「ジェネシスちゃん、大丈夫っ!?」
「な……なんとかっ。振り落とされないようにするだけで精一杯ですが」
 音速を突破し、周囲には音もなく戦場を駆け抜ける二人。
 二人が通り過ぎた空間には、直後凄まじいソニックブームが巻き起こり、周囲に配置されていた不運な敵機が吹き飛ばされていく。
 それは時間にすればほんの一瞬なのだけれど、激しいGに耐える二人には一瞬とも永遠とも思える時間の流れ。
 そして正面に、巨大な電波塔のような建造物が見えてくる。
 周囲に敵は今のところ見当たらない、どうやら主力の大半は3〜4エリア周辺に配置していたみたいだ。
「あれです! あそこから突入しますので」
「……了解っ。加速解除!……きゃぁっ!?」
 ジェネシスを投下するため加速を緩めた途端、塔の根元より複数の強烈な閃光がねここに襲い掛かる。
 急速回避して直撃は避けたけど……明らかに今までとは違う精度だ。

「今のは……あいつなのっ!」
「あれは……ネオボードバイザー・ガンシンガー!」
 塔の根元に佇む巨大な人影。
 それはジェネシスが使用するリボルケインの原型機、ソードダンサーの姉妹機であるガンシンガー。
 そして、その巨大なアーマードモジュールの装着者となっていたのが……

「エスト!?」


〜ねここの飼い方・劇場版〜
〜最終章〜


 塔より全周波に渡って通信が流されてくる。
 その声はそれなりに若い男の声だ。だが声質は歪み、他者を憎しみ蔑む様な雰囲気を滲み出させている。

『どうかね、正義の味方気取りの愚かな武装神姫ども。
 その正義気取りにお答えして最高の舞台を用意して差し上げたよ。
 友人を打ち倒して世界を守る、か。それとも倒され朽ち果て、我等の手先になるか。お前たちの運命はそれだけだ。』

 塔の前に佇むエスト。……いや、今はガンシンガーと言うべきだろう。
 彼女の全身はブリガンディモードになったガンシンガーと一体化していた。
「エストちゃん、どうしちゃったの!?」
 思わず叫ぶねここ、だが彼女は一切の反応を示さない。その目に輝きは鳴く、ただ命令に従うだけの殺人マシーンのような虚ろな目。

『彼女は思った以上に頑強だったがね、我等の技術力を持ってすれば不可能ではなかったよ。フフフ……無益な抵抗だったな。
 ……そして、今は我等の忠実な番犬だ。精々楽しく遊ぶ事だな』

「そんなっ!?」
『嗚呼、忘れる所だった。彼女ごと破壊しても一向に構わんが、その場合全データが修復不能、ついでに本体側も自壊するようしておいた、まぁ精々頑張りたまえ』
 男が言い終わると同時にエクセルビームライフル“ロンゴミニアド”を構え、連続して狙撃をしてくるエスト。
『ねここ急速回避!』
「やってるけど、でもっ!」
 再び再加速を掛け火線から逃れる。しかしその射撃は正確かつ高出力で、直撃こそないけれど各部装甲がチリチリと悲鳴を上げ始めている。
 それに、しがみ付いているだけのジェネシスへの負担が大きい。
『ねここはエストちゃんの相手を! ジェネシスはこのまま突入してください、急いで!』
「しかし、ねここだけではっ!」
「行って! ……何時までも背中に乗られてると……足手まといなのっ!」
 ねここはそう断言。でもその目からはポロポロと涙が溢れ流れて……
 
