり、胸をなで下ろした。彼が後藤を飲みに誘ったのは、後藤が今回の処分に含むところがあるのかどうかを探るように、礼にそれとなく言われたためだった。もし後藤が腹いせにと、報道部に〈オジロワシ〉のことをリークしようと考えているなら、力ずくでもそれを止めようと思っていた。
「問題は、酒井がどう思っているかだな。俺は今回の処分は仕方ないと思っているけど、向こうはどうかな?」
「神崎さんが言い聞かせるらしい。心配はいらないよ」
「だといいんだけど」
後藤はコップの酒をあおり、レバーを三本注文した。加納も砂肝三本を注文し、また声をひそめた。
「しかし、今回の一件には参ったな。俺の知らない間にそんなことが起こってたなんて」
加納は悔しそうに唇を噛んだ。まさか自分のいるサークルがスパイ研の工作の対象になるとは思ってもいなかったのだろう。
「向こうも必死なんだろう。もうすぐ試験期間だ。その前になんとかしておかないと、とでも思ったんじゃないかな」
運ばれてきたレバーの串焼きをかじりながら、後藤は小声で応じた。
七月になると期末試験期間に入る。そうなると一部を除き、課外活動はできなくなる。その前になんとかしてスパイ研の勢力を強めておき、夏期休業が終わった後に〈オジロワシ〉との対決を考えているのだろう。後藤はそう考えていた。
「九月末が一つの転機になるな。それまでにS研が骨法同好会を支配下に置いていれば、間違いなく俺たちと全面的に対決してくる」
後藤は加納に自分の考えを披露する。
「まさか……」
「あり得ない話じゃない。俺たちはあいつらの恨みを買っているんだぜ。あいつらは、俺たちに一泡吹かせようと狙っているだろう。そして、あわよくば俺たちを完全に叩き潰して、大学の支配を狙っているんだ」
「支配って、まさか、そんなこと……」
加納は後藤の話が飛躍しすぎているような気がした。考えすぎだと笑い飛ばそうとしたが、後藤の表情を見ているとできそうにない。
「支配っていっても、方法はいろいろある。学友会を裏から操ってしまえば、それで大学を牛耳れるし、サークルの完全支配をするだけで、学生の大半は知らないうちにS研の影響下に置かれる」
「……もういい。それ以上言わないでくれ」
加納は後藤が次々と口にする不吉な予言を止めさせた。これが実現されるとは思わないが、万が一そうなった場合を考えるとぞっとする。
「もっとも、俺たちはそうさせないために動いてるんだし、S研が本当にそう考えているのかは、俺にもわからないけど。俺の言ってるのも、単なる予想に過ぎないしな。
……正直な話、こんな予想なんて外れて欲しいよ」
後藤は再びコップの酒を開けた。加納は気を利かせて酒を注ぐ。
二人だけの飲み会は、まだまだ終わりそうになかった。
酒井由香は、ショックで呆然となりながら、秘密部屋の前の通路でうずくまっていた。
榊原が怒った様子をいうのを、彼女は始めて見た。『何を考えているのかわからない』と陰口を叩かれるほどおっとりした、悪く言えば昼行灯のような榊原しか見たことのない彼女にとって、今回の出来事はかなりのショックだった。
「その様子だと、かなり絞られたみたいね」
声がかけられたとき、まだ由香はうずくまっていた。泣いてはいなかったが、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「どう? 私の部屋に来る?」
声をかけたのは、礼だった。相変わらずの陸上自衛隊仕様の迷彩服を着て、腰に手を当てて立っていた。
「話があるの。どう?」
礼の問いに、由香は無言で頷いた。
礼のバイクに乗り、茅ヶ崎区のアパートに着くまでには、由香のショックは、なんとか口を利ける程度にまで収まっていた。鍵を開け、礼が由香を中に誘うと、由香はおとなしくついてきた。
礼の部屋は、六畳のリビング、二畳ほどのキッチン、ユニットバスで構成されている。よく整頓されており、家具も安いが丈夫なものが並んでいる。南向きの窓には暖色系のカーテンがかけられ、壁紙も淡いクリーム色で落ち着いた印象を与えており、女性の部屋らしさを演出しているが、女性らしいのはそれだけだ。
まず、鏡台がない。化粧品もぱっと見た限り見当たらない。普段から礼には化粧気がないが、それも納得できる。
さらに西向きの壁にはコレクションのエアガンがずらりとかけられており、迷彩服も三、四着、ハンガーにかけられている。
大きめの書棚には『孫子』や『六韜』『三略』をはじめ『戦争論』『戦争概論』といった戦争術に関する書籍や、『海上護衛戦』『ガリア戦記』『チェ・ゲバラ語録』といった古今東西の戦記・戦史に関する書籍、池波正太郎や司馬遼太郎、藤沢周平などの時代小説がずらりと並んでいる。
極めつけはポスターで、自衛隊入隊勧誘のポスターが張られている。おそらく、陸自幹部の父親から貰ったものだろう。
由香は、何度も入っている礼の部屋を、改めて珍しそうに見渡した。
(こういう部屋に住んでいるから、神崎さんはこういう人になるのかしら。それとも逆に、神崎さんの性格だからこそ、こういう部屋になるのかな?)
