この物語は事故で女性になってしまった「河野貴明」こと「十波たかみ」の受難の日々を綴った物語である………なんてね(笑)


では『たかみ 受難の日々』第三話「二回目の初登校」を始めまーす♪


Presented by lucis



 月曜日早朝。たかみの部屋。
 そこには東鳩高校女子制服に身を包んだ、たかみがいた。

「よ〜くお似合いですよ、たかみさま。ウフフ」

「はぁ…そうですか」

 まだ女の子の服を着慣れていない、たかみの着替えを手伝っていたシルファの言葉に、たかみはそう返した。

 「シルファ」…イルファ達HMX−17シリーズ最後の一人である。イルファとの違いは名前の「S−Ilhwa」が示すように胸がイルファより小さいのと、イルファは後ろに垂らしている髪を三つ編みに編んでいるというとこだろうか。あとは性格がマザコン気味であるということ。そのため「女の子になれてないたかみのお世話をするため、たかみと同居する」という今の状況は、(すぐ近くにもいるというのに)大好きな珊瑚と離れて暮らすという状態のため、それが我慢できず、いつも不機嫌な感じでいることになっている。たかみをからかうことで発散はしているようだが…。

「ええ。すっごく可愛いですよ。これじゃあ学校ではモテモテになるでしょうねぇ。クスクス」

「別に男にモテても嬉しくないよ…」

「えぇー、そうですかぁー」

「そうだよ…」

 そう言ってたかみがため息をつくのを、シルファは笑いながら見ていた。


   ピンポーン


 部屋のチャイムが鳴らされ、部屋の前から元気な声が響いてくる。

「たかみー!一緒にガッコいこー!」

「珊瑚様ですわ!!!今出まーす!!!」

 たかみを放って玄関へ駆け出していくシルファ。

「ちょ、待ってよ。まだ全部準備が整ってな………いんだけ…ど…な」

 そんなことを言ってる間にシルファの姿は見えなくなる。
 仕方なくたかみは、自分で準備を整え、珊瑚達の待つ玄関へ歩いていった。

 その頃。玄関についたシルファは珊瑚達と話をしていた。

「るーー!シルファちゃんとやってる?たかみに迷惑かけてないか?」

「るーです!珊瑚様!大丈夫です!たかみさまは私に任せてください!」

 しゃあしゃあとそんなセリフを吐くシルファ。

「たかみはやさしーから付き合いやすいやろ」

「ええ。本当にあの方はやさしいですよね。昨日なんかお風呂で私の体をやさしく隅々まで洗ってくださいました。スポンジではキズがつくなんて言って、手で直接ね」

 大嘘を吐くシルファ。そんな事実はどこにもない。むしろたかみの方が悪戯をされたのだったりするのだが。

「………」「たたたたたた…かかか…あああああああ」

 キョトンとする珊瑚と動揺しまくる瑠璃。
 そして、そんな時。タイミング悪く(良く?)準備を終えたたかみが玄関に現れた。

「おはよう。二人とも。………あれ?どうしたの?」

 不用意にも瑠璃の傍に近づき、顔を覗き込む。

「こここここここ「こ?」このへんたーーーーーい!!!」

 瑠璃がたかみの股座を蹴り上げる。男であれば金的になっていたであろう。
 しかし、今のたかみは女である。その為たかみは予想とは違うジンジンした…でもそれ程でもない…痛みに戸惑いながら耐えていた。