「わかりました……マスター、リボルケインを!」
『おぅ! やっちまえジェネシスっ』

 シューティングスターよりダイブ、自由落下していくジェネシス。
 やがて、彼方から飛来した戦闘機にタイミングをあわせ絶妙に着地。

「モードブリガンディ!」

 ジェネシスが鋭く叫ぶ。同時にリボルケインが展開、ジェネシスを包み込むようにして装着。
 白銀の帝王が誕生する。

『続いて行くぞ!』
「了解です……ツゥゥゥゥゥル!!コネクトォォォォォォ!!!」
 リボルケインに続き彼方から飛来したマイナスドライバーを、天高く掲げた右腕に装備!
「ディバイディング!!ドライバァァァ!!!」 
 そのまま勢いを殺すことなく、いやそれどころか推力を全開にして塔の基部に特攻をかけるジェネシス。
「…若い…」
 だがその突入位置を容易に予測したエストがチャージングチューブを接続したロンゴミニアドを構え、最大出力でジェネシスを撃ち砕かんと待ち構えていた。
 特攻してくるジェネシスを悠々と待ち受け、その破壊の槍で粉砕せんとするエスト。
『ねここ!』 「そんなこと、させないのっ!」
 ジェネシスを撃ち抜かんとするため、ねここへの砲撃は止まっていた。砲撃が停止した瞬間ねここは艦首を翻し、主砲のローエングリンを放つ。
 目標はロンゴミニアド。だけど急旋回の末発射したビームは目標を外れ、エストの足元へ着弾。

「死ね」
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 

 フル出力の一撃は直撃コースを外れ、虚しいエネルギーの浪費と終わる。地面を抉ったビームはエストの足場を若干崩壊させ、それが運良く照準を狂わせたのだ。その隙にジェネシスは電脳空間を切り開き、中心部へとダイブを決行する。
『ち、追えエスト……Gを八つ裂きにしてしまえ』
「は……」
 まだ開いたままのゲートへ突入せんとするエスト。だが直後、側面から激しく吹き飛ばされる!
 ねここが加速をかけて体当たりをかけたのだ。シューティングスターの推力に物を云わせた強引で強烈な突進。
 そのままゲートの前に立ちはだかり、ファイティングポーズを取る。
 やがて吹き飛ばされたエストもゆっくりと立ち上がる。重装甲で全身を覆ったエストにダメージは感じられない。
 出力と装甲が違いすぎる。だけど……

「絶対に……ここは通さないんだからっ!」



『どうだジェネシス、中核反応はあったか?』
「はい……キャッチしました。あと50」
 一方ジェネシスは制御プログラムの階層まで潜り込んでいた。
 やがて彼女の前に姿を現す、空中に浮かぶ巨大な金属球。神姫よりもそのサイズは遥かに大きい。
「……あれですね、一気に行きます!」
 ジェネシスが全身に内装された砲門を展開する。Gのキャノンが、両腕のビームユニットが、腰のヴェスバーが。
 そして周囲には残存していたドラグーンが。全砲門が目標である金属球へと照準を合わせられる。 
 その時、金属球に赤いラインが浮かびあがる。それは金属球に目の様な模様を書き上げ、同時に内部より何本かの細長い円柱状のフレキシブルアームがせり出してくる。
「な!?」
 ジェネシスがその変化にひるんだ瞬間、アームの先端より放たれる多数のリングレーザー。
 ブリガンディモードでは小回りに欠けるため、大きく回避半径を取らざるを得ない。攻撃態勢を解除してスラスターで回避行動を取る。
 更に追撃のつもりか、目に相当する部分から極太の拡散レーザーを発射。
 ジェネシスはリボルケインを巡航形態にチェンジさせて一旦後退、間合いを取る。
『……ありゃタングラムか。自衛プログラムとして、HOSの暴走起動用プログラムに融合させてやがる』
「逆に言えば、アレにワクチンを撃ち込めばこの事態を収拾出来るわけですね」
『そうなるな……よし、全力でぶちかましてやれ!』
「はいっ! モードブリガンディ!」
 全推進系を全開にし、超高速で突撃。咆哮と共に再び鎧を纏い、悪を断つ剣と共にタングラムへと突き抜けてゆく。
 それを迎撃するように、タングラムの目からは極太の収束レーザーが射出される。だがそれをエクスカリバーで歪め切り裂きながら突撃するジェネシス、そして。

「必殺!リボルクラッシュ!」 

 雷光一閃!
 彼女の鮮やかな一撃は、巨大なタングラムを完全に真っ二つに分断させた。そのままデータの藻屑となって崩壊していくかに見えたタングラム。
 だが…
「そんな、復活した!?」
 ジェネシスの叫びが木霊する。一瞬崩壊していくかに見えたタングラムは損傷部分を修復、直ぐに元の状態へと復元を果たしてしまった。
「アイツは無敵なんですかマスター!?」
『ちょっと待て、今のでデータが取れた。……何処からか修復プログラムが流入して復元されたらしいな。流入元はこの近辺じゃない……ルート検索。……いた。補修プログラムを持ってるのは…ガンシンガー!』