などとぼんやりと、由香は考えた。
「適当に座って。今、何か持ってくるから」
「あ、お構いなく」
由香は遠慮した。実の姉以上に慕っている礼に手間をかけさせたくはなかった。
「いいから。お客さんだもの。黙って座ってなさい」
礼の声は優しかったが、どこか迫力があった。威圧されたわけではないのだが、由香は黙って腰を下ろした。
しばらくして、礼が紅茶のポットとカップを二つ持って、居間にやってきた。慣れた手つきで紅茶をいれ、由香に勧めた。
由香は紅茶を一口すすって、
「おいしい……」
と、その味に感嘆した。今まで飲んだどんな紅茶よりも、おいしかった。ほんの少し口に含んだだけで、豊かな香りが広がってくる。容貌を除けば無骨ともいえる礼にこんな特技があったとは、今まで由香は知らなかった。
「今日は泊まっていってもいいわよ。親御さんには私から言っておくから」
礼の口調は、先ほどまでとは違い、そっけないものだった。
由香は隊務の関係上、帰りが遅くなることが多い。彼女の家は東京の世田谷区にあり、東海道線の終電を逃すと、かなりの出費を覚悟してタクシーを拾わない限り、家には帰れない。そんなときには礼の部屋に泊まることになる。由香の両親も、同性の部屋に泊まるということで、さほど心配していないらしい。元々が放任主義の両親なのだ。
「では、お言葉に甘えさせていただきます」
由香は少し微笑んだ。司令命令により〈オジロワシ〉と縁が切れた今、由香は自分の居場所がどこにもなくなってしまったかのような心細さを感じていた。そして、居場所を見つけることができた。礼と、少しでも長く一緒にいたかった。
「じゃあ、そこのベッドをつかって。私はソファーにでも寝るから」
礼はそう言うと、ソファーに自分の寝床を確保し始めた。
「いえ、私がソファーに寝ますから……」
遠慮する由香にかまわず、礼は毛布に包まって横になってしまった。
「寝てしまう前に言っておくけど」
礼は横になりながら言った。
「明日からは、あなたに対して単なる知り合いとして接するから、そのつもりでね」
「……え?」
由香は礼の言葉の意味をはかりかねた。
「だから、道で会ったら挨拶くらいはするけど、それ以上のことはしないから。質問には答えるけど、馴れ馴れしくしないから、そのつもりでいてね」
「……どういう意味ですか?」
由香の顔が強ばった。
「あなた、出入り禁止くらったでしょう?」
礼は言った。
「今回の件に関しては、私はほとんど知らないんだけど、なんとなく榊原さんの気持ちはわかるな。
だって、いつもあなたと後藤が喧嘩してるんだもん。私や信光さんは『またやってるな』で済ませるけど、榊原さんは上の人間なんだから、この喧嘩で何か悪影響が出るんじゃないか、私たちの部と信光さんの部とがうまくいってないと見られるんじゃないか、とか心配するわけじゃない?
喧嘩するのは相性とかの問題だから、部外者の私にはなんとも言えないけど、所構わず喧嘩するのは勘弁してほしいな」
由香は呆然となって、礼の話を聞いていた。自分と後藤との口喧嘩が、そんなに上層部に迷惑をかけているとは思わなかったのだ。
「勘違いしないで欲しいんだけど、私だってあなたが憎くて言ってるんじゃないのよ。ただ、これからのことも考えてほしいのよ」
「これからのこと……?」
「あなたも大学を出たら社会人になるでしょう? 社会に出たら、まず気を使うのが人間関係よね。その中にはあなたとそりの合わない人間も一杯いるわよ。
そういう人に出会ったとき、いつもいつも喧嘩ばかりしているつもり?