(あんまり痛くないんだな…。うーん…女でよかった。…って違う!)《聞き方によってはヤバイ感想だな》


     インターミッションです…クスクスby シルファ


「だから誤解なんだって」

「ゴカイもジャジャ虫もない!」

「ほんとーに仲えーなー。るりちゃんらラブラブラブーや」

 数分後、たかみ達は通学路を歩きながらそんなことを話していた。そんな時。

「る〜り〜ちゃん〜達〜〜おっ〜〜はよ〜〜」

 そんな声をドップラー効果を残しながら通り過ぎた影が、方向転換して戻ってきた。

「おはよ。たかくん」

「おはよう、このみ。だが外で「たかくん」はやめてくれ。バレたらマズイ」

「あ。そっか。ん〜じゃあねー…「たかちゃん」でいい?」

「それもちょっと…《それを使わせる奴は決めてあるし》。「たかみ」とは初対面に近いんだし、あまり馴れ馴れしいのもな」

「むー…。じゃあ「たかみちゃん」!これは譲らないよ!」

「んー。まぁ。それでいいか」

「ん。でさ、たかみちゃん。その制服似合ってるね」

「そ、そうか?」

 照れた顔で俯くたかみ。

(うっわー。たかくんかわいー。もえもえ〜)

 思わず抱きしめようとしたこのみの横から二本の腕がのびて、このみより先にその人の胸に抱きしめられる。

「きゃー。可愛いー、この娘」

「あーーー!!ずっるい。たまねぇ!」

「むぐっく!!!」(い…息が………でも柔らか…って違う!)

 その豊満な胸に圧しつけられたたかみが苦しそうにもがく。

 たかみを抱いているこの女性の名は「向坂 環」。貴明…たかみの幼馴染の一人で「家柄よし」「頭脳明晰」「運動神経抜群」「家事も完璧」「美人でプロポーション抜群」という完璧超人である。しかし、性格は気儘で傍若無人という「ボス猫」ってイメージがぴったりくる女性である。


   ジタバタジタバタジタバタ…ジタ…バタ……ジタ…………パタ…


「わー!わー!タマお姉ちゃん!マズイマズイ!離さないと!」

「あ………」

 慌てて体を引き離す。

「ぷはっ……はぁ…はぁ…はぁ…」

 環は照れ笑いをしながら謝る。

「あはは…ごめんねー。君があまりにも可愛かったからー。あ、私はこのみの幼馴染で「向坂環」よ。で、君は誰かな?初めて見る顔ね(どこかで見た顔な気もするけど…)」

「え〜と。ボクは姫百合さん家の隣の部屋に越してきた「十波たかみ」って言います。東鳩高校に交換留学生として入学することになりまして、今日初登校なんですよ」

「へぇ〜。君がたか坊と換わりで来るっていう娘ね。…たかみ…かぁ………たか嬢って呼んでもいいかな?」

 たかみは、安易な…と思いながら苦笑しつつ答える。

「はは…いいですよ」(どうせ勝手に呼ぶだろーし)

「ん。じゃ、たか嬢。これからよろしくね」

「はい。よろしくです」

 そんなやりとりがあった後、五人は雑談しながら学校へと歩いていった。そして学校前まで来たその時。ある少年からいきなり声がかけられた。

「柚原さーん。おはよー」

 この少年の名は「茅縞 弘司」。このみや姫百合姉妹と同じクラス(1−C)メイトなうえ、生徒会長である「久寿川ささら」の幼馴染でもある少年だ。外見は「可愛い男の子」って感じだが見ようによっては格好良く見えないこともない容姿をしている。髪型は青みがかった長めの髪を首の後ろでしっぽにしてある。

「あ。茅縞くん。おはよー」

 笑顔で挨拶を返すこのみ。茅縞は赤くなって俯く。

(あれ?この茅縞って奴このみに惚れてんのかな?結構可愛い顔してるし、うまくいけば可愛いカップルになりそうだな。ま。このみは気付いてなさそうだけど)

 茅縞は照れを隠すかのようにこっちを向いて話し出した。

「あーーー……と。ここ…向坂先輩!副会長引き受けてくれてありがとうございました。改めて礼を言いますね。さーねぇ…じゃなかった、久寿川会長もこれで楽になります!」(さーねぇ…大変そうだったもんな…)

「あはは…気にしないで。この学校に来た目的が果たせなくなって、暇だったから……さ…」

 寂しそうな顔で微笑む環。
 またもやテンパった彼はさらにこっちへ向く。

「そ…そうですか…あは…ははは……ぁー…と。ととと…と…と…」

 勢いに乗りすぎてつまずき、たかみを巻き込んで倒れる。

「うわぁぁぁぁーーーー」「え?あ………わぁぁぁぁーーーー……………むぐっ…」

 気付いた時。弘司はたかみの上に被さり、その口を自らの口で塞いでいた。

「わっ…わわわわ………」「………………」

 慌てて離れる弘司と呆然となるたかみ。

(えっと………なにがあったんだ?…確か今、口と口が…ってあれ?キス?男にキスされたのか?…え?え?嘘うそウソ……ええぇぇぇぇーーーー!!!)