『……という訳で、アイツを倒さないとワクチンが投与出来ないみたい。ねここ……お願いっ』
『しかも厄介な事に同時にだ、片方だけ破壊しても互いに補完しあうらしくってな。ジェネシスの方は準備万端……あとは其方次第だ』
「な……なんとかやってみるのっ!」
 そうは答えてくれるものの、戦況は悪い。
 元々ネオボードバイザーと武装神姫では出力と装甲に雲泥の差がある。
 出力に物を云わせ総計5門のビーム砲を連射、尚且つエストの高い処理能力によってその射線は正確無比。
 ねここもイリュージョンシステムで撹乱を行うものの、砲撃ではエスト諸共吹き飛ばしかねないので迂闊に攻撃が出来ない。
『何か手段があるはず……何か』
 ガンシンガーのデータを手元のコンソールに呼び出し、機体特性を調べ上げる。
 変形システムを搭載してる機体は大抵の場合各種機構が複雑になり、脆い部分が存在しやすくなる。その辺りに突破口がないだろうか。
 だがこの機体は全身に渡ってフレームが走ってる上に、素体と合体することにより負荷の分散を図ってる。
 太腿部分は露出してる。しかしエストに一部でも傷を付けた場合どんな悪影響が出るかわからないので、迂闊に脚部を切断するわけにも……
 アーマーの配置状況はどうだろう。脚部、腕部…胸部、これなら…いけるかもっ。
『ねここ、今から送る戦術を試してっ!』
「あいあいさー☆」
 ねここにも私の気持ちが伝わったのか、急に陽気な声になる。
 シューティングスターを背負ったまま、軽やかに幻惑のダンスを踊る。背中に重量級の物体を背負っているとは思えない身軽さ。
 ガンシンガーの周囲に出現し続ける無数のねここ。それに対して全身の火器で片っ端から撃ち落してゆくガンシンガー。
 だけど全て素通り、ホログラフが虚しく拡散するだけ。何故ならねここは……
「こっちだよっ!」
 遥か上空、相手の真上から急降下を掛ける!
 同時に両舷のローエングリン砲口部からビーム刃を展開。それはライフルの全長に匹敵し、サーベルというより長大な騎兵槍とでも言うべきシロモノ。
 中世の騎兵のように、いや其れとは桁違いのスピードを以って空間を駆け抜ける流星。
『馬鹿め、一撃で撃ち落してやれエスト!……どうした、おぃ! 早くしろ!』
 それは偶然、いや彼女の意思の力による必然か。ほんの僅かに、だけど確実に動きの鈍るガンシンガー。
「……せ……ぃ、さ…せませんっ!」
 うっすらと瞳に生気の戻ったエスト。だけど彼女は覚悟を決めた様に瞳を閉じ
「私……もろとも……」
 閃光となって迫ってくるねここ対し遺言のように呟く。

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 ずぶりという音がしそうな程、易々とガンシンガーの左右胸部上面に深く突き刺さるビームランサー。
 それはガンシンガーの装甲部分のみを貫く様に……
 唯一の支えが外れ、剥がれ落ちる胸部装甲。同時に装甲の支えを失ったエストの身体もグラリと崩れ落ち始め……そこを両腕でキャッチ、そのままガンシンガー本体より引き抜いて一気に離脱するねここ。
 ガンシンガーの胸部装甲はポンチョのように上から被せる方式、だから上面装甲を切り離せばそのまま引き抜けると思ったのだ。それは大成功。
 そして急旋回し、抜け殻だけになったガンシンガーへ再び槍先を向ける。

『ねここ、フィニッシュ!』
「了解なのっ、ねここブースタァー!!!」

 最大加速して正面から突っ込む!
 ガンシンガーからは無数のビームが放たれるものの、先ほどまでの正確無比な射撃とは無縁の素人以下の乱射程度だ。
 激突寸前、自らを切り離し急速離脱するねここ。
 先程までねここがいた場所には、背部に装着されていた旋牙が前方配置され唸りを上げて回転している!