そんなことしてたら、あなたのほうが爪弾きに遭うわよ。『あいつは協調性のない人間だ』って見られたら、社会人としておしまいと言ってもいいかもしれない。そう見られなかったとしても、あなたは徹底的に無視されるでしょうね。そうなると、仕事はしづらくなる、いえ、できなくなるわよ」
礼の言葉に、由香は反論できなかった。現に、榊原直々の命令によって、〈オジロワシ〉の隊務に関わることを禁じられたのだ。
「聞きたいことがあるんですけど……」
由香はおずおずと礼にたずねた。
「もし、もしですよ、神崎さんが社会に出て、自分とそりの合わない人と、一緒に仕事をしなければならないとしたら」
由香は慎重に言葉を選んだ。
「そんな状況になったとしたら、神崎さんはどうしますか?」
「私? そうね……」
礼はしばらく考えていたが、
「面従腹背」
とだけ答えた。
「もしその人が上司だったら、仕事のことについては言葉を交わすし、言われたことだけはきちんとやるけど、それ以外は徹底して無視ね。部下だったとしても同じね。一定の距離を保って、自分から寄っていったりはしない。無駄にストレスためたくもないし、後ろ指さされたくもないとすると、こうするのがいいと思う」
礼の答えに、由香は納得できなかった。
「それで、うまくいくでしょうか?」
「さぁ?」
礼の返事は素っ気ないものだった。
「十人十色って言うでしょ? 実際に会って、言葉を交わしてみないとわからないことは多いわ。同じ対応しても、ある人はしつこく迫ってくるし、別の人は二度と近づいてこなくなるし、また別の人は逆恨みしてひどいことをしてくるでしょ? 『こうすれば必ずこうなる』とは言えないのよ」
礼はそう言うと、「脱線したわね」と苦笑した。
「まぁ、これに懲りたんだったら、少しおとなしくしてなさい。謹慎っていっても、永久に謹慎してろなんて言っていないんだから、そのうち復帰できるわよ」
礼はそう言うと、寝るわよと言って部屋の明かりを消した。
礼はすぐにかすかな寝息を立てたが、由香は眠れなかった。寝付けなかった。
「明日から、どうしよう……」
由香は小声で呟いた。
すでに処分は下された。明日からは構内で会う〈オジロワシ〉隊員とは気軽に会話することはできないだろう。
彼女が属している世界は、〈オジロワシ〉を除けば狭い。〈オジロワシ〉隊員以外にも友人はいるが、それほど深い付き合いをしているわけではない。
彼女はアルバイトもしていない。実家からはそれなりの仕送りもあるし、〈オジロワシ〉に勤務していると手当が入るので、それで十分に生活はできる。
(本当にどうしよう……)
(そもそも後藤が悪いのよ)
結局由香の考えはそこに行き着いてしまう。
(あいつがおかしなことをするかもしれないから、私はそれを監視しないといけないわけで、おかしなことをさせないために私はあいつにいろいろと注意をしないといけないわけで……)
由香は心の中で後藤に悪態をついていた。
しかし、その心の中の声は、徐々に小さくなっていった。
(でも、本当にそう?)
由香は考えてみる。
後藤は入隊してから、怪しい行動をとっただろうか? 後藤が入隊してから、〈オジロワシ〉のことが学生の間で噂になっただろうか?
どちらもノーである。後藤は入隊の経緯が経緯なだけに、臆病とさえいえるくらいに周りの人間に気を使っていたではないか。二年になって少しはくだけた様子を見せるようになったが、それでも自分の言動には細心の注意を払っているではないか。ラグビー部員に対する調査の時には、尾行されて無言の脅迫まで受けたが、それでも自分の仕事をやり遂げているではないか。
いまや、後藤のことを『裏切り者』とか『S研の狗』と考えている者はいない。由香以外には。
(それなのに、私は、あいつのことを……)
由香は今までの自分の言動を振り返ってみる。
顔を合わせれば、後藤を詰問した。ずいぶんときつい言葉も投げつけてきた。いつも後藤は、嫌そうではあったが静かな声で由香に反論し、それでも由香が攻撃すると、はじめて激しい言葉で反撃してきた。由香の疑惑を込めたまなざしに気づくと、後藤は殺気すら帯びた目で由香を睨みかえした。
しかし、後藤のほうから由香に罵声を投げつけてはこなかった。少なくともここまで二人の仲がこじれても、後藤のほうから由香に喧嘩を売るようなまねはしてこなかった。
(悪いのは……私だ……)
という結論を出すのには、かなりの勇気が必要だった。
由香は毛布をかぶりなおした。
(謝らないと……今までのことを、全部謝らないと……)
後藤が許してくれるかどうかはわからない。だが、誠心誠意謝れば、きっと許してくれる。
由香はそう信じながら、目を閉じた。眠れるかどうかわからないが、寝る努力はしてみるつもりだった。
管理人のコメント
骨法同好会の不穏がオジロワシ内部にも動揺を広げる中、内部の騒動源に対し、司令はどういう裁定を下すのでしょうか?
>そして、思いきり後藤の顔を殴りつけた。
>今度は由香の胸倉を掴んで、背負い投げ気味に思い切り投げた。
なんとまぁ、意外にも強烈な体罰です。
>先程怒ってみせたのはあくまで演技だったのだが、本気と受け取られたのかもしれない。
榊原本人は演技のつもりだったんでしょう。でも、そこに本気が混じっていなかったか? となると……
>「そうか、それは災難だったな」
>「問題は、酒井がどう思っているかだな。俺は今回の処分は仕方ないと思っているけど、向こうはどうかな?」
加納君、いい奴です。後藤もなかなか男らしいですね。
>「明日からは、あなたに対して単なる知り合いとして接するから、そのつもりでね」
そして、礼はなかなか厳しいです。リーダーとしては仕方ない事なんでしょうが。
>(謝らないと……今までのことを、全部謝らないと……)
ようやく本心から反省する事が出来た由香。彼女の想いは後藤に伝わるでしょうか?
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