 事態を把握したたかみが涙ぐむ。その姿はものすごく可愛らしく、周りを魅了する。

「あああ…あの…あのあの…」

 言い訳をしようとする弘司の背後に四人の鬼神が立つ。
 その後の弘司の運命は………残酷すぎてここでは書けません(涙)。まぁ珊瑚の金的で止めをさされたことは言っておきましょう。
 たかみのショックはコレのおかげで晴れた…というか弘司に同情までしたそうです。


     インターミッションよ!by 腰に手をあてて仁王立ちする環


 その頃。東鳩高校の一室「2−B」教室内ではある騒ぎがおきていた。

「雄二、聞いたか?河野のかわりに今日来る予定の留学生、メチャ可愛いらしーぜ」

 そう言ったのは「木元 健」。話しかけられた「向坂 雄二」の親友で、カメラ小僧でもある。よくアイドルのコンサートに行ってはローアングルの写真を撮って売りさばいている。まぁ売るのには可愛い娘のスナップ写真って言うのもあるのだが…。ちなみに眼鏡はかけてない。
 「向坂 雄二」の方は環の弟で、たかみの幼馴染でもある。親友でもある…のか?ただの腐れ縁って気もしないではないが…。ナンパとメイドロボ、緒方理奈が好きな普通の?高校生である。外見は二枚目だが行動は三枚目であるため損をしている。

「マジか!?貴明がいなくなって少し寂しく感じてたけど、それなら悪くないかもしれないなー」

「楽しみだよな」

「ああ。楽しみだな」

 これに良く似た話が教室のそこかしこでおこっている。
 「2−B」の委員長「小牧 愛佳」はこの騒ぎを収めようと必死だがまるで相手にされてない。
 そして教室に先生が入ってくる。

「はいはい。騒ぎはそこまでにしておけ。これから噂の留学生の紹介をする!さっさと席につけ!じゃねーと紹介しねーぞ!!」

 皆、自分の席について待つ。

「いいぞ!入って来い!」

 そして扉が開き、一人の少女が入ってくる。俯いていて顔が良く見えない。

「ほら。自己紹介をしろ」

「ぼ、ボクは十波たかみ…です。よ…よろしくお願いします」(恥ずかしいー。クラスメイトにこんな…こんな女性の制服姿を見られるなんて…覚悟はしてたつもりだけど、やっぱり恥ずかしいよー)

 赤い顔を俯かせたまま自己紹介したたかみはクラスメイトの様子を見る為、覚悟を決めて顔を上げる。顔は赤いままだったが…。
 その瞬間!

「うおぉぉぉぉぉ!!!かっ可愛い!!!」「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!かっわいいー!!!」

 男女両方から叫び声が上がった。

(な!なんだこの反応は?…雄二…なんかボーっとしてるな。こんな反応始めて見た気がする…木元はメチャ興奮してるな。コレはアレだな、多分「これは売れるぞー!」とか考えてんだろーな…うーん悪くない…って言うか少し嬉しいかも)