「ゴー!!!」

『なんだとぉぉぉぉぉぉ!?だからドリルは取れと言ったのだぁぁぁ!!!』

 ガンシンガーの各部に深く食い込み、抉り、そして突き抜けるシューティングスター。さしもの重装甲も全推力を背に受けた旋牙とビームランサーの破壊力には無力だった。
 そして突き抜けたシューティングスターが旋回、そのまま天頂から最早残骸となったガンシンガーへと最後の突撃を掛ける。
 修復される可能性がある限り完璧に破壊しなければいけない。

「……ごめんねっ!」

 同時刻
 ウイング内に仕込まれたGのキャノン、両腕のビームユニット、腰のヴェスバー。そして周囲のドラグーン。
 全砲門を、既に戦闘力を無力化させ瀕死のタングラムへと向け、射撃体勢を取っていたGが咆哮する!

「この力……今こそ解放の時!」


 二つの場所で同時に発生する閃光、それはこの戦いの終焉の鐘を鳴らすかのよう……


 〜終局へ〜

「ホストコンピュータ、完全に乗っ取られました! 制御…不能!」
「電源落ちません! 主動力室ごと止めないと無理ですっ」
 制御室にオペレーターたちの報告、いや悲鳴が響き渡る。無益と知りつつも全力で対処しようとする人々。
 やがて、ドサリと背後で何かが崩れる音がする。

「そんな……馬鹿な……」

 つい先程まで絶対の自信を漲らせ指揮を執り続けていた、彼らのリーダー格の男。
 ソレが椅子に崩れ落ちたのだ。
「脱出しましょう教授! 乗っ取りによってこちらの場所が判明したとしても確保した足止め用の神姫どもがいます。ヤツらを盾にすれば十分時間は稼げます。今のうちに……」
 傍らにいた若い男がそう助言する、だが……

「残念でしたね、皆々様♪」
 後背のドアが突然無礼に開き、逆光と共に一人の少女が現れる。
「な…貴様何処から!? いやそれ以前に警備は何をしている!?」
 責任を擦り付けたいのだろうか、誰に向かってかも判らない怒号で叫ぶ男。
「何処って……此処のドアからに決まってますでしょう。それと、暴走神姫たちも残さず返して頂きましたよ」
 挑発的な瞳で切り返す少女。
「そんな筈はあるか! 何百いたと思ってるんだ!? おい、やっちまぇ!」
 傍らで立ち尽していた警備用のアムドライバーに命令、いや嗾ける。
 彼らには対人攻撃防止プログラムはない、少女を有機物の塊にせんと一斉に飛び掛ってゆく。
「ふん、遅いね」
 次の瞬間、間接部を綺麗に切り裂かれボトボトと床に落下していくアムドライバーたち。
 少女の前に、天使と見紛うばかりの-翼-シルエットを持った武装神姫が浮遊していた。
「ありがとマルコ。助かるわ」
「何言ってるんです、わざわざ挑発なんかして。万が一だってあるんですからね」
 まるでピクニックにでも行くような調子で会話をする二人。
 その隙に反対側のドアから脱出しようと、何人かの男が慌てふためきながらも駆け出す。

「全員動くな!」
 発砲音の後、反対側のドアが倒れる。誰かがドアの接合部分をショットガンのような物で破壊したのだ。無論その誰かはすぐ判明する。
 倒れたドアの向こうには今しがた拘束命令を飛ばしたアーンヴァル型の神姫と、数十体に及ぶヴァッフェバニー型が銃器を構えて殺到していた。
 驚き倒れた男の一人が、混乱しつつも懐から拳銃を取り出し神姫を撃ち抜こうとする。
 だがそれは無益だった。銃を突きつけた時点で銃身がドロドロに融解してしまったのだ。
 それはアーンヴァルが放ったレーザーライフルの一撃。彼女らもまた対人用として殺傷力のある武装を装備していたのだ。
「それ以上抵抗すると……痛い目みますよ?」
 敗北を悟る男たち。全員が力なくその場へと項垂れた。