「十波の席は元河野の席でいいだろ。小牧、案内してやれ」

「あ、はい」

 そう言ってたかみの傍に来る。

「私、学級委員長の小牧愛佳。よろしくね十波さん。わからないことがあったらいつでも聞きに来ていいからね」

 席の案内をしながら言う愛佳。

「うん。こちらこそよろしく小牧さん」

 たかみが席に着いたのを見ると。

「HRはここまでだ。俺は出て行くが俺がいないからって騒ぐんじゃねーぞ!」

 釘をさして教室から出て行く先生。
 しかしその釘はまったく役にたたなかった。
 瞬く間に質問攻めにあうたかみ。どの質問に答えていいか分からずに混乱する。

「はいはいはい。ここは俺に任せてもらおうか」

 木元が皆をまとめ、質問を整理する。要望の多い基本的な質問からこなしていく。
 主だった質問に答えると木元は…。

「これからは個人的な質問を受け付けるよー。今までの質問以外で聞きたい事がある人は手を挙げて。俺が指したら質問するように」

 悩んでいたような顔をしていた雄二が手を挙げる。

「はい。雄二。なんだい?」

「あ、あのさ、十波さん。前に一度会ったことなかったかな?」

 そう言った雄二に「なにナンパしてんだテメーは!」といった男達の視線が突き刺さる。
 雄二は意に解さず言葉を続ける。

「確か、小学生の時だったと思うんだけど…公園でさ…」

(何言ってんだ雄二のやつ…小学…公園?)「…あ!」(そうか!ボクが女装した時のことか…)

「やっぱり!あの時の娘だよね」

(やば…)「し、知りません!」

「そんな…」

 その時、雄二の肩に手が置かれる。雄二が振り向くと…

「なれなれしくしてんじゃねーよ!」

 男達にボコボコにされる雄二。
 質問が再開され、ある女生徒が質問する。

「ねぇねぇ。むこうで付き合ってる人とかっていたのー」

「え。え〜〜と………」

 教室中の視線が集まる。男達も雄二を殴る手を止めて、たかみを見ている。

(一応、男の時にはあの娘達と付き合っていたんだから…)「うん。いるよ」

 男達は消沈し、女達は騒ぐ。

「ねぇねぇ。どんな人どんな人」

「え〜と…。せ、積極的な人、それに…いじっぱりな人…かな」

 たかみへの質問は続く…。
 そんなことを話してる後ろで男達は…。
(はぁ〜ぁ…、たかみさん彼氏いるのか)《別に恋人であって彼氏ではないぞ》
(積極的でいじっぱりってどんな人なんだ…)《一人の人物の事をいってるわけじゃないんだが》
(でも、所詮は遠く離れた場所にいる人だ。女性には遠距離恋愛はつらいっていうしなんとかなる!)《すぐ近くにいるし、本当は女性でもないんだけどね》
(そんなやつより俺のほうがいい男だって思いしらせてやる!)《男に惹かれるとは思えないけどね》
((((絶対俺の彼女にしてやる!がんばるぞ!おおー!))))《ま。せいぜいがんばってね》
 と、いうようなことを考えていた。

 そして、たかみへの質問は一時間目の授業中ずっと続いてたが、その時の先生は生徒に無視されていても、いつも通りの授業をし、チャイムと共に教室を出て行った。


   インターミッションだそうですby マイペース先生


 一時間目の後、2〜4時間目は特に何事もなく進んだ。(まぁ休み時間中、廊下がたかみの見物客で賑わってたりしていたが…)
 そして、昼休み。
 たかみは…

(あーー。昼メシどうしよっかなー。購買でもいくかー)

 などと思っていたが…。突如教室に現れた二人に声をかけられた。

「るー!たかみ、ウチ等とご飯食べよー!」

「べ、弁当作ってきたんや。せ、折角やから一緒に食わへんか?」

 多少呆然としていたが、すぐに答えた。

「うん一緒に食べよ。どこで食べる?」

「おくじょー!このちゃんと約束があるんよ」

 珊瑚は「るー」の形のままそう言った。

「屋上ね。行きましょうか」(このちゃん…このみのことかな?)

 そう言って歩き出そうとする、たかみにクラスメイトが問いかける。

「あ、あの十波さん。姫百合さん達となんで仲いいの?」

「あ。ボクの越してきた部屋って珊瑚ちゃんや瑠璃ちゃんの部屋の隣なんだよ。その関係でね」(聞かれたときの答え用意しといてよかったー)

「あ。そうなんだ…」

「うん、そう。あ、食べる時間なくなっちゃうから、ボクはもう行くね」

 そう言って、たかみは屋上に上がって行った。


     キィ…ガチャン


 三人が屋上の扉を開けると、そこには青空が広がっていた。

「んーー。気持ちいい天気だねー。それじゃどこで食べようか」

 たかみが屋上を見渡すと、一人の少女が手を振りながらたかみ達に声をかけてきた。その少女の傍には、他に三人の人物が座っている。

「たかみちゃーん。こっちこっちー。瑠璃ちゃん、珊瑚ちゃんもー」

「ありゃ。このみの奴、恥ずかしいな。でも、ま。約束してるんじゃしょうがないか。行こ」

「行こ、行こーーー」

「さんちゃんがええならええんやけどな……はぁ」

「じゃあ、そうしようか」

 そう言って三人はこのみ達のグループの傍に弁当を広げた。
 そのグループのこのみ以外のメンバーは環と弘司…それと綺麗な女性だった。クリーム色の髪をした、ふわふわとした体と目を持つ女の子だ。
 そして弘司が朝、あれだけボロボロにされた筈なのに、もうキレイな姿をしていることにたかみは驚いた。しかし、このみや姫百合姉妹がまったく驚いてないのを見て「そんなものなのかな」と勝手に納得し、もう一つの「気になること」を質問した。

「あれ?そちらの方は?」

「あ…。私、「久寿川 ささら」です。「3−A」。生徒会会長をしています。学校のことで困ったことがあったら生徒会室に来て…」

「あ。うん…」(付き合いにくそーだな)

「ごめんね、たかみちゃん。かいちょーって人見知りするんだ。ホントはけっこー可愛い人だからキライにならないでね」

 そう言われて赤くなるささらを見て、たかみは…

「クス。なんかそうみたいだね。うん。ボクも仲良くしたいな。よろしくね」

 そう言って、手を前に出す。

「あ、はい。よろしくお願いします」

 握手をかわす二人。

「クス。そんなに畏まらなくてもいいってば」

「あ。そうですね。ふふ」

 笑い合う。

「あー。ずるいなー。ささらばかり。ね、たか嬢。私とも握手しよ」

「あ。はい」

 環は、たかみの手を両手で包み込むように握手をする。そして、たかみの手の甲を撫でるように触る。

「うーん。たか嬢の手ってスベスベねー。気持ちいいわー」

「そ、そうですか…」(ぞぞぞ…。タマ姉、なんか変だぞ。なんか目が熱っぽいっていうか、獲物を見る目っていうか。こ…怖い…)「あのー。そろそろ離してくれませんか?」

「あ?あーー!ごめんねー」

 手を離して距離を置く二人。

「いえ。いいんですけど」(本当は怖かった…)

 その後、たかみ達は楽しく雑談をしながら弁当を食べ、お昼休みを過ごしたのだった。


 一体雄二はどうしてたんだ?と思う人の為のフォロー。
 実は雄二はリンチのダメージが酷く、保健室で寝て(気絶して)いたのでした。


     インターミッションです…by 照れるささら


 その日の夜。
 向坂家、雄二の部屋。
 雄二はベッドに寝っ転がり、真剣な表情で何かを考えていた。
(十波さん。あの娘は絶対、初恋のあの娘だ。恋人がいるって言ってたけど関係ない!絶対俺が彼女にしてやる!)
 一方、環の部屋。
 環は布団の中で(怪しいを通り越して)妖しく笑っていた。
「ふふふ…(たか嬢か…。可愛かったわねーー。これは絶対に新しいスールにしないとね)うふふ…くっくっくっく…」
 茅縞家、ベランダ。
 弘司は星を見ながら悩んでいた。
(十波先輩…。唇…柔らかかったなー………いやいや、僕は柚原さんが好きなんだ!でも……でも……)
 その他、男達の家。
((((十波さんは絶対俺の彼女にしてやる!!!!))))
 男達+1の夜は更けていく。
 そして狙われた、たかみの運命は?
 続く。



     第三話「二回目の初登校」完………第四話「脅威の三年生達!」につづく…よね?


あとがき…だったり?

 今回は…正直に言いますが「12人目の彼女」第3話「ひろの登校」の構成にかぶせてみました
 違いがよくわかるでしょう(設定が正反対なのでどう変わるかやってみたかったのよねコレガ)
 今回のネタバレ
 まずはオリキャラからいきましょう
 「木元 健」…雄二の親友の上、登校時の混乱を収めるキャラが欲しかったんで、こんなキャラになりました。木元という苗字は柿本から「か」を取っただけです。だから男の幼馴染の親友という位置にいるキャラなんです。健という名は大方の予想はついてるでしょうが、あるロボットアニメの脇役から取りました。最初は健介にしようかと思ってましたが、さすがにまずいかな…と
 「茅縞 弘司」…こちらは矢島に、柿本から取った「か」をくっつけました。だから女の幼馴染に惚れている男…という位置にいるキャラなわけです。弘司の名は二人のコウジの名をくっつけました。一人はあるコメディウェブ小説の不死身の男(女にしか見えない男の友人)。もう一人はあるゲームの、女になった先輩に惚れた男です。この男は薄幸少年にする予定(ある意味第二の主人公です)
 シルファ。性格の理由は書きましたが、ちょーとマズイかなぁ。たかみの不幸に拍車がかかりそうだ…
 タマ姉の性格を変えてみました。前の学校でそっちに目覚めたってことにしましょうか(未決定)
 雄二。今の所コイツの恋をかなえるつもりはさらさらありません
 ささら。原作以上に普通の人になりそうなので、次回にちょっとした仕掛けをしています。原作にはないフルパワーなキャラになる予定です
 それではまた次回をお楽しみに。次回でキャラが出揃う筈です(1キャラ、オリキャラ以外)


管理人のコメント


たかみにもTSっ娘のお約束イベント、初登校がやってまいりました。向坂姉弟のような野獣がいるだけに、今後の展開が不安ですね(笑)。

>「よ〜くお似合いですよ、たかみさま。ウフフ」

シルファ登場。管理人の個人的主観ではHM−17シリーズの中で一番好きなデザインです。


>「ええ。本当にあの方はやさしいですよね。昨日なんかお風呂で私の体をやさしく隅々まで洗ってくださいました。スポンジではキズがつくなんて言って、手で直接ね」

やっぱりロボット三原則はついていないようです。
※ロボット三原則第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。


>むしろたかみの方が悪戯をされたのだったりするのだが。

詳しく(殴)


>「ボス猫」ってイメージがぴったりくる女性である。

環登場。ボス猫というよりは、既に獣王の域に達していると言われている彼女ですが、さて本作ではどんなキャラに?


>(えっと………なにがあったんだ?…確か今、口と口が…ってあれ?キス?男にキスされたのか?…え?え?嘘うそウソ……ええぇぇぇぇーーーー!!!)

合掌。たかみにも、弘司君にも。


>(な!なんだこの反応は?…雄二…なんかボーっとしてるな。こんな反応始めて見た気がする…木元はメチャ興奮してるな。コレはアレだな、多分「これは売れるぞー!」とか考えてんだろーな…うーん悪くない…って言うか少し嬉しいかも)

なんか見られる快感に目覚めてます。大丈夫かたかみ。そのまま全速前進だ(を


>「確か、小学生の時だったと思うんだけど…公園でさ…」

雄二の初恋ネタ。貴明の女装orTSネタでは必ず話題にされますが、たいていは玉砕必至という、悲しいオチが待っていたりもします。


>「あ…。私、「久寿川 ささら」です。「3−A」。生徒会会長をしています。学校のことで困ったことがあったら生徒会室に来て…」

そして、ささらも登場。まだクール状態のようですが、今後どう崩れて行くか非常に楽しみです。


>(たか嬢か…。可愛かったわねーー。これは絶対に新しいスールにしないとね)

環……やっぱり獣王か。しかも本編よりタチが悪そうです。


早くも向坂姉弟やら弘司やらに目をつけられまくりのたかみ。お世話役のシルファもあんな状態で、彼女は自分の身を守れるんでしょうか。
 
 
戻る