「あれ……私何やってるんだっけ」
「ボクなんでこんな格好してるんだろ?」
 ワクチンの効果は直ぐに現れ始めていた。
 それまで暴走し、獲物を求め彷徨っていた神姫は次々に正気に戻っていく。

 満身創痍の十兵衛とリン。
 それを延々と包囲し続けていたホイホイ軍団も、乗っ取り成功により消滅。
 二人の目の前でキラキラとポリゴン粒子に変換され消えてゆく。
「……勝利……か…」
「みたいです…ね。つ…つかれましたぁ」
 へにょりと背中合わせでその場にへたり込む二人。でもその表情は達成感に満ち溢れていて。


「終わったみたいですね、よかった……二人は無事でしょうか」
 気の抜けた表情で溜息混じりに呟く雪乃。
「大丈夫ですよ。貴方が信じてあげなくてどうするんです」
 今度は自分の番だな、と雪乃を励ましにかかるココ。
「そうですね……」

「おーぃ、ユキにゃ〜ん♪ ココちゃ〜ぁん☆」
 彼方から聞こえるねここの声。
 二人が声の方を見合わせる。そこには夕日をバックにジェネシスのリボルケインに乗り彼女たちの下へやってくる、ねここ、ジェニー、エストの姿が。
「ねここーっ♪」
 思わず手を振りながら飛び出してゆく雪乃。
「ユキにゃんっ☆」
 嬉しさのあまり、リボルケインから思わず飛び降りダイブ!
「わ…っ、よ・・・っと。……ふぅ、危ないですよねここ」
「ユキにゃん、ナイスキャッチなの☆」

「……おかえりなさい、ねここ」
「うんっ、ただいまっ♪」
 そこには何時もの、見る者全てを幸せな気持ちにさせてくれる、満面の笑みを溢すねここがいたのでした。


管理人のコメント

 12回の長きに渡って続いてきた「ねここの飼い方・劇場版」も、いよいよ最終回です。

>彼女の全身はブリガンディモードになったガンシンガーと一体化していた。

 ガンシンガーは一度ホビーショップで見たことがあるのですが、マクロスそっくりなアムドライバーの追加装備です。
 本体との大きさの違いについ笑ったり。まぁ、確かに強敵なのは確実です。


>「行って! ……何時までも背中に乗られてると……足手まといなのっ!」

 ねここには珍しい叱咤の仕方ですが、それだけ厳しい戦いということかも。


>「ディバイディング!!ドライバァァァ!!!」

 勇者王まさかの降臨!?


>その時、金属球に赤いラインが浮かびあがる。それは金属球に目の様な模様を書き上げ、同時に内部より何本かの細長い円柱状のフレキシブルアームがせり出してくる。

 シューティングゲームのラスボスっぽい感じになってきました。ボス戦が並行して二戦と言うのは、グラディウスVを連想します。


>『ちょっと待て、今のでデータが取れた。……何処からか修復プログラムが流入して復元されたらしいな。流入元はこの近辺じゃない……ルート検索。……いた。補修プログラムを持ってるのは…ガンシンガー!』

 ボス戦×2となると、攻略が倒す順番にかかってくると言うのもお約束。これでますます盛り上がるというものです。


>うっすらと瞳に生気の戻ったエスト。だけど彼女は覚悟を決めた様に瞳を閉じ
>「私……もろとも……」

 操られている味方がこうして力を貸してくれるのもお約束。ですが、上手い王道展開と言うのはそれ故に最高です。


>『なんだとぉぉぉぉぉぉ!?だからドリルは取れと言ったのだぁぁぁ!!!』

 エグゼブ乙。


>「……勝利……か…」
>「みたいです…ね。つ…つかれましたぁ」
>「終わったみたいですね、よかった……二人は無事でしょうか」
>「大丈夫ですよ。貴方が信じてあげなくてどうするんです」


 仲間たちも皆何とか無事でした。そして。


>そこには何時もの、見る者全てを幸せな気持ちにさせてくれる、満面の笑みを溢すねここがいたのでした。

 最後は主人公の笑顔で締め! でした。

 と言う事で、劇場版は終了です。いや、燃える展開の連続で、バトルものとしても友情物語としても素晴らしい内容でした。Motoさん、良い作品をありがとうございました。